朝日新聞の「揺れる家族像」ですが、全体的なこととして、
「上」「下」とも、サンプルを紹介するだけで、
記者自身の意見は、ほとんど入れないものとなっています。
そのせいか、「下」のおしまいで、「変わる意識と変わらない意識......。
時代が描く家族像は、どこへ向かおうとしているのだろうか。」と、
結んでいるのですが、「それで、なにが言いたかったんだ?」という、
ものたりない印象が、わたしは残ってしまいましたよ。
例を並べるだけでなく、もうすこし、記者の見解を述べても、
よかったのでは、という気もします。
また、「上」「下」のともに、別姓夫婦のかたはいたって平凡で、
こうした特集でもなければ、新聞記事にならないという感じです。
(このあたり、わたしが、別姓や事実婚を、見慣れているので、
こういう印象を受けるのも、あるのかもしれないですが)
それで、差し支えないからと思いますが、記事で名前も明かされています。
むしろ、「上」で出てきた、同姓の家族のかたや、
「嫁探しパーティ」に、町や県の予算がついていることが、
(広い世の中探せば、それなりにありそうだくらいには思いますが)
記事になりそうな、エキセントリックさがあると思います。
世間的な偏見を言えば、同姓のほうが「ふつう」で、
別姓のほうが「変わっている」だと思います。
しかし、この事例を見るかぎり、まったく逆だろうと思います。
記事を書いたかたも、そういう構成にするつもりで、
取材する相手を選んだのも、あるのかもしれないですが。
もうひとつ、内容の構成について言うと、
「上」はわりと自然な感じなのですが、「下」は構成に、
いささか無理があるような気がします。
折田さんのことも、「跡取り」に重点がそれほど置かれていないし、
地方の例も、記者としては、婿取りして娘に苗字を、
継がせたい親なんてのを、登場させたかったのかもしれないですが。
さらに、内容への関連づけ、ということだと思いますが、
「上」は、世論調査のQ3〔回答票3〕の、
「名字(姓)とは、どういうものだと思いますか」
という設問の結果が、男女別にして紹介されています。
もとの調査は、「他の人と区別して自分を表す名称の一部」
「先祖から受け継がれてきた名称」「夫婦を中心にした家族の名称」と
3つ選択肢があって、複数の回答もできるようになっています。
「先祖から」が、男女とも圧倒的に多いのですが、
男性が50.6%に対し、女性は40.6%と、女性が少なめになっています。
また、「夫婦の名称」は、男性が14.0%ですが、女性が19.0%で、
こちらは男性のほうが、少なくなっています。
これはやはり、女性は結婚で改姓することが多いので、
苗字を受け継ぐという感覚が弱まり、夫婦の名称を、
意識することが多くなる、ということでしょうか?
それから、「下」では、世論調査のQ5〔回答票7〕
「実家の名字(姓)を残すために、婚姻をするのが
難しくなることがあるか」が、という設問について、
政令市と町村とにわけた回答を、紹介しています。
「ない」は、政令市で52.0%、町村で57.0%で、
「ある」は、政令市で44.6%、町村で40.4%で、
「都市部より町村部のほうが(「ある」が)少なかった)」と記事では、
結論していますが、10%程度の違いであり、誤差範囲のような気もします。
SQ〔回答票8〕についても、「実家の名前を残すために、
婚姻を難しくしないほうがいい」は、「町村部が上回った」としています。
しかし、都市部で62.0%、町村部で65.3%ですから、これもたいしたことなく、
地方と都市部とで、意識に大差はなさそうな感じです。
家名を残したい人は、農村でも住民全体からみれば限られているのか、
それとも都市部でも、案外たくさん家名を残したい人がいる、
ということなのか、それはわからないですが。
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