2013年09月16日

toujyouka016.jpg ふたりはセクハラ男

大阪市で民間から公募で選ばれた小学校の校長と区長が、
ふたりしてセクハラをするという不祥事が起きて話題になっています。
民間からの公募というのは、もちろん橋下徹市長が主導で導入したものですよ。

「民間出身の校長が児童の母親にセクハラ 大阪市教委が調査」
「大阪市公募区長、女性職員にセクハラか 「介抱するために触った」と釈明」
「「あんまりヤってないの?」“分身”たちのセクハラ騒動でグラグラ「橋下公募制度」
…児童母への猥談、接触、ああしょうもない」


 
セクハラ校長のほうは、保護者の母親相手に性的なメールを送ったり、
親睦会のときに性的な質問をしたり体を触ったりしたのでした。
このほか、子ども会に出席していた10代後半の女の子(高校生?)にも、
性的なことを訊いていたとあります。

「セクハラの公募校長は現場復帰へ 研修後、大阪市教委が方針」
「セクハラ民間校長が研修後に復職へ 大阪市教委の人事方針に疑問や批判噴出」
「大阪のセクハラ更迭校長、研修後復職へ」

この校長は6ヶ月間の減給10分の1という懲戒処分となります。
勤務していた小学校からはさすがに更迭されたのですが、
3ヶ月の研修を受けたのち、べつの小学校に赴任することになったのでした。

この処分は甘いと考えるかたは多いでしょうね。
なんでもう一度学校に復帰させるのか、停職にはしないのかと思うところでしょう。
どこの小学校に赴任するかはまだ決まっていないのですが、
こんな校長が来た学校はとんだ災難だろうと思います。
とうぜんのごとく保護者のかたたちは猛反発です。

「公募セクハラ校長の復職方針、保護者が猛反発」

研修を受けさせると言いますが、それでどれだけ改善するかも怪しいです。
着任前にもこの校長は研修を受けているのですが、それでセクハラしたのですから。
「しかるべき処分はした」というアリバイ作り程度にしか
ならないのではないかという気もします。


セクハラ区長のほうは、部下の女性職員に対してです。
職場の親睦会のときに、お酒を飲んだ女性職員のからだを介抱の際に触ったり、
地下鉄の社内でも触ったりしたのでした。
ほかにも職員と仕事で外出するときに「いまから昼下がりの情事に」
などと大きな声で言ったりもしています。

「大阪市公募区長、セクハラで減給 他にも問題相次ぐ」
「部下にセクハラの民間出身区長を減給処分 大阪市」
「公募区長:職場内で「昼下がりの情事に」と大声で」

この区長は1ヶ月間の減給10分の1の懲戒処分だけでした。
大阪市は「悪質性が高いとは言えない」などと判断し、
区長を更迭することなく続投させることになったのでした。
セクハラは悪質性が高くないという認識の自治体で、今後区民のかたたちは
セクハラや性犯罪やDVの相談が安心してできるのかと思います。


かかる公募制導入の立役者にして責任者である橋下徹市長はといえば、
セクハラ校長をせっせとかばっていたりします。
(区長についてはどう言っているのか、記事が見つからなかったですが、
たぶんおなじような認識ではないかと思いますよ。)

「橋下氏、セクハラ校長に「1回チャンス与える」」

橋下氏は「ワンチャンスを与えてもいい失敗だ」などと言うのですが、
セクハラは場合によっては、被害者に一生の傷を残すことがあります
相手は人生のチャンスさえも損なうかもしれないわけです。
また「校長といっても神様じゃない。スーパーマン校長は求めていない」
とも言うのですが、神さまやスーパーマンでなくても、
ふつうの人でもセクハラなんてしないですよ。

みなさんもよくご存知のように、橋下氏は公務員に対しては、
「民間より厳しく」をスローガンに、やたら懲罰的な処分をしてきたのでした。
以下のまとめに並べられていますが、いままでにたくさんありましたね。

「勤務中の喫煙クビ!橋下市長の職員への処分事例」

こうした公務員の扱いにくらべると、セクハラの校長と区長の両方とも、
10分の1の減給にするだけで停職にならないというのに、
その措置を擁護するのは、すいぶんとお手柔らかなことだと思います。


橋下氏がセクハラを擁護する理由は、ひとつは民間からの公募という
自分が主導した制度なので、それを否定したくないことがあるのでしょう。
実際、校長が罷免できないのは、任期の3年のあいだはやめさせられない
ということもあって、公募の制度上の欠陥も問題視されています。

もうひとつは橋下氏の性犯罪に対する認識が、そもそも甘いのだと思います。
いかんせん橋下氏は「慰安婦は必要だった」と言ってのける人です。
女性を男性の性的搾取の対象とすることに、はばかりがないのでしょう。
それで校長と区長のセクハラも、本質的に問題視できないのだろうと思います。


付記:
阪南大学では女子学生を相手にセクハラをした教授を懲戒解雇にしています
「民間」はセクハラに対してこれくらい厳しいということです。
「民間より厳しく」と言うなら、セクハラ校長と区長に対しては、
これ以上の厳格な処分を下さなければならないでしょうね。


追記:
橋下氏はやはりセクハラ区長も擁護しました。予想通りでした。
「人間誰でも失敗はある。もう一度チャンスを与えていただきたい」
などと言っていますよ。

「セクハラ区長に「再度チャンスを」 橋下市長と市議応酬」

posted by たんぽぽ at 23:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
私の予想通り、大阪の教育現場はどんどんと破壊が進んでいるようですね。「自分の子供が大阪市立学校に通っていなくて本当に良かった。」と言うような内容を、去年だったかにコメントした記憶がありますが、またぞろその思いを強くいたしました。

つっても自分の子供さえ良ければ、ってのも決して気分の良い物ではないですし、私の知人の御家族(小学生の子供2人あり)も数年前に大阪に転居しているので、そう言う面でも、あまり他人事な感じはしないんですよね。
今度の堺市長選挙の結果次第では、橋下の求心力低下が決定的に・・・などと言う報道もありますが、大阪市民の皆様はそれまで悠長に何もせずに待っているつもりなのですか?と、問いたい心境です。
Posted by ニャオ樹・ワタナベ at 2013年09月17日 12:37
こちらにコメントありがとうございます。

>私の予想通り、大阪の教育現場はどんどんと破壊が進んでいるようですね

前にコメントしていたのは、桜宮高校のバスケットボール部の体罰で
自殺者が出たことが話題になっていたときだったかもしれないです。
そうだとすると今年のはじめですね。

今回のセクハラ校長は、あきらかに橋下が導入した制度のせいですね。
見ての通り擁護していて、ろくに責任を取るつもりはないようだけど。
保護者や児童たちにとっては、この校長が自分の学校に
来るのではないかとさぞかし心配だろうと思います。
どこに赴任するかわからないけど、とんだ「ロシアンルーレット」ですね。

>私の知人の御家族(小学生の子供2人あり)も数年前に大阪に転居しているので、

心中お察しもうしあげます。

>大阪市民の皆様はそれまで悠長に何もせずに待っているつもりなのですか?

橋下を支持するような人たちは、セクハラも問題視しなさそうなのですよね。
その前に公募校長がセクハラしたこと自体、ろくに把握してないかもしれないです。
Posted by たんぽぽ at 2013年09月18日 20:36
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