菅首相(当時)がはじめた「消費税10%」の議論が大きいことをお話しました。
これはかなり話題になったことですし、覚えているかたも多いと思います。
「菅直人の支持者たちに人格攻撃された(民主党支持者たちの被害者意識)」
これも9月27日エントリで紹介していますが、政治評論家の小林吉弥氏は、
選挙期間中の7月2日に、民主党の支持率が下がり続けているのは
「消費税10%」の議論が原因であり、菅首相(当時)の
「オウンゴール」と評価しているのでした。
「参院選、菅“オウンゴール”で情勢激変 民57・自40」
菅直人首相(63)が「消費税10%」を示唆したことで、
7・11参院選情勢が急激に変化している。民主党への追い風がピタリと止み、
無党派層が投票先を決めかねているようなのだ。
「鳩山由紀夫前首相(63)と小沢一郎前幹事長(68)の引責辞任で、
民主党は単独過半数もあり得る展開だったが、
『消費税10%』発言で無党派層が離れ、公明党支持層もソッポを向いた。
政治学者の上久保誠人氏(かみぽこちゃんさん)も、
選挙結果の分析をしていますが、「消費税10%」の議論は本質的ではなく、
真因は菅首相(当時)の財務省への屈服としています。
「参院選総括:「ありえない敗戦」の真因は菅首相の財務省への屈服。」
ただ、菅首相は今回の敗北を「消費税発言」のせいだと安易に総括すべきではない。
繰り返すが、国民は財政再建の必要性を十分に認識している。
また、今回は野党・自民党も消費税増税を訴えて一定の勝利を収めている。
民主党の敗北と自民党の勝利の理由を同じ消費税にするには矛盾がある。
民主党の敗北には別の真因があるのだ。
今回の敗北は、選挙戦を通じて、菅首相が官僚に屈服したという印象を
国民に与えたからではないか。
わたしもこのときは、「消費税10%」の議論は参院選の敗因としては、
一面的に感じて「?」という気がしていました。
それで上久保誠人氏の分析を読んで、わたしは納得していたのでした。
ところが3月3日エントリでご紹介した「落選議員が語る民主党崩壊」
という対談記事で、田中美絵子氏が「消費税10%」の議論以来、
民主党は「うそつき」と言われるようになったと語っています。
「民主党に貼られた「ウソつき」というレッテル 落選議員が語る【民主党崩壊】の理由Vol.2」
流れが変わったなって肌で感じたのは、やはり2010年夏の参議院選挙です。
石川県に菅さんが応援に来てくださって、そこで、「消費税について
議論を始めたい」っておっしゃったんです。その場は、凍りつきました。
結果、参議院選挙は大敗したわけですが、あのときから風当たりが
強くなってきたなっていうのが、地元を回っていても感じました。
街頭でいちばん言われた言葉って、「ウソつき」なんです。
鳩山さんは「4年間、消費税を上げない」と言ったのに、
「上げる」と言ったことに対して、ウソをついた、と。
その「ウソつき」というレッテルは、最後の最後まで続きました。
これを見て「消費税10%」の議論は、2010年の参院選の敗因として
思ったより大きく、またこれによって民主党が受けたダメージは
思ったより深刻だったのだと、わたしは改めて思い直したのでした。
>民主党支持者の認識
人格攻撃の「atsushi」氏ですが、2010年の参院選の敗因として
「消費税10%」の議論があったことを、しっかり否認しているのですよ。
https://twitter.com/elkorevolo/status/368712301328621569
何の嘘もついていません。
そもそもマニフェストには消費税を上げないとは書いていません。
鳩山さんが記者会見で四年間は増税しないとは言いましたが、
協議をしないわけではないと明確に政権交代前に述べています。
嘘をついていない者を嘘と言うのは万死に値する大罪です。
@pissenlit_10 どこが明らかなんですか?じゃあ、証拠を示してください。ちなみに、2010年六月の世論調査で消費税肯定派は六割を超えています。http://t.co/vUP9YkDsZN これを見れば、消費税が敗因というのは極めて疑わしいものです。
— ポルフィ (@elkorevolo) 2013, 8月 17
「atsushi」氏は選挙前の世論調査で、消費税増税に賛成する人が
6割以上であることを根拠に、「消費税10%」の議論は敗因でないと主張します。
これは上久保誠人氏の分析でも「国民は財政再建の必要性を十分に
認識している」とありますし、消費税増税自体に反対されたのではなさそうです。
「うそつき」と思われたことが敗因なのだと思います。
「atsushi」氏は「菅直人氏はうそをついていない」と言いますが、
「消費税10%」の議論がもとで、民主党が「うそつき」と思われるようになったのは、
上述のように田中美絵子氏が語っているところです。
2011年1月に民主党の党大会が行なわれましたが、
「公示直前の総理の『消費税発言』等も影響し、というくだりを議案から削除するという、ケシカランことをしています。
改選議席を下回る44議席にとどまる敗北の結果となった」
2010年の参院選の敗因が「消費税10%」の議論にあるとわかっているので、
菅首相(当時)はそれをほおかむりしたとしか思えないですよね。
「参院選の敗因、「消費税」を削除 民主、首相意向反映か」
そして今年の5月11に行なわれた「公開大反省会」で、
菅直人氏は「消費税10%」の議論が失敗だったことをみずから認めます。
ようするに「atsushi」氏は、菅直人氏から直々に
はしごをはずされていたということになります。
「民主党:公開反省会開く 菅氏「もう首相やりたくない」」
菅氏は、首相だった10年参院選で消費増税を打ち出したことについて
「もう少しうまいやり方があったとの反省はある。
多くの仲間を失う結果になり、まずかった」と振り返り、
ほかに「消費税10%」の議論で世論の批判が集まったことに関して、
「atsushi」氏は「ネガキャンを妄信するほうが問題」などと言っています。
つまり「国民が悪い」ということです。
@pissenlit_10 単なるレッテル貼りのネガキャンじゃないですか。こういうウソやレッテル貼りを盲信する方が問題です。しかも、何の根拠もなく、事実として存在しなかった四年以内増税を言いだされても、人を貶めることが御趣味なんですか?としか言いようがありません。恥を知っては?
— ポルフィ (@elkorevolo) 2013, 8月 17
そんなことを言ったところで、国民に理解されるよう議論を進めなかったのが
失敗だったとしか言いようがないと思いますよ。