2013年11月14日

toujyouka016.jpg 報道2001の意識調査

フジテレビの「報道2001」が民法改正の調査を行なっていました。
婚外子の相続差別の違憲判決を受けてのものでしょう。
11月3日放送分なので、西田昌司氏が「ちゃんとした家庭」発言をした回ですよ。
「首都圏の成人男女500人を対象に電話調査」となっています。

「新報道2001調査結果」

問1と問2は政党と内閣の支持率です。
問3以降を見て行くことにします。

 
問3は婚外子の相続差別についてです。
賛成のほうが多いことは多いのですが、それほどきわだっておらず、
最高裁決定が出たことなのに案外支持されていないという感じがします。
--------
【問3】9月、最高裁大法廷は、結婚していない男女間の子ども
「婚外子」の遺産相続分を、結婚した夫婦の子どもの半分とした
民法の規定について「違憲」とする判断を示しました。
あなたはこの判断について賛成ですか。反対ですか。

賛成: 47.4%
反対: 35.0%
(その他・わからない): 17.6%
--------

今年の2月に発表された内閣府による世論調査はつぎのようになっています。
婚外子の相続格差をなくす民法改正に反対する人のほうが多いです。
よって違憲判決を支持する人のほうが多い「報道2001」の調査のほうが、
婚外子差別を理解しているとは言えそうです。

「嫡出でない子の相続分」
--------
現在の制度を変えない方がよい: 35.6%
相続できる金額を同じにすべきである: 25.8%
どちらともいえない: 34.8%
わからない: 3.8%
--------


問4は事実婚の是非です。
婚外子は事実婚夫婦の子が多いということで、関連の話題として訊いたのかもしれないです。
--------
【問4】フランスやスウェーデンなどは、法律上の婚姻をしない、
いわゆる「事実婚」が急増しています。
一方、日本では婚姻届を提出する「法律婚」が主流となっています。
あなたは、今後も日本社会は「法律婚」を重視すべきだと考えますか。

法律婚のみ重視すべき: 38.6%
法律婚も事実婚も重視すべき: 53.6%
事実婚のみ重視すべき: 6.6%
(その他・わからない): 1.2%
--------

「重視」と訊かれて、回答者がどういったことを想定したかという問題があります。
わたしはパートナーシップ法の導入を連想しましたが、
多くのかたはそこまでは考えておらず、ある程度事実婚の権利を
拡大することを考えたのかもしれないです。

半数以上が「法律婚も事実婚も重視すべき」と答えています。
まがりなりにも事実婚も理解されていて、もっと権利を与えてよいとも
思われているということのようです。
事実婚については、「シティリビングWeb」のアンケート調査がありましたが、
この調査よりも「報道2001」のほうが事実婚に理解がありそうですね。


問5は選択的夫婦別姓の是非についてです。
民法改正の関連で出て来たのだと思いますが、
夫婦別姓についても取り上げてもらえるとは、わたしは思わなかったです。
--------
【問5】現在、夫婦は必ず同じ名字を名乗らなければなりませんが、
「夫婦が希望する場合には、同じ名字ではなく、
それぞれの結婚前の名字を名乗ることができるようにする」という、
いわゆる「選択的夫婦別姓制度」について、あなたはどう考えていますか。

賛成: 66.4%
反対: 30.4%
(その他・わからない): 3.2%
--------

なんと、3分の2近くが賛成で、反対は3割に留まっています。
賛成がこれくらい多いというのは、わたしは意外でした。
今年2月の内閣府の世論調査賛成が35.5%、反対が36.4%でほぼ同数ですから、
「報道2001」の調査は夫婦別姓にずっと理解があることになります。

オーネットのアンケートは73.1%が賛成ですが、
回答者は20-30代の女性に対象がかぎられています。
エスカーラ・カフェのアンケートは、72.8%が賛成ですが、
これも働く女性が回答者に多いと思われます。
一般に回答者の層を当事者性の高い人たちに限定すると、
賛成の比率が高くなる傾向は出て来ます。

報道2001の調査は男女両方に訊いていて、年齢層もランダムと思います。
なので、かならずしも当事者性の高い人が選ばれてはいないと思います。
おそらく首都圏限定であることと(たぶん都市部のほうが賛成が多いと思われる)、
質問の選択肢が「賛成」と「反対」のふたつだけで、
「通称使用」といった中立的な選択肢がないことが、
賛成の比率が高くなった原因ではないかと考えられます。


謝辞:

10月29日エントリのコメント欄で、「報道2001」の調査を
教えてくださった魚さま、ありがとうございます。

posted by たんぽぽ at 22:09 | Comment(8) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
こうしてみると、選択的夫婦別姓の導入のためにも、

- 1票の格差を少なくする
- 投票年齢を18歳まで引き下げ

は早くしてもらう必要がありますね。

どちらも、自民党が嫌がっていることですが、彼らもわかっているのかもしれません。そんなことしたら、都市部のまともな人の発言力が増し、頭の柔らかい若年層の投票率が上がれば、当然彼らの馬鹿げた家族幻想は危うくなりますからね。

あと、

- 投票率をあげる

も必要でしょうけど。(地方の)おじいさんおばあさんばかりが投票に行く現在の状況はなんとかして打破しないと。あと、そうすることで、比例代表の馬鹿宗教票とかの影響力も下げることができますし。
まぁ、どうやったらいいのかわかりませんが。。。オーストラリアとかみたいに、投票を義務化するとかじゃないと無理ですかね。日本でそういうことをするとは思えませんが。。。

