2013年11月09日

toujyouka016.jpg ちゃんとした子ども?

婚外子の相続差別撤廃する民法改正法案に頑迷に反対する人たちの
噴き上がりはすさまじく、そのいくつかをすでにご紹介してきたのでした。

彼ら反対派たちは婚外子に対するステレオタイプな偏見にもとづいて
「不倫を助長する」とか「お妾さんの子どもが同様の権利でいいのか」とか
「不倫の子が、介護も手伝わず医療費も出さずに親が亡くなったら
金だけ貰いたがって」とかはばからず公言して、
差別意識をぜんぜん隠さなくなっているのでした。

そうした差別意識の中でとくに際立ったものをご紹介したいと思います。
11月3日に放送された「報道2001」の発言をもとに記事にしたものです。

「「ちゃんとした子どもを作って国力増強!」と連呼する婚外子差別のメンタリティ」

 
>西田昌司

ひとり目は、補助ブログの11月1日エントリでお話した、
現行憲法は間違っているとか、最高裁は非常識と攻撃した西田昌司参院議員です。
なんとこんなことを言ったのですよ。
「ちゃんとした家庭で、ちゃんとした子どもを作ることによって、
ちゃんとした日本人が出来てですね、国力も増えるんですよ」

「ちゃんとした家庭」というのは、高度経済成長期の標準家族のことで、
彼らが「家族のカチ」と呼んでいるものにほかならないでしょう。
西田昌司氏はもちろん婚外子は「ちゃんとしていない」子どもだと
言いたいのであり、ここに出生によって「ちゃんとしている」かと、
「していない」かを区別するという、差別意識を露呈させることになります。

婚外子差別を撤廃すれば出産に対するハードルが減って、
少子化対策にもなるということは、よく言われることです。
フランスやスウェーデンでは婚外子差別をなくしたことで、
出生率が上がっていることは、よくご存知のことだと思います。
それゆえ婚外子差別を維持したい人は少子化対策をどう考えているのか、
というのはよく言われる疑問ですね。

ここに「家族のカチ」を信奉する人たちが、婚外子差別と少子化対策との
折り合いをどう付けているのかもわかったと思います。
増やすべきは「ちゃんとした子ども」であり、「ちゃんとしていない子ども」は
国力の増強に役立たないからいらない、という考えなのでしょう。
「国家は子どもを出生で選別するべき」という危険思想ですね。


また西田昌司氏は「日本の婚外子は2.2%で国際的にも低く、
これは誇るべきことだ」などと主張しています。
これは日本の婚外子差別を正当化する人がよく持ち出すことだと思います。

欧米の民主主義国で婚外子が多いのは、嫡出概念がなく
婚外子が差別されないので、とくに不利に扱われないからです。
日本で婚外子が異様にすくないのは、まさに西田昌司氏のようなのがいて、
婚外子が差別されるからであり、日本社会がそれだけ不健全であることを
しめしていることにほかならないです。

「欧州で婚外子が多い訳」
「婚外子が少ないから健全?」


>竹田恒泰

もうひとりは、10月27日エントリで紹介した、「在日特権」発言の竹田恒泰氏です。
この人に言わせると、婚外子差別は「合理的な例外」なのだそうですよ。
「平等っていうのは、あくまでも原則なんですね。
原則があるってことは例外があるんですよね。
じゃあどういう時に例外を作っていいかというと、
合理的な理由に基づいて区別もしくは差別というかはともかくにして、
合理的な理由があれば原則はなくしていい」

自分の差別は「合理的な区別」とか「原則からの例外」とか言うのは
差別を正当化したい人がしばしば持ち出すことだと思います。
自分の差別は「きれいな差別」と言うのとおなじようなものです。
最高裁判所が婚外子の相続格差に対して違憲判決を出したのですから、
「その区別は合理的でない差別」と判断されたことにほかならないです。


ほかにもこんなことを言っています。
それを何でもいいから産んでくれれば、
ただひとりの子として育てていきますというのは、
これはかつて共産主義社会の中でそういうことが言われたことがあったけども、

婚外子差別の撤廃は、すべての子どもを出生に関係なく平等に尊重することです。
「なんでもいいから産んでくれれば」いいということではないですね。
むしろ平等に尊重するからこそ、婚外子の権利を積極的に保証するわけです。

