2013年10月03日

toujyouka016.jpg 右翼と呼んでください

9月25日に安倍晋三首相がニューヨークの証券取引所で講演を行ない、
そこで「ゲッコー発言」が出たことをお話ししました

おなじ9月25日には、ハドソン研究所というところでも講演を行なったのでした。
その全文が動画とともに以下に載せられています。
安倍首相がハーマン・カーン賞を受賞したので、それを記念して
カーンが設立した研究所で講演をしたということです。

「2013年ハーマン・カーン賞受賞に際しての安倍内閣総理大臣スピーチ」

 
その中で安倍首相は、なんとこんなことを言ったのです。
「右翼と呼んでください」ですよ。なんだこの開き直りは?と思います。
========
もし皆様が私を、右翼の軍国主義者とお呼びになりたいのであれば、
どうぞそうお呼びいただきたいものであります。
========

この前に、中国が20年以上軍事予算を10%以上増やし続けて、
軍事支出が日本の2倍以上になっていることを引き合いに出しています。
「中国と比べたら日本の防衛予算なんて微々たるものなのに、
それでも日本は軍国主義なんですか?」と言いたいわけですよ。
つぎの記事でもこの「右翼と呼べ」発言はすこし紹介されています。

「安倍総理NYで大胆発言連発「右翼と呼びたいなら…」」
「中国の右翼批判に「呼びたいならどうぞ」 安倍首相、NYで演説、逆批判」


日本は第二次世界大戦のファシズム国であり、敗戦で戦争を放棄しています。
そのような国が防衛予算を増やすことは、中国などの旧連合国が
軍事予算を増やすことと、意味合いが違うのはとうぜんのことだと思います。

いまさら言うまでもないことですが、安倍政権は憲法9条を改正して、
日本がふたたび軍事力が行使できるようにすることが、最大の政治課題です。
安倍政権が「軍国主義」と呼ばれる要素は、防衛費の額だけでないですね。

それから安倍が「右翼」と呼ばれるゆえんは、軍事問題のほかにもあります。
従軍慰安婦問題をはじめとする歴史認識があります。
こちらは、安倍が政権を取りそうと見られたときから、
アメリカ合衆国のオバマ政権に警戒をされています
その後も、閣僚が河野・村山談話の見直しを公然と主張するなどして、
日本は国際社会から信頼を失い続けていることも、言わずもがなです。


それにしても、中国をネガティブな例として引き合いに出したり、
「他国のほうがすごいから日本はたいしたことないんだ」という主張を
展開するところが、いかにも日本の保守というか右翼という感じがします。

「右翼と呼べ」発言は、さすがにネットでもだいぶ話題になりました。
多くの日本人が敏感になるところですから、とうぜんと言えるでしょう。
以下のトゥゲッターで、ツイッターでの反応がまとめられています。

「安倍首相のハドソン研究所スピーチ「右翼の軍国主義者と呼びたければどうぞ」に
怒り心頭の人たち」



9月30日エントリで紹介したJ-CASTの記事を見ると「右翼と呼べ」発言も、
谷口智彦氏というスピーチライターが考えたものと思われます。
「日本人として言うべきことはきちんと言わなければならないし、
そのためには自分で発信することをちゅうちょしていては何も始まらない」
というのを持論としているとありますよ。

中国・韓国の態度や対米従属状態にフラストレーションがたまっていて、
「日本もものもうしてやらなければ」とつねづね思っている、
いかにもな保守派の人という感じが、わたしにはしますよ。
そういうところが見込まれて、安倍首相にスピーチライターを
頼まれたのかもしれないですね。

posted by たんぽぽ at 19:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 右翼と呼んでください web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック