気楽に読んでもらうためのコラムのページがあります。
そこに「男女共同参画の男性にとってのメリット」という記事があるのですが、
話題になっているのが、男性サラリーマンの「小遣い」なのですよ。
「なんだこの矮小感は?」と言いたくなってきますね。
「男女共同参画の男性にとってのメリット」
男女共同参画会議でいちばん関心を持たれたのは、「小遣い」の話である。
日本のサラリーマン男性の小遣い額は、この20年間低下の一途を辿っている。
自分の「小遣い」というのは、たしかにわかりやすいとは思いますよ。
そして妻が専業主婦か働いているかという、就労形態に大きく反映されることです。
またサラリーマンの「小遣い」の額が、景気の指標として語られることもあります。
それでも男性サラリーマンの「小遣い」が、男女共同参画における
男性のメリットとして「いちばん関心を持たれたこと」として議論され、
内閣府の公式サイトにコラムが書かれるのですよ。
そういうところに載せるお話なのかと、場違い感を感じてきます。
ほかに議論する話題はいくらでもあるだろうと思います。
会議に参加した人たちの、男女共同参画に対する理解が透けて見えるようです。
「小遣いくらいのことで喜ぶと思われている男性というのは
いったいなんなのだ?」と、思うかたもいらっしゃるかもしれないです。
ところが「小遣い」のお話を聞いて、「なるほどそれはメリットだな」
くらいに納得する男性は、それなりにいそうなのですよね。
じつは「夫の小遣いを妻が管理するから女性優位だ」などと考えている男も
結構いるようなのですよ。(わたしのブログにも、そういう男がふたり来た。
[2013年09月22日 02:31][2013年11月12日 08:18])
なので、「男女平等に関すること」として、男性の「小遣い」は
ある種の日本人男性には実感しやすいことなのでしょう。
(わたしははじめに、「夫の小遣いを妻が管理するから女性優位だ」
と言ってくる男を見たとき、例によって女性差別を否認したくて、
わざと「妻の尻に敷かれた夫」を強調できるお話を出すのかと思っていましたよ。
ところがそうでもなく、結構本気で重要なことと考る男性もいるらしいと、
この内閣府のコラムを見てすこし思ったです。)
本当にお金が心配なら、年収や賃金を直接議論すると思います。
あえて「小遣い」に関心が集まるのは、生活の苦労や不満がそれだけすくない、
ある意味しあわせなご身分なのかもしれないです。
男性が育児休暇を取ることとかワークライフ・バランスとか、
男性が被害を受けるセクハラとか、男女共同参画における男性のメリットとして
一般的に考えられることは、会議に参加した人たちにとっては、
「小遣い」よりはずっと関心ないみたいです。
これらは自分とは関係のない「他人ごと」なのかもしれないですね。
ある意味「男女共同参画」は失敗していることになりそうです。
コラムの最後に「妻に頭を下げて正社員として働き続けてくれと
願う夫が増えていくに違いない」なんて書いてあります。
でもこういう「小遣い」にこだわる男が喜んだくらいで、
女性の就労環境の改善をもたらすとは、ちょっと思えないですよね。
内閣府男女共同参画局のコラムで、「小遣い」が男性にとってのメリットだ
なんて書いてあるというので、日本の男性は「馬鹿にされている」とか
「子ども扱いされている」とかおっしゃるかたもいるのですよ。
無理もないことだと、わたしも思いますよ。
これ読んで「確かに事実だよな、その方が実質自由になるカネは増えるよ。カネのこと考えるのは当然だし、馬鹿にされてるとは思わない」って人は別にそれはそれでいいと思うけどね
— みとこ (@mitoko_dij) 2013, 11月 19
日本の男性ってここまで子ども扱いされているのか。。小遣いだけでメリットだなんて。先日フローレンスの駒崎さん @Hiroki_Komazaki さんの結婚に関する記事を読んだ後だから、余計にこの記事が情けなく感じる。 / “男性にと…” http://t.co/ZpWsWMvHiQ
— Akiko Orita (@oritako) 2013, 11月 19
「夫の小遣いを妻が管理するから女性優位だ」とかなんとか言って、
「小遣い」のお話にこだわるオトコたちよ、本当にそれでいいのか!?と思います。
内閣府にはこんなことまじめに言ってるコラムがあるんですな。
今の現状多少なりとも男女共同参画進もうとも、既婚者の中で進むとは限らないから、あまりぴんとこないですね。女性の管理職なんていうと圧倒的に独身ですし。経済力持てば離婚しちゃったり。
しかも、うちなんて、そもそも小遣いなんて観念なかったですね。財布別だし。
だいたい、その会議で外国人が小遣いに興味を持ったってのは、小遣い”額”じゃなくて、小遣い”制度”がある、ということに驚愕したんでしょう。外国にはないですからね。山田氏、そこんとこの引用の仕方がズルいですよ。
(おひさしぶりです。ごあいさつおくれました)
コメントありがとうございます。
わたしのブログなんて、すっかり忘れられた存在になったかと思ってましたよ。
>あはは、、笑ってしまいましたよ。
>内閣府にはこんなことまじめに言ってるコラムがあるんですな
そうなのよ。
もう、なにをまじめに取り上げてるのよー、という感じですよ。
わたしが見たかぎり、あきれるやら嘆くやらというかたばかりですね。
(全員女性だけど。男性はまた違った意見があるのかしら?)
>今の現状多少なりとも男女共同参画進もうとも、
なるほど。
男女共同参画というと、既婚者やその予備軍が意識されていそうだけど、
案外単身者のほうが受益者になりそうなのですね。
社会や男性の意識いまの状況だと、ある程度経済力のついた女性は、
結婚していないで別れてしまうことも、すくなからずありそうですね。
>うちなんて、そもそも小遣いなんて観念なかったですね。財布別だし
「小遣い」なんて観念があるのは、お財布がべつになってないがゆえですね。
夫婦でもお財布はべつにしておくのがいいですね。
>その会議で外国人が小遣いに興味を持ったってのは、
あらあら、「小遣い」は日本特有なのね。
「日本の常識=世界の非常識」とまではいかないのかもしれないけれど、
例によって外国人が奇妙に思うところではあるのね。
夫婦フルタイム共働きな我が家も、当然のように私の財布と妻の財布が分かれています。それらとは別に家の財布があって、食材やら家庭での日用品はそれで買うって形ですね。
「小遣い制度」とは、「夫は仕事、妻は家庭」と言うスタイルがあってはじめて違和感無く導入できるものであり、逆に言えば「夫は仕事、妻は家庭」な価値観を正当化することに一役買っているものだと思います。夫婦同姓強要制度と、似たようなものかもね。
このエントリにコメントありがとうございます。
やはり夫婦共稼ぎになったら、財布がべつになって、
「小遣い」という観念がなくなるのが通常でしょうね。
家族共通で必要なものに対しては、共用の財布を作ればいいわけですし。
>「小遣い制度」とは、「夫は仕事、妻は家庭」と言うスタイルがあって
>はじめて違和感無く導入できるものであり、
そう言われてみればそうですね。
働くのは夫で妻は専業主婦という就労形態のもとで、
「家庭に関することは妻の役目」という観念があるから、
家計を妻が管理して夫が「小遣い」をもらうことになるのでしょう。
「小遣い」がいちばんの関心ごととして話題になるだけで、
すでに男女共同参画は失敗していると言えますね。