オウチーノ総研というところが、女性は結婚したあとどのくらい
旧姓を使っているかという調査をしています。
9月30日に結果が発表されているので、ご紹介したいと思います。
「2013.09.30 既婚女性の「新姓・旧姓の使用」に関する実態調査」
「既婚女性の「新姓・旧姓の使用」に関する実態調査」(調査結果PDF)
「結婚後に仕事で旧姓を使いたい。認めてくれる男性は何割?」
対象は20-59歳の男女1104人で、インターネットを使って調査しています。
女性はおそらく結婚して戸籍の苗字を変えたかたばかりだろうと思います。
この調査は「通称使用の利用状況の調査」と見てよいだろうと思います。
はじめに女性対象に「既婚女性の職場での呼ばれ方」の質問をしています。
世代が下がるにしたがって旧姓で呼ばれることが多くなり、
20代では24.4%、30代では19.0%が、職場では旧姓で呼ばれています。
理由はもちろん浸透している名前を変えると、仕事をする上で不便だからですね。
40代、50代になると、旧姓を使う人の割合はすくなめになるのですが、
「結婚したときは、新姓か旧姓かを選ぶ時代ではなかった」
「むかしは新姓を使うのがあたりまえだったから」と理由を述べています。
結婚しても旧姓を使い続けるという発想がなかったわけです。
まがりなりにも夫婦別姓が認識されることによって、
結婚後も旧姓を使うという発想が広まったものと思います。
この調査は「職場では旧姓で呼ばれているか?」と訊いています。
よって仕事以外のプライベートな場所で新姓、旧姓のどちらを使っているかは、
また事情が違っていることも考えられます。
つぎに男性対象に「既婚女性が職場で旧姓を使うことに対し、
どう思いますか?」という、いささかおせっかいな(なんで男に認めて
もらわなければならんのか?という意味で)質問をしています。
世代が上がるにしたがって、「問題ない」が減っていて、
旧姓を使うことへの理解度が下がってはいます。
それでも50代でも69.4%ありますし、全体では76.3%が「問題ない」です。
女性が結婚したあとも職場で旧姓を使うことに対して、
かなりの数の男性は気にしていないことがわかります。
他人のことだから気にしないという男性も多いのだろうと思います。
ほかにも「改姓するといろいろな手続きが必要となる」
「旧姓のほうが周囲も慣れている」という意見もあって、
呼ぶ側の都合としても旧姓を名乗ってくれたほうがいい
というかたも、相当数いることになりそうです。
「呼ぶ側からの不都合」
男性諸氏の旧姓に対する許容度はとても高いのですが、
これは「職場の同僚だから」ということもあるだろうと思います。
「自分の結婚相手の女性が旧姓を使うことをどう思いますか?」とか
「夫婦別姓をどう思いますか?」「結婚して女性の苗字を名乗ることを
どう思いますか?(こないだ話題になった女姓婚)」という
質問であれば、許容度はずっと下がるかもしれないです。
最後に女性対象に、ネットで旧姓を使っているかを質問しています。
フェイスブック、ツイッター、ラインに対して調べていて、
いずれも若い世代ほど旧姓の使用率が高くなっています。
そして職場のときよりも、旧姓の使用率が高くなっています。
とくに20代ではツイッターで34.5%、ラインで33.3%が旧姓を使い、
フェイスブックは「旧姓」「両方」を合わせると42.0%になっています。
ひとつにはネットは実生活よりも旧姓を使いやすいことがあるでしょう。
またコンピュータなので、一度結婚前の苗字で登録すると
あとから変えるのが不便だということもあると思います。
フェイスブックで旧姓の使用率がいくぶん高いのですが、
これは結婚前の友人知人との再開を目的としているかたもいるので、
婚氏で登録するとだれだかわからなくなる、ということもあるのでしょう。
苗字を変えないことが同一人物の判別に重要ということが、
あらためて見て取れます。