2013年09月27日

toujyouka016.jpg 民主党支持者の選挙分析(2)

前のエントリの続きです。

わたしを人格攻撃した「atsushi」氏による2010年の参院選の選挙分析ですが、
さらに驚くべきことを言っているのですよ。

「民主党支持者の人格攻撃」
「菅直人の支持者たちに人格攻撃された(民主党支持者たちの被害者意識)」

「atsushi」氏に言わせると、なんと票が民主党から他党に流れたのは、
鳩山氏の普天間返還問題や、小沢氏の政治資金疑惑のせいだというのですよ。

 


鳩山政権の最後のとき民主党の支持率はひどく落ち込んでいたのですが、
2010年6月8日に菅政権が発足してから、急激に上昇をしたのでした。
毎日新聞の世論調査では66%の高い支持率が出ています。
したがって鳩山政権時代の影響はほとんど残っておらず、
首相交代によって完全に支持が更新されたと言ってよいでしょう。

「菅内閣発足」


菅首相(当時)就任によって、民主党の支持率はいったん高く
跳ね上がったのですから、そのあとの支持率降下は菅首相(当時)がみずから
招いたことだとしか考えようがないでしょう。
政治評論家の小林吉弥氏は、「消費税10%」の議論が原因であり、
菅首相(当時)の「オウンゴール」と評価しています。

「参院選、菅“オウンゴール”で情勢激変 民57・自40」(リンク切れ)
「参院選、菅“オウンゴール”で情勢激変 民57・自40」

「菅さんによって得票数一位まで健闘した」とも「atsushi」氏は言います。
前のエントリでお話したように事前の選挙予想は民主党の
大勝
だったにもかかわらず、結果は自民党に負け越したのでした。
よって民主党は取れたはずの議席をいくつも逃したのであり、
それは「健闘」どころではなく「失敗」だと言わざるを得ないです。

首相が菅氏に交代してからは、普天間はほどんと話題にならなかったと思います。
2010年の参院選では普天間問題はほとんど争点になりませんでした。
また小沢一郎氏の政治資金問題も、菅直人氏が首相になったころは
やはりほとんど話題になっていなかったと思います。
参院選で票が民主党から流れたのを、鳩山氏や小沢氏のせいにするのは、
まったくの責任転嫁だと言わざるをえないです。


2010年の参院選の敗北に対して、当時の菅政権や民主党の執行部が
じゅうぶん責任を取らなかったことは、わたしも知っていました。
ところが、鳩山氏や小沢氏のせいにする論調があることは、
「atsushi」氏たちと議論するまで、じつはわたしはぜんぜん知らなかったのでした。

政治学者の上久保誠人氏(かみぽこちゃんさん)も、2010年の参院選の
分析をしていますが、ここでは「消費税10%」の議論は一面的な原因で、
真因は菅首相(当時)の財務省への屈服としています。
それでも敗因は菅首相(当時)にあると考察しているのであり、
鳩山氏や小沢氏のせいにする発想はぜんぜんないことがわかります。

「参院選敗因の分析」
「参院選総括:「ありえない敗戦」の真因は菅首相の財務省への屈服。」


つぎのツイートをいただいたのですが、どうやら2010年の参院選の直後から、
敗因を鳩山氏や小沢氏のせいにする論調はあったもののようです。
まったく思いもよらない発想だったことに加えて、とても無責任ですから、
こんな論調があると知って、わたしは軽いショックを受けましたよ。


選挙の敗北と向き合わず、こんな見え透いた責任転嫁をするようでは、
民主党の再生などとてもおぼつかないことは、言うまでもないことだと思います。
民主党の支持者のあいだに、こんな論調が蔓延しているのだとしたら、
事態は相当深刻になっていると言わざるをえないです。

posted by たんぽぽ at 06:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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