2013年を振り替えると、日本が国際社会から
批判されることが多かった1年だったと思います。
「日本は経済だけが発達した開発途上国」とか、
「日本の常識=世界の非常識」なんて、わたしはよく言っていますが、
それを世界に対して何度も知らせることになったと思います。
国際社会からの批判が多くなった原因は、すべてではないですが、
かなりのことが政権が安倍になったことによるものが大きいと思います。
安倍政権の国粋主義志向が、国際社会の中では独善的かつ非常識であり、
それが外に現れると批判のもとになるということなのでしょう。
日本の問題で、国際的に話題になった事件を並べてみたいと思います。
1. AKB48の峯岸みなみが丸刈りになる
女性の丸刈りは第二次世界大戦直後のリンチを連想させます。
2. 女子柔道の体罰が発覚
日本の教育に蔓延する前時代的体質が露呈しました。
3. 猪瀬直樹都知事(当時)の「イスラムはけんかばかり」発言
平均的日本人のイスラム理解も案外こんなものなのかも。
4. 橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要だった」発言
これがいちばん大騒ぎになりました。戦争加害と向き合わずに来たツケ。
5. 上田秀明人権人道大使(当時)の「笑うな、シャラップ」発言
再三の国連の勧告にもかかわらず、日本が国内の人権水準の改善をしない理由。
6. 麻生太郎副首相の「ナチスの手口に学べ」発言
ユダヤ人団体、サイモン・ウィーゼンタール・センターが非難。
7. 福島第一原子力発電から汚染水が海に流されていたことが発覚
日本の原発事故処理がいい加減なことが知られました。
8. 安倍晋三首相の「ゲッコー」発言
ハリウッド通を気取ったのでしょうが、かえってすべったと思います。
9. 世界経済フォーラム・男女平等指数
ことしも日本は男女格差拡大中。OECD加盟国中下から2番目をキープ。
10. 山本太郎の天皇への手紙
皇室に関することになると、前時代的な噴き上がりをする日本人。
11. 特定秘密保護法成立
とても21世紀の民主国家とは言えない、ツワネ原則に反する秘密主義
12. 吉松育美がストーカー被害でミス・インターナショナルの催しを欠席
日本的保身体質の現れ。加えて女性差別的体質も反映。
13. 安倍晋三首相の靖国神社参拝
安倍政権は国際的非難で2013年を締めくくることになりました。
わたしとしては、安藤美姫バッシングが国際ニュースにならなかったのが、
いささか残念で物足りなく思っております。
追記:
番外として、オバマ大統領から安倍首相が何度も会談を断わられたことと、
慰安婦問題で非難決議が何度も出たことを、入れておくことにします。
こうして日本は世界に対して何度も何度も独善と非常識をさらして、
国際社会から非難を浴び、警戒をされ、孤立しかけてもいるのですが、
日本国民の多くが、あまり危機感を持っていないのですよね。
世界から日本がどう思われようと、自分には関係ないと思っているのか、
それとも日本は孤立しても、いくらでもやっていけると思っているのでしょうか?
ご存知のように、日本は農産物の多くを外国から輸入し、
工業製品を外国へ輸出することで、経済が成り立っています。
日本が生きて行くためには、国際社会の中で信頼され、
たくさんの国と友好関係にあることが必要なはずなのですよね。
国際社会からは批判されてばかりの安倍政権ですが、
それが原因で国内の支持率が下がることはぜんぜんないのですよね。
まだまだ安倍政権は安泰でしょうから、このままいけば今年2014年も
「日本の常識=世界の非常識」をさらし続けそうで、さきが思いやられます。
謹賀新年。いや、こうして箇条書きにまとめらて見ると、毎年「日本の常識は世界の非常識、20XX年番10大イベント」みたいなものを発信することで、日本の特殊性を省みることが重要だと感じました。一つ一つのことで「おかしい」と感じることと、全体として見るのでは大分見え方が違いそうです。
