2013年12月10日

toujyouka016.jpg 多数決による少数派排除

12月7日エントリ12月8日エントリでご紹介した、
「ふじおかひろき」氏の同性愛差別発言についての続きです。

「生物の目的は子孫を残すことだから同性結婚は反対!」
(はてなブックマーク)

このお話にはじつは前段階があります。
以下のトゥゲッターにまとめてあります。
多数決では少数派の権利は守られない少数派の権利は当事者の意見を尊重する
という、ごく当たり前のことを、わたしがつぶやいたのがはじまりです。

「多数決によるマイノリティ排除」

 
そこへ「ふじおかひろき」氏が、「多数決の否定であり民主主義の否定だ」とか
「少数派だけで独裁的に決めるのか」とか「少数派は多数派の意見も尊重しろ」とか、
被害者意識を発散させたことを言って来たのですよ。
(言ってないことを勝手に言ったことにしないでほしいですね。)

少数派の権利の問題に、当事者でもなんでもない多数派が
くちばしをはさんで、なにを言いたいのかと思ったら、
「同性結婚を認めると同性の配偶者も相続できるから、
異性愛者の親族の相続分が減るので、異性愛者の権利の侵害」
だそうです。

異性愛の夫婦は、現在の法律でも配偶者が相続できますから、
親族(子どもたち)の取り分はとうぜんそのぶんだけすくないです。
でもこれを親族の権利の侵害とは考えないでしょう。
同性愛者も異性愛者とおなじことを求めているだけです。
「ふじおかひろき」氏のいわゆる「異性愛者の権利の侵害」は
単に「異性愛者の既得権の侵害」でしかないのだと思います。

「ふじおかひろき」氏は自分の同性愛に対する差別意識があって、
それを反映させたいので、多数派で非当事者の自分にも
同性愛者の問題に対して意見を言わせろ、ということだろうと思います。
非当事者が少数派の問題にくちばしを挟みたがるのは、
往々にしてこのようにろくな目的でなかったりするのですよね。


「ふじおかひろき」氏が同性愛者の立場に対する想像力が
ほとんど働かないことは、同性愛者の権利を無視した差別的意見を
臆面もなく言えることを見れば、あきらかだろうと思います。
この人にとって、同性愛者というのは多数派の異性愛者の都合で
「居させてやる」存在であり、同性愛者の権利も多数派の異性愛者の都合で
決めてやることだと思っているのかもしれないです。

また「ふじおかひろき」氏は、同性愛者の権利を認めると
異性愛者の権利をおびやかすことになるという、被害者意識もあるようです。
それで「多数決」で同性愛者の権利を制限するべき、ということなのでしょう。
同性愛者は未来永劫少数派なので、多数決で決めているかぎり
彼らの権利が認められることはないという、余裕とおごりを感じます。


「生物の目的は子孫を作ること」だと言う「ふじおかひろき」氏は、
不妊症のかたの結婚は否定されるべきなのかについては、
トゥゲッターの範疇では、自分の意見をはっきり言わずじまいでした。
(法律がどうなっているかについて述べているだけ。)

「ふじおかひろき」氏が「生物の目的」発言をしたときは、
人はみんな子どもが作れると思っていて、不妊症のかたがいることを
すっかり無視していたのだと思います。
不妊症のかたが念頭にあれば、わたしが最初に不妊症のかたについて
お尋ねしたとき、すぐに返答ができているはずだからです。

これも一種の「多数決」と言えるのですよね。
ようするに、子どもが作れる人だけで勝手に「多数決」して、
不妊症のかたたちを排除しているということです。
「多数決」というのは、自分にとって都合の悪い人とか、
存在を考えたくない人を「いない」ことにしたい人にとっては、
便利なツールだと言えるでしょう。


付記:

かかる「多数決原理主義」(と呼ぼう)は、8月18日エントリでお話した
「サバルタン探しゲーム」の正反対の極になると思います。

posted by たんぽぽ at 20:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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