また「共産主義社会の中でそういうことが言われた」
という事実があるのかどうかも、わたしは知らないです。
「悪い家族観は共産主義から来る」というのは、八木秀次氏にも見られる発想ですが、
気に入らないものどうしを「同じ穴のむじな」扱いすることで、
彼らにとって叩きやすくなって都合がよいのかもしれないです。


竹田恒泰氏の曲解も相当にひどいのですが、この人もまた例によって
「家族のカチ」を信奉していて、「家族のカチ」からはずれた家庭に対して、
いちじるしい偏見があることだけは、一連のコメントからわかるのでした。

竹田恒泰氏は旧宮家の子孫であることを売りにしている人です。
自分の家柄を鼻にかける人が、他人の出生をさけずむというのは、
前時代的でもあるし、じつに虫酸の走ることだとわたしは思います。
「在日特権」発言のときもおなじことを思ったけれど。)

posted by たんぽぽ at 20:32 | Comment(8) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
なんだかな〜
ま、あえて良かった事を捜すとすれば、西田なんたらや竹田かんたらの、腐れ外道レベルな差別意識が広く世に知れ渡ることになったことかな?本当は番組中に、こうした外道発言に対する徹底的な叱責があってこそ、だとは思いますがね。フジテレビにそこまで求める方が間違ってるか・・・

「ちゃんとした家庭のちゃんとした子供」とか言ってますが、竹田クズ太郎なんて、明治天皇の玄孫と言う一般人以上にちゃんとした家柄の出身でありながら、このような腐れ外道に身を落としている訳で、つまりこのクズ共の主張は全く当っていないことを、自ら身をもって証明してしまったと言うことですね。
あるいはもしかしてこの竹田クズ太郎は、明治天皇の孫がどこぞの妾に産ませた「ちゃんとしていない子」であるが故に今もって腐れ外道である、と言うことでしょうか?であれば、彼らの主張も一理あることになるかもね、ってか?
全くもって胸糞が悪くなりますな。
Posted by ニャオ樹・ワタナベ at 2013年11月12日 12:33
おひさしぶりです。
あなたがこのサイトを始める原因となった出来事を
起こした人たちは、今の事態を予測していたのでしょうか?
Posted by 遠い人 at 2013年11月13日 13:15
ニャオ樹・ワタナベさま、
こちらにもコメントありがとうございます。

>西田なんたらや竹田かんたらの、腐れ外道レベルな差別意識が
>広く世に知れ渡ることになったことかな?

得られたものは、それくらいになりそうですね。
西田昌司が最高裁判決に反対していたのはすでに報道があったし、
竹田恒泰はこないだの「在日特権」発言で、どういう人かはわかっていたので、
今回の婚外子に対する発言も想定通りとは言えるんだけど。


>明治天皇の玄孫と言う一般人以上にちゃんとした家柄の出身でありながら、
>このような腐れ外道に身を落としている訳で、

まったくですよね。
前にも言ったけれど、ノブリス・オブリージュ的なものが感じられないですね。
家柄を鼻にかける人にかぎって中身が伴わないという、
べつの一般則は成り立っているんだけれど。

>明治天皇の孫がどこぞの妾に産ませた「ちゃんとしていない子」であるが故に
>今もって腐れ外道である、

竹田恒泰は、自分が「めかけ」の子の子孫であることは、
どう思っているのかと思います。
「めかけ」の子はご先祖さまだけで、自分は婚内子だからよい、
ということなんでしょうかね?


>全くもって胸糞が悪くなりますな

わたしもとっても気分が悪いです。
Posted by たんぽぽ at 2013年11月13日 18:47
遠い人さま、おひさしぶりです。
コメントありがとうございます。

>今の事態を予測していたのでしょうか?

