2014年02月10日

toujyouka016.jpg 2014年東京都知事選

2月9日に東京都知事選が行なわれたのでした。
結果はすでに話題になっている通り、舛添要一が当選です。
事前に舛添要一が有利とは言われていましたし、予想通りの結果と言えるので、
さほどの意外性はないですね。

「2014年東京都知事選」
「舛添氏が初当選 都知事選、宇都宮氏・細川氏ら破る」
「都知事選:舛添氏が大差で初当選 次点は宇都宮氏に」

投票率は46.14%で過去3番目の低さです。
前回2012年12月は62.60%でしたから、ずっと減ったことになります。
やはり8日の記録的大雪が大きく響いたもののようですね。

「都知事選の投票率46.14% 過去3番目の低さ」

 
選挙結果はつぎのようです。



やや意外だったのは、宇都宮健児が次点に入りこんだことだと思います。
しかも前回2012年12月の都知事選の96.9万票よりすこしだけ増えているのです。
前回をはるかに下回る投票率で、宇都宮健児を支援した政党が
減っていますから、実質得票をかなり伸ばしたと言えるでしょう。

もっと意外だったのは、細川護煕が思ったより伸び悩み、
宇都宮健児の得票をすこし下回って3位になったことです。
選挙戦が始まる前は、小泉純一郎が支援についたこともあって、
細川と舛添の一騎打ちになると見られていたので、
完全に最初の予想に反したことになります。

そして脅威的なのは、田母神俊雄の得票が61.1万票と、案外多かったことです。
共産党が独自候補を立てたときとほとんど同程度の得票ですよ。
前回の都知事選のときの松沢成文の62.1万票にも逼迫しています。
今回の都知事選は投票率が低かったことを考えれば、
参院選の東京選挙区で当選をうかがえると言えるでしょう。


細川護煕が最初の予想に反して伸び悩んだのは、
原子力政策、エネルギー政策の単一争点にこだわり過ぎたからだろうと思います。
その意味では、2012年12月の衆院選のときの「未来の党」と
おなじ失敗をしたと言えると思います。

NHKの出口調査はつぎのようになっています。


--------
重視した政策(投票日出口調査)

景気・雇用: 31%
防衛: 8%
医療・福祉: 21%
教育・子育て: 7%
原発などエネルギー政策: 22%
東京五輪: 4%
--------


毎日新聞の出口調査では、有権者にとっての最大の争点は
「少子高齢化・福祉」32%、「景気と雇用」23%で、
「原発・エネルギー問題」は2割程度にとどまっています。
選挙序盤と終盤の世論調査でも「原発・エネルギー問題」は、
それぞれ18.5%と14.7%だったのでした。

「都知事選:安倍政権「景気」優先 都民は回復実感乏しく」
「都知事選:「原発」争点2割にとどまる 出口調査」

国政選挙のときもそうですが、原発やエネルギー政策は
「そこそこの争点」にはなるのですが、「最大の争点」にはならないのですよね。
やはり多くの有権者にとっては、景気とか雇用とか福祉といった、
自分の生活、食いぶちに直接かかわることのほうが大事なのでしょう。


このあたりについては、つぎのまとめでも考察されています。
はじめの前提として、小選挙区や自治体の首長選はひとりだけ選ぶので、
中間層からもかなり票を取らないと当選できないことがあります。

「都知事選について上海IIさんと雑談」

はじめに細川護煕を支持した脱原発派の人たちは、
宇都宮健児よりも中間層から票を取れると見たのだと思います。
(この判断が間違っているとは、わたしは思わない。)
ところが、細川護煕は原子力政策の単一争点にこだわりすぎて、
主張がかえって先鋭化してしまったのでした。
それで中間層の支持がほとんど得られなくなったのでしょう。

細川護煕は原子力政策以外のことは、演説で話題にすることがすくなく、
ウェブサイトも雇用や福祉のことはあまり書いていなかったりします。
候補者への公開質問状のたぐいでもはっきり回答しない項目が多いです。
「逃げている」と不満げな人もいるのですが、「逃げている」というより、
定見がなく回答できないのではないかという気もします。

「東京都知事選挙候補者への公開質問状 回答編」
https://twitter.com/minerin999/status/426122228204175361/photo/1


定数1の首長選で当選するためには、主張を先鋭化させず、
脱原発のような「イデオロギー」ばかりにこだわらないようにして、
また景気、雇用、福祉と言った、有権者の食いぶちのことも重視して、
中間層から大きく票を取る必要があることになるでしょう。


>無党派層は脱原発が大事?

