2014年02月26日

toujyouka016.jpg 若年女性の貧困の深刻(2)

2月24日エントリの続き。
1月27日のNHK「クローズアップ現代」で放映した、若年女性の貧困です。

「あしたが見えない 〜深刻化する“若年女性”の貧困〜」
(はてなブックマーク)

「NHK「クロ現」に、ひとこと言いたい」
(はてなブックマーク)
「社会保障は、常に●●が肩代わりしてきた。」
「「社会保障は風俗に敗北した」 NHK「ガールズプア」特集が話題に」

 
単身の女性に続いて、番組ではシングルマザーの生活を取り上げています。
前に出て来た単身の女性のかたは、子どもを産むなんて「それ1番ない」と
きっぱり言っているくらいですから、子どものいる女性であれば、
その生活はより苦しいものであろうことは、想像にがたくないです。

番組ではつぎのような、シングルマザーの賃金水準について述べています。
とても衝撃的なのですが、この数字、出典がわからなかったのでした。
今、20代のシングルマザーのうち、およそ80%が、
年収114万円未満の貧困状態に置かれています。


代わりにというわけではないですが、
総務省の『就業構造基本調査』(2012年)から作った、年齢階層べつの
母子世帯の母親(有業のみ)の年収分布図を紹介しておきます。


年収200万円未満のワーキングプアばっかりという感じで、
母子世帯の貧困の現状が、あらためてはっきり突きつけられるというものです。
いささかびっくりしたかたもいるのではないかと思います。

20代は70%前後が年収200万円未満となっています。
(80%が年収114万円未満という記述は、無業の母親も含まれるものと思います。)
2月24日エントリでしめした、正規雇用の女性全体の年収分布や、
未婚と既婚で比較した正規雇用の女性の年収分布と比較しても、
シングルマザーの低賃金はあきらかだと思います。


インタビューの部分をすこし引用しておきます。
前のエントリで紹介した単身の女性と同様、この母子家庭のかたも
すくない生活費でぎりぎりまで切り詰めている様子がわかります。
「母子家庭に支給される、およそ4万円の手当」というのは、
おそらく児童扶養手当てのことではないかと思います。

広島市に住む、28歳のあさみさんです。
4歳と2歳の息子を育てています。
保育所で、時給800円で働いているあさみさん。
フルタイムで働いて、収入は月10万円ほどです。
母子家庭に支給される、およそ4万円の手当などを加えて、
なんとか家計を維持しています。

「食費をできるだけ、かけずにかけずに、うどん1玉を3人で食べたり、
汁を多めに作って、汁で腹いっぱいにさせるっていうのはあります。」


母子家庭の貧困をしめすデータは、1月22日エントリでも
舛添要一の差別発言を取り上げる際に、いくつか紹介しています。

「母子家庭は怠け者発言」

ここでは、日本は子どもを持つ女性の賃金が、男性の4割程度であり、
OECD加盟国の中では群を抜いて低水準という調査を挙げておきます。
おそらくこれは結婚して夫もいる女性も含めての数字で、
母子家庭にかぎると、さらに低い水準になるのではないかと思います。

子育て男女の給与格差 "日本 先進国で最大"

もうひとつ、日本は政府の再分配によって、ひとり親世帯の貧困率が
かえって高くなっていて、しかもそれはOECD加盟国の中では、
ただひとつの国だという、きわだった特徴があることも、挙げておきます。
「分け与えている」のではなく「むしり取っている」のですね。

日本は政府介入で、むしろ上昇! 独り親世帯の貧困率

posted by たんぽぽ at 23:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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