2007年04月11日

toujyouka016.jpg 揺れる家族観(3)

朝日新聞の「揺れる家族像」ですが、全体的なこととして、
「上」「下」とも、サンプルを紹介するだけで、
記者自身の意見は、ほとんど入れないものとなっています。

そのせいか、「下」のおしまいで、「変わる意識と変わらない意識......。
時代が描く家族像は、どこへ向かおうとしているのだろうか。」と、
結んでいるのですが、「それで、なにが言いたかったんだ?」という、
ものたりない印象が、わたしは残ってしまいましたよ。
例を並べるだけでなく、もうすこし、記者の見解を述べても、
よかったのでは、という気もします。

 
また、「上」「下」のともに、別姓夫婦のかたはいたって平凡で、
こうした特集でもなければ、新聞記事にならないという感じです。
(このあたり、わたしが、別姓や事実婚を、見慣れているので、
こういう印象を受けるのも、あるのかもしれないですが)
それで、差し支えないからと思いますが、記事で名前も明かされています。

むしろ、「上」で出てきた、同姓の家族のかたや、
「嫁探しパーティ」に、町や県の予算がついていることが、
(広い世の中探せば、それなりにありそうだくらいには思いますが)
記事になりそうな、エキセントリックさがあると思います。

世間的な偏見を言えば、同姓のほうが「ふつう」で、
別姓のほうが「変わっている」だと思います。
しかし、この事例を見るかぎり、まったく逆だろうと思います。
記事を書いたかたも、そういう構成にするつもりで、
取材する相手を選んだのも、あるのかもしれないですが。

もうひとつ、内容の構成について言うと、
「上」はわりと自然な感じなのですが、「下」は構成に、
いささか無理があるような気がします。
折田さんのことも、「跡取り」に重点がそれほど置かれていないし、
地方の例も、記者としては、婿取りして娘に苗字を、
継がせたい親なんてのを、登場させたかったのかもしれないですが。


さらに、内容への関連づけ、ということだと思いますが、
「上」は、世論調査Q3〔回答票3〕の、
「名字(姓)とは、どういうものだと思いますか」
という設問の結果が、男女別にして紹介されています。
もとの調査は、「他の人と区別して自分を表す名称の一部」
「先祖から受け継がれてきた名称」「夫婦を中心にした家族の名称」と
3つ選択肢があって、複数の回答もできるようになっています。

「先祖から」が、男女とも圧倒的に多いのですが、
男性が50.6%に対し、女性は40.6%と、女性が少なめになっています。
また、「夫婦の名称」は、男性が14.0%ですが、女性が19.0%で、
こちらは男性のほうが、少なくなっています。
これはやはり、女性は結婚で改姓することが多いので、
苗字を受け継ぐという感覚が弱まり、夫婦の名称を、
意識することが多くなる、ということでしょうか?

それから、「下」では、世論調査Q5〔回答票7〕
「実家の名字(姓)を残すために、婚姻をするのが
難しくなることがあるか」が、という設問について、
政令市と町村とにわけた回答を、紹介しています。
「ない」は、政令市で52.0%、町村で57.0%で、
「ある」は、政令市で44.6%、町村で40.4%で、
「都市部より町村部のほうが(「ある」が)少なかった)」と記事では、
結論していますが、10%程度の違いであり、誤差範囲のような気もします。

SQ〔回答票8〕についても、「実家の名前を残すために、
婚姻を難しくしないほうがいい」は、「町村部が上回った」としています。
しかし、都市部で62.0%、町村部で65.3%ですから、これもたいしたことなく、
地方と都市部とで、意識に大差はなさそうな感じです。
家名を残したい人は、農村でも住民全体からみれば限られているのか、
それとも都市部でも、案外たくさん家名を残したい人がいる、
ということなのか、それはわからないですが。

posted by たんぽぽ at 01:02 | Comment(0) | TrackBack(2) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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