ところで読売の出口調査は、無党派層にかぎった統計を出しています。
これによると、無党派がもっとも重視した政策は
「原発などエネルギー問題」が24%でいちばん多く、
ついで「医療や福祉」18%、「景気や雇用」16%となっているのですよね。

「無党派層の29%、舛添氏に投票…読売出口調査」

無党派層にとっては、原子力政策が最大の争点なのですよ。
景気、雇用、医療、福祉といった食いぶちが優先なのは、
支持政党のある人たちということになりそうです。
(食いぶちが必要だから政治に関心を持って支持政党があるのかもしれないです。)

よって投票率が高くなって、無党派層がたくさん投票する選挙であれば、
原子力政策を前面に出すのは、効果があるということかもしれないです。
今回の都知事選も、2012年12月の衆院選も投票率が低かったのでした。
それで原子力政策に関心のある無党派層が投票しなかったので、
原子力政策が争点にならなかったのかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 22:40 | Comment(4) | TrackBack(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
 まあ、マスゾエさんが当選するのは、予想通りですけれど、以外だったのは宇都宮さんの得票数です。
 都民は革新都政には結構トラウマがあるかなあ、と思ったんですが、考えてみれば美濃部さんの失敗なんて大昔なんですね(^.^)

 細川さんが思ったより票を伸ばせなかったのは、反原発以外の政策があまりにもお粗末だったからかなとは思います。
 ただ、じゃ、細川さんが出なかったら、その票が宇都宮さんに流れたか?というと、疑問ですが。
 無党派層の中には、共産党になんとなく拒絶感がある人は一定数いると思えるので。

 あ、そういえば、問題起こして自衛隊辞めた後、「ネットで真実」に目覚めちゃった候補者も出てましたっけww
Posted by イカフライ at 2014年02月11日 21:58
イカフライさま、
このエントリにコメントありがとうございます。

宇都宮健児の得票は、わたしも思ったより多くてちょっと意外でした。
投票率が下がって、宇都宮を支援する政党も減っていますから、
実質かなり票を伸ばしたと言えますしね。

>考えてみれば美濃部さんの失敗なんて大昔なんですね(^.^)

たぶん記憶に残っている人はほとんどいないと思います。


>細川さんが出なかったら、その票が宇都宮さんに流れたか?というと、疑問ですが。

つぎのエントリでお話したけれど、脱原発の票はほとんど細川護煕が
取っているけれど、医療・福祉で舛添以外の票は、
ほとんど宇都宮健児が取っているのですよね。
https://twitter.com/gonoi/status/432495180143271936

なので、福祉を期待する人の中には細川に期待できないので、
宇都宮に投票した、という人は結構いるのだろうと思います。
それでも宇都宮に流れていかず、「投票先がない」となって
棄権した人もたくさんいるのだろうとは思いますが。

共産党色が強くなると、無党派から敬遠されるのは無理もないですね。
(宇都宮はそれほど共産党色が強くなかったように、わたしは思ってはいるのですが。)


>問題起こして自衛隊辞めた後、「ネットで真実」に目覚めちゃった

その「ネットde真実」のかたが案外大健闘したのですよね。
60万票以上とって供託金も取られなかったので、泡沫とは言えないですし。
これはちょっと警戒することだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2014年02月12日 20:02
舛添氏が何か問題が発生して失脚しまたまた都知事選になった場合、田母神氏が今度こそ自民党の候補となって当選する、なんてことも考えられなくはないですね。
Posted by 御光堂 at 2014年02月13日 19:32
御光堂さま、このエントリにコメントありがとうございます。

>田母神氏が今度こそ自民党の候補となって

それはどうかな?と、わたしは思うのですよね。
田母神俊雄では中間層の票がほとんど取れないでしょうから、
さすがに自民党も自党の候補にはしないのではないかと。

舛添要一はほどなくして失脚して、また都知事選になりそうだ、
というのは、すでにあちこちでささやかれていますね。
いかんせん、選挙期間中からスキャンダルですからね。
Posted by たんぽぽ at 2014年02月13日 22:12
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