まぁ、いずれにせよ、今のアホ政権じゃなかったアベ政権の支持率に変化がないと厳しいですが。。。
Posted by 魚 at 2013年11月15日 02:16
ところで、維新の会の高橋みほ議員が素晴らしい仕事をしています。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=43202&media_type=

ちょっと議事録を見つけていませんが、要約すると、

「政府はちゃんと選択的夫婦別姓も検討しているのか?」
「世論調査では拮抗しているようだが、当事者である20代では圧倒的に賛成が多い(数字を出して説明)」
「多様性を求める社会には必要」

といった、当たり前のことを谷垣法務大臣に質問しています。

対して馬鹿垣じゃなかった谷垣法務大臣は、いい加減なことを言ってはぐらかしていますが。

しかし、維新にはもったいない人、というか、なんというか。
Posted by 魚 at 2013年11月15日 10:44
補足です。上の高橋みほ氏の質問の34分頃から、件の質疑があります。
Posted by 魚 at 2013年11月15日 12:03
すみません、↑は間違いで、28分頃からですね。(何度も投稿しまして申し訳ありません)
Posted by 魚 at 2013年11月15日 12:06
魚さま、このエントリにコメントありがとうございます。

>1票の格差を少なくする
>投票年齢を18歳まで引き下げ

「報道2001」の調査は、選択的夫婦別姓は、都市部と若年層で
賛成が多いことをあらためてはっきりしめしていますね。
その意味では都市部と若年層に不利な、現在の選挙制度にも
原因があることになりそうです。

もっとも都市部の若年層に投票に行ってもらって、
どのくらい状況が改善するのか、という問題はあるのですよね。
実際には、夫婦別姓のような身近な生活の課題と
政治が結びついてない人が多かったり、よくわかってなくて
「なんか自民党が勢いがあるから自民に投票」という人もいたりして、
投票行為に結びつかないことも多々あるんだけど。

それでも地方には自民党に投票する組織票がありますから、
これに対抗するには、とくに都市部の若年層の投票率を
高めるしかよい方法はないのではありますが。
(本当なら、そういう義理とか付き合いで投票に行く
「組織票」を減らしたいところなのだけれど。)
Posted by たんぽぽ at 2013年11月15日 18:44
魚さま、引き続きコメントありがとうございます。
(投稿が多くなったことは、ぜんぜんかまわないですので、気になさらないでくださいね。)


>維新の会の高橋みほ議員が素晴らしい仕事をしています。
>http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=43202&media_type=

こちらはご紹介ありがとうございます。
そういう質疑があったことは、わたしもちょっと聞きかじってました。

こちらに簡単に内容について触れたツイートがありますね。
https://twitter.com/ponchoronyanko/status/400501171422384129
https://twitter.com/ponchoronyanko/status/400503016744185857
https://twitter.com/ponchoronyanko/status/400503836860641280
https://twitter.com/ponchoronyanko/status/400504406338072577
https://twitter.com/ponchoronyanko/status/400504859096383488

「検討中」となっているけれど、たぶん政府はなにもやってないでしょうね。
自民党の議員の多くが信奉する「家族のカチ」に反しますし、
選択別姓反対を公約にしているのですし。
自民党が政権取ったら、政府はそそくさと「検討」を中止だろうと思います。

民事局長や谷垣氏は、例によって世論が割れていると言っていますね。
過去に世論調査で賛成が多かったときは、これを無視したことがあるし、
彼らの基準でいけば、どれだけ賛成が多くなったら導入するのかと思います。
ようは導入したくないことの方便なのでしょう。


維新の会に選択別姓推進の議員がいるのは、わたしも意外でした。
維新の会も自民党同様「家族のカチ」を信奉する議員が多いですし、
選択別姓反対を公言している議員もいます。
http://bit.ly/19EMdVY

太陽の党と合流する前から、おもに政治改革に関心があって
維新の会に来た議員ではないかと思います。
そういう議員だと、リベラルなかたもときどきいるのでしょう。
Posted by たんぽぽ at 2013年11月15日 18:47
最近、こんなのがありました。

http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=3131

先の世論調査について、

「武川恵子政府広報室長は「回答結果を人口構成に補正すると、賛成35.5%が36.6%に増加し、反対は36.4%が34.6%に減少する」と、賛成が反対を上回っている」

だそうです。詳しく各年代の中まできちんと計算すると、賛成が上回っていたようですね。

ただ、自民党内カルト議員はそんなことには反応しないでしょうけど。まったく。。。
Posted by 魚 at 2014年03月24日 10:16
魚さま、おひさしぶりです。
コメントありがとうございます。

>http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=3131

ご紹介ありがとうございます。

>「武川恵子政府広報室長は「回答結果を人口構成に補正すると、
>賛成35.5%が36.6%に増加し、反対は36.4%が34.6%に減少する」と、
>賛成が反対を上回っている」

これはおそらく昨年の世論調査を使ったものですね。
前にわたしがおなじことをやりましたね。
http://taraxacum.seesaa.net/article/331426699.html
数字もいっしょみたいですね。
劇的ではないけれど、「賛成<反対」が「賛成>反対」に入れ替わるのですよね。

>自民党内カルト議員はそんなことには反応しないでしょうけど

彼らにはなにを言っても無駄でしょうね。
あきらかに賛成が多くなっても、「だんまり」を決め込むだけだと思います。
実際そうだったですし。
Posted by たんぽぽ at 2014年03月25日 21:07
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