日本では法の世界はあまり西欧的普遍主義と矛盾することなく作られているのですが、実際の政治や経済の世界では、法(特に憲法や、労働関係の法)の精神と矛盾する言動が大手を振ってまかりとおっている奇妙な現実があります。貴女が最近議論した曽野綾子氏の発言は、弁護士の伊藤和子氏が議論したように労働基準法や均等法と真向から矛盾するものですが、彼女が指摘したような政府の委員にあるまじきコンプライアンス(法遵守)の欠如の問題であるというより、そもそもそういう価値観の持ち主だからこそかえって政府の委員に任命されているというのが現実です。日本はまるでパラレルワールドのように一方で法の精神の世界があり他方で「日本特殊な保守的価値観」の世界があり現実に政治や経済で特に「声の大きい」多くの人が後者の世界に住んでいるように思えます。また労働関係では、裁判結果までが根本的に矛盾するその二つの世界をあたかもバランスを取るごとく、普遍主義的原理を抽象的建前におしこめて、「現実」を肯定した事例に満ちています。もっとも司法界にも変化の兆しもあるので希望はありますが。貴女がその「現実」に立ち向かい、いわば普遍的原理の立場をわかりやすい言葉で繰り返しとなえていることは立派です。まず多くの人が、空気に合わせるのではなく、空気と矛盾してもおかしいことはおかしいといえ、バッシングを受けない社会にまず日本が変わらねばなりません。しかし現在の日本の多くの人が、経済の低迷と希望の喪失からくる苛立ちもあってそれが日本の法の精神でもあるのにあたかも世界の基準の押し付けだと「世界の常識」に拒絶的姿勢になり、この点でも何となく「空気」の支配した戦前の状況に回帰していくようで心配です。今年も大変でしょうががんばってくださいね。
わたしのブログにまたまたコメントをくださりありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
>いや、こうして箇条書きにまとめらて見ると、
これだけ並んでいると圧巻ですよね。
日本の特殊性はいまに始まったことではないけれど、
ここまで国際社会の批判をくりかえし浴びることはなかったと思います。
>一つ一つのことで「おかしい」と感じることと、
>全体として見るのでは大分見え方が違いそうです
全体の中を通して見られる特徴がなにかありそうですね。
単なる非常識というだけでなく、世界の水準からの立ち遅れ
というのも、目立つようになってきていると思います。
>日本では法の世界はあまり西欧的普遍主義と矛盾することなく作られているのですが、
>実際の政治や経済の世界では、法(特に憲法や、労働関係の法)の精神と
>矛盾する言動が大手を振ってまかりとおっている奇妙な現実があります
日本の法制度は普遍主義にもとづいているけれど、
それは往々にして「たてまえ」扱いで、実際には「日本的常識」が
まかり通っているというのは、よく言われることですね。
なにか法の精神が現実と乖離したところにあるように
思っている人は、すくなくないのかもしれないです。
これについて「西欧的な普遍主義はアジアの精神に合わない」
という説明(開き直り)をする人もいたりしますね。
でも韓国は国連の勧告を守ってすこしずつ国内の人権水準の改善を
していることから考えて、アジアだから普遍主義が合わない、
ということではないのだと思います。
たぶん、アジアでなくて日本だけなのでしょう。
>曽野綾子氏の発言は、弁護士の伊藤和子氏が議論したように
>労働基準法や均等法と真向から矛盾するものですが、
曽野綾子氏の「違和感」も、そういう日本的な包囲式の産物とも言えますね。
普遍主義よりも自分たちの信奉する因習的カチカンのほうが大事という
安倍政権にはふさわしい人材なのだと思います。
>貴女がその「現実」に立ち向かい、いわば普遍的原理の立場を
>わかりやすい言葉で繰り返しとなえていることは立派です
ご評価くださりまことにありがとうございます。
>現在の日本の多くの人が、経済の低迷と希望の喪失からくる苛立ちもあって
>それが日本の法の精神でもあるのにあたかも世界の基準の押し付けだと
>「世界の常識」に拒絶的姿勢になり、
国民一般が国際社会から孤立していくことに
危機感をあまり持っていないのが問題なのですよね。
行き着くところまで行かないとわからないのか、
それともどこかで気がつくのかと思います。
>今年も大変でしょうががんばってくださいね
励ましのことば、まことにありがとうございます。
今年はというか、今年のほうが大変になりそうですが、
ささやかながらがんばっていきたいと思います。
昨年は安藤美姫選手のニュースで大変お世話になりました。新しい年に入って既に春も始まっていますが^^;今年も何とぞ宜しくお願い致します。
こちらの記事でも安藤美姫バッシングについて触れて下さって、ありがとうございます。
エントリーに入らなくても、2と12で安藤美姫さんの問題も言い尽くされていると思います。
同じです、世間の態度も組織の対応も。
結局、彼女一人の問題と片付けられ、ただ世間のお祭り騒ぎに”消費”されて終わりました。
