同性結婚を認める法案が成立しました。
エリザベス女王の承認を7月17日に得たということです。
早ければ2014年の夏から施行される予定です。
「英政府、同性婚合法化の法案発表 イングランドとウェールズで」(昨年12月の記事)
「英国で同性婚認める法案が成立 来年夏にも施行」
「英国議会、同性婚法案を可決 来年にも初のカップル誕生へ」
ちなみにスコットランドは同性結婚の合法化は準備中になっています。
北アイルランドは残念ながら同性結婚法案は否決されました。
フランスでも同性結婚を認める法案は可決していますし、
アメリカ合衆国は同性結婚を禁じた結婚防衛法に違憲判決が出ています。
ロシアは残念ながら逆行していますが、それでも世界の潮流は
同性結婚を認める段階に来ているということです。
同性結婚どころか夫婦別姓さえ認められない日本は、
20年くらいグローバルスタンダードから遅れを取っていると思います。
イングランドとウェールズで同性結婚が合法化されたことに寄せて、
ミラー女性・機会均等担当相がつぎのようにコメントしています。
こういうふうに考えたいものだと思います。
日本で選択別姓に反対する人たちとは、まったく対照的ですよ。
http://www.cnn.co.jp/world/35025646.html
「互いに愛し合い、誓い合うカップルの前に、国が立ちふさがってはならない」
「法改正により、社会における結婚はより強固なものになり、
現代的な生きた伝統であり続ける。すべての人にとって、より公平な社会も築かれる」
日本の非共存派たちは、自分たちの「理想の家族」幻想に
当てはまらないカップルの前には、国が立ちふさがるべきとしています。
また非共存派たちは、選択別姓を認めることは伝統に反するとか
家族が崩壊するとか騒いでいて、民法改正で伝統が生き続けるとか、
結婚が強固になるとかは、ぜんぜん考えないのですね。
男女で結婚した夫婦のどちらかが結婚後に性別変更すると、
同性カップルになりますが、同性結婚の合法化でそれも認められるようになります。
http://www.christiantoday.co.jp/article/5986.html
また既婚の男女が性別の変更を望む場合、
結婚を解消しなくても性別を変更できることになった。
日本では、性同一性障害のかたで戸籍の性別を変更できるのは
単身者という条件があり、既婚のかたは性別変更ができなくなっています。
男女の夫婦の一方が性別変更すると同性のカップルになるし、
法的に認められていない同性の婚姻になるからです。
同性結婚が認められていれば、男女の夫婦が婚姻を解消しなくても
性別変更できるので、性同一性障害のかたにもメリットがあるということです。
つぎのように同性結婚の導入にともなうコストも試算されています。
http://www.afpbb.com/article/politics/2956252/11042420
新法の施行に当たっては、同性婚の届け出を受理・登録するために
政府のコンピューターシステムを改定する必要があるとされ、
そのためのコストは200万ポンド(約3億円)に上ると推定されている。
一方で英政府は、同性婚の合法化により、ケータリングやホテルといった
ウエディング関連業界に年間で推定1440万ポンド(約21億6000万円)の
経済効果がもたらされると予想している。
200万ポンドのコストがかかると推定されるのですが、
それと同時に1440万ポンドの経済効果も期待できると算出しています。
経済的にも失うものよりも得るもののほうが、ずっと大きいということです。
やはり差別は解消するにこしたことはないようですね。
日本では選択別姓の導入はコストがかかるから反対という人がいます。
そういう人は、導入の際の経済効果も計算してみるとよいでしょう。
(その前に非共存派は、コストの計算もやらないのですが。)