ネットの夫婦別姓の市民団体の人たちのことでしたら、
ぜんぜん予測してなかったと思いますよ。

彼女たちは政権交代よりも前に、自民党政権で実現すると考えていて、
政権交代後のことはなにも考えていなかったから、その時点で予想外でしょう。
民主党政権でも実現しなさそうになってきてからは、
夫婦別姓訴訟に関心を移したみたいです。

それから彼女たちは、民法改正から婚外子差別を切り離して、
夫婦別姓だけにすれば早く実現するとも考えていたので、
婚外子差別撤廃が事態がさきに進むというのも、まったく想定外でしょう。
もともと彼女たちは婚外子のことは話題にするのを避けてきたので、
今回の違憲判決もほとんど話題にしてないかもしれないです。
Posted by たんぽぽ at 2013年11月13日 18:49
もし、世界の状況を見ていたら、わかりそうなものなのにね。

何度も何度も国連の人権関係の委員会にカウンターレポートを出して、委員会の勧告も十回以上出たし、
違憲訴訟もおこしつづけてきたし、

人権そのものに関心が薄かったのかな?

だったら婚外子差別反対運動の妨害をしなきゃ良かったのに。

Posted by 遠い人 at 2013年11月14日 19:31
遠い人さま、またまたコメントありがとうございます。

>世界の状況を見ていたら、わかりそうなものなのにね

ネットの選択別姓の市民団体の人たちは「自分たちのやりかたでいけば
かならず夫婦別姓が実現する」とうぬぼれていましたからね。
それで適切な状況分析ができなかったのでしょう。

この「やりかた」というのは、反対派を批判したりせず、
懇切丁寧に夫婦別姓の必要性を説明すれば、反対派も理解するし、
自民党の議員も理解して選択別姓が実現するというものです。
実際には、反対派はちっとも理解しないどころか、なまじやさしく扱われるものだから、
ますますつけあがることになったんだけど。

自分たちのやりかたが行き詰まったとはっきりしてくると、
「自民党政権が続くのだから、自民党にお願いしなければ
夫婦別姓の実現はない」と言って、方針を変えないことを正当化していました。


>人権そのものに関心が薄かったのかな?

自分たちの利益になるなら理解をしめすが、利益にならないと思ったら
(自民党の反対派議員が眉をひそめそうだと思ったら)酷薄になりましたね。
自分の利益に正直なので、人権に対する理解は薄いと言えそうです。
Posted by たんぽぽ at 2013年11月14日 22:41
頑迷に夫婦別姓に反対する人と、婚外子差別の継続を
願う人たちの本音は違うと思いますよ。

婚外子差別の継続を願う人たちの本音は、男が複数の女性と性的関係を結び、その結果子供が出来たとき、
その結果責任は、男ではなく、子供に償わせるべきだというものです。

当事者の男にとっては結構深刻な問題のようですよ。
「婚外子はいろいろ社会で差別されるんだから」といって、本妻をなだめていた方もあるようです。

性行為を行う相手と回数は多ければ多いほど良いという(素朴?)な価値観を持った男はどこにでもいますから。

そういう相手と取引をしていたんですね。
たんぽぽさんを泣かせた人たちは。
Posted by 遠い人 at 2013年11月15日 11:18
遠い人さま、またまたコメントありがとうございます。

ネットの選択別姓の市民団体の人たちの考えは、
自民党の民法改正反対議員の中に、「婚外子差別の撤廃といっしょだと
賛成できない」と言ったのがいた、くらいではないかと思いますよ。
その議員におもねったということでしょう。
http://lacrima09.web.fc2.com/teardrops/movement/illegitimate1.html

そういう議員(具体的には扇千景らしいけど)の考えが、
自民党の反対派の中で、どれだけ一般的だったのかはわからないです。
扇千景はよくても、ほかの反対派議員がよくなかったのはあきらかで、
婚外子を切り離したことで、状況が改善したわけではなかったのでした。

自民党の反対派は「家族のカチ」を信奉していて、
これに反するものは全部だめというのが、ほとんどなのでしょう。
夫婦別姓も婚外子の相続差別撤廃も、両方とも「家族のカチ」に
反するから認められないということですね。


市民団体の人たちの中には、婚外子の切り離しに反対する人もいました。
それでも市民団体の主流は切り離しを強硬したので、
反対する人は排除されたり、排除される前に自分から手を引いたりしましたよ。
結局、反対派はほとんどまったく懐柔できないまま、
自分たちが分裂するだけに終わったということです。
Posted by たんぽぽ at 2013年11月15日 21:57
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