彼女はスポーツ選手として扱われず、スポーツ競技における女性の問題について論じられることもありませんでした。橋本聖子氏は現在日本スケート連盟会長をしています。安藤さんは妊娠・出産について何度か彼女に相談をしており、公表に際してテレビ朝日の番組内となったのは氏の肝いりと聞いていました。女性同士だもの、アスリート同士だもの、橋本会長はきっと安藤さんを守ってくれる!と私たち安藤さんのファンは大いに期待したのでした。
そして結果はご存じの通り。
女子柔道の問題での氏の態度を見れば、さもありなん…ですよね。
それでも『マタハラ』と言う言葉が広く世に知られ、働く母親が抱える問題が認知されたことは、わずかながら収穫なのかも知れません。
それに、ほとんどニュースにならなかった吉松育美さんの事件よりはまだマシなのかも知れないですね。
私がこの件で気になったのはこのくだり。
>大会中、マスコミが騒ぎ出すと困るから、(中略)吉松さんは自粛してほしい
悪く勘ぐれば協会側には、”ストーカー被害に遭っている=男に恨まれるようなことをしたんだろう”という先入観がまずあって、『このことが公になると、ミス・インターナショナル女王がそんな女性であることがマスコミにバレると困る。それに、こんな女を選出した協会が批判されるのはもっと困る。』と考えて、一切吉松さんに語らせることなく、闇に葬りたかったのかも知れないと思いました。
なんにせよ、ミス・インターナショナル女王といういわば最高に価値ある女性でも、いざとなるとこんなに簡単に、冷たく切り捨てられたことは、大変憤ろしい出来事でした。私ですらそうなのですから、ご本人はさぞ…。
男社会は女を資産として見ていて、その資産の価値は男が何の根拠もなく決めつけている。女性に落ち度もなくても男がダメだと感じたらダメ。自分には大甘なのにその自覚すら無いまま、女を断罪することに血道を上げている。
こうした状況を鑑みるにつけ、女性は女性の敵になってはいけないと痛切に思います。
たんぽぽさんの平明な優しい語り口を、私も見習いたいです。時々覗かせて頂きます。
今年も何とぞよろしくお願い致します。
>昨年は安藤美姫選手のニュースで大変お世話になりました。
いえいえ、こちらこていねいなコメントをくださり嬉しく思います。
今年もよろしくお願いいたしますね。
>2と12で安藤美姫さんの問題も言い尽くされていると思います。
>同じです、世間の態度も組織の対応も
日本的世間や日本的組織のこのましくない体質が露呈したという点では、
安藤美姫バッシングも、同様だったと言えますね。
それでも婚外子差別という、欧米の民主主義国では過去のものとなっていることが、
日本では健在だということも、知られればよかったとも思っています。
>彼女一人の問題と片付けられ、ただ世間のお祭り騒ぎに”消費”されて終わりました
無神経なアンケートまで行なわれかけて、
世間さまが「正義」をまっとうするための「ねた」にされましたね。
「ねた」として消費されたのは、こないだ話題になった
STAP細胞の小保方晴子博士もそうでしたね。
こちらも研究者として扱われず、「アイドル」のように扱われて、
報道被害が出るにいたったのでした。
>橋本聖子氏は現在日本スケート連盟会長をしています
橋本聖子はしょせん自民党の議員で、選択的夫婦別姓も反対していますからね。
女性の問題については、鈍感でも無理もないのかもしれないです。
>”ストーカー被害に遭っている=男に恨まれるようなことをしたんだろう”という先入観が
性暴力に関してトラブルがあると、女性に問題があるかのように
扱われることしばしばですよね。
ストーカーに関しても「そういう男を選んだのが悪い」とか
「きれいな別れかたをしなかったのが悪い」とか、
女性に対して自己責任論を振り回す人がすくなくないですし。
国際文化協会にもそういう判断が入った可能性は考えられますね。
>ミス・インターナショナル女王といういわば最高に価値ある女性でも、
>いざとなるとこんなに簡単に、冷たく切り捨てられたことは、
>大変憤ろしい出来事でした
ミス・インターナショナルという日本にとって多大なる名誉を
もたらしたのに扱いがすごい酷薄で、忘恩もいいところだと思いますよ。
こういう「恩をあだで返す」ことが平気でできる神経が、
わたしはいちばん理解できないところです。
>女性は女性の敵になってはいけないと痛切に思います
そこは注意を払いたいですね。
男による「分断統治」の一形態で、男社会の利益にしかならないですからね。
http://bit.ly/1bMrlcD
>たんぽぽさんの平明な優しい語り口を、私も見習いたいです。
ご評価くださりまことにありがとうございます。
つたないブログですが、これからもよろしくお願いいたしますね。