4月8日の統一地方選挙では、44道府県と、
15政令指定都市で、議会選挙が行なわれました。
ご覧の通り、議席を約1.8倍に増やして、民主党の大躍進です。
「民主、道府県議選で大幅議席増 2政令市議会は第1党に」
「選挙:44道府県議選 与党、民主躍進に警戒感 参院「1人区」でせめぎ合い」
自民:1,309 → 1,212 (-97)
民主: 205 → 375 (+170)
公明: 178 → 181 (+3)
共産: 107 → 100 (-7)
社民: 73 → 52 (-21)
国民新: 0 → 1 (+1)(この1議席は秋田県)
諸派: 46 → 40 (-6)
無所属:687 → 583 (-104)
自民党は、平成の大合併による定数の減少と、
地方基盤の弱体化を見越して(って、自業自得じゃん)、
候補者を減らしたのですが、それでも大幅に後退して、
過半数割れを起こしたところも目立ちました。
「自民党は候補者を絞り込んだし、堅調だった。
民主党が議席を増やしたのは市町村合併の影響があるのだろう」なんて、
中川秀直幹事長は、自民後退の印象を打ち消そうとしたそうです。
社民、共産も候補者を減らした、「守りの選挙」でしたが、
これも裏目に出たのか、伸び悩み議席を減らすことになりました。
「<統一地方選>分析・政党別 公明堅調、社共は後退」
公明党は、候補者を181人立てて、全員当選です。
「身近な生活の課題が争点になってくることが多い。
(公明党は)国、県レベルでさまざまな実績をつくってきたので、
反響が大きかった」なんて、北側一雄幹事長は語っていますよ。
(この「堅調さ」は、例によって「連れ出し」で、組織票を確実に
ものにしたのではないかと、わたしは邪推するけれど。(参照))
民主党だけは、候補者を約1.8倍に増やした「攻めの選挙」で、
大幅に議席を増やすことになりました。
自民の基盤が堅かった1人区でも善戦し、あちこちで自民と互角に闘い、
名古屋市、川崎市と、第1党となったところも出て来ました。
7月の参議院選にむけて、地方組織の足場堅めになったと言えるでしょう。
「もともと少ないんだから増えるのは当たり前」と、
小沢一郎代表は、謙遜しているようですが。
全体としては、民主党は、都市部で強さを発揮していますし、
郵政選挙前の国政選挙(04年の参院選、03年の衆院選)や、
05年の東京都議会選挙と、同じ傾向だったとも言えます。
都市部の無党派は民主党から離れたとか、全体的に政党離れが進んでいるとか、
いろいろ言われますが、これらはやはり、郵政選挙以来、
マスコミがあおったからのような気がします。
それから、わたしが興味を惹くのは、女性議員の数でしょうか。
44道府県で、今回当選した女性候補者の数は、190人で、
03年の164人より増えて、最高記録を更新しました。
議席占有率は、1.24ポイント増えて7.47%です。
「<統一地方選>分析・女性議員 道府県議選で過去最多更新」
じつは、諸外国とくらべると、情けないくらい少ないのですが、(参考)
それでも83年以来、まがりなりにも、記録を更新し続けてはいます。
(それこそ、「もともと少ないんだから増えるのは当たり前」だって?)
ちなみに、女性の議席占有率が最高の県は、長野県で19.0%です。
中国地方も、なかなか健闘したみたいです。
それから、もっと気になるのは、女性候補の当選率でしょうか。
83年は14.2%でしたが、87年に28.9%、91年に37.4%、
95年は41.2%で、今回は51.8%と、こちらも順調に上がり続けています。
四半世紀前は、7人にひとりしか当選できなかったのが、
いまは、ふたりにひとりが、当選するようになり、
状況が着実によくなっていると言えそうです。
15の政令市は、女性は176人が当選、議席占有率が17.9%で、
都市部のほうが、「女性に開かれている」ことになりそうです。
2007年04月16日
この記事へのコメント
この記事へのトラックバック
米国議会に慰安婦問題はどう報告されたか――【結論】部分全訳
Excerpt: 前エントリーでお知らせした米国議会調査局の「慰安婦システム」に関する報告書のうち、4ページにわたる【結論】部分の全訳を掲載します。 ちょっと長いですが、この報告書が下院議員に配布されて、審議の参考にさ..
Weblog: とむ丸の夢
Tracked: 2007-04-18 00:11