2014年03月02日

toujyouka016.jpg 日本への渡航の際の注意

イギリス政府の「日本への渡航の際の注意」について書いたサイトに、
在特会に代表される排外主義デモへの言及があるのですよね。
これがいささか衝撃的だったようで、ネットですこし話題になったのでした。

以下がイギリス政府のサイトです。

「Foreign travel advice Japan」

ネットで話題になった様子はこちらです。

「イギリス政府が日本のヘイトデモについて注意喚起」
(はてなブックマーク)

 
記述はこうなっています。
Political situation

Japan is a stable democracy.
Civil disturbances and violent demonstrations are rare.
Occasionally, demonstrations of a pro-nationalist kind can
involve hostility to foreign countries.
Keep yourself informed of developments and
if you become aware of any protests, leave the area immediately.


政治状況

日本は民主主義は定着している。
市民による暴動や暴力をともなうデモはまれである。
ただしときどき排外・国粋主義者による、外国に対して敵意を向けたデモが起きる。
そうしたデモについてはつねに情報収集を行ない、排外・国粋主義者の
デモを見つけたときは、すみやかにその場所を立ち去ること。

きょうびの日本ははなはだゆゆしきことに、安倍首相が靖国参拝したり、
NHKの経営委員たちが歴史修正主義発言をしたり、
『アンネの日記』が破かれたりと、着々と排外・国粋主義傾向が強まっています。
こうした現状は諸外国のメディアでも報道されていて、
国際社会のあいだで日本の動向が注目され警戒されているのでした。

その日本には、排外・国粋主義者によるヘイトデモがあることも
すでに外国人に知られているし、それは日本を旅行する外国人にとって
注意を要することだとして、外国政府の公式サイトに
書かれるところまで来たということです。


日本の排外・国粋主義者は、イギリスを標的にすることはほとんどないでしょうが、
それでも彼らの中に、デモの際にハーケンクロイツ旗をかかげる者もいて、
すこし話題になったことがあったのでした。
こういう調子である以上、ネオナチを警戒するヨーロッパ人が、
日本の排外・国粋主義にも警戒するのもごもっともだと思います。

こうやって外国から公式に警戒されるようになったというのは、
ある意味「行動する保守」たちの「成果」と言えるのでしょうね。
「日本ではヨーロッパのようなネオナチが湧いてくるほどではない」なんて、
もはや言えなくなったということです。


>性犯罪に対する喚起

もうひとつ特筆したいこととして、性犯罪の多いことが書いてあるのですよ。
Crime

Reports of inappropriate touching or ‘chikan’ of female passengers
on commuter trains are fairly common.
The police advise that you shout at the perpetrator to attract
attention and ask a fellow passenger to call the train staff.


犯罪

通勤電車の中で女性のからだをみだりに触る「痴漢」が出る
という報告はかなり頻繁にある。
「痴漢」が出たら大きな声をあげてまわりの注意を惹くようにし、
ほかの乗客に乗務員を呼んでもらうことを、警察はアドバイスしている。

電車の中の痴漢は、じつは日本特有の性犯罪と言ってよく、
欧米の民主主義国ではほとんど起きないのですよね。
'Chikan'なんて、日本語そのままになっているところに、
「日本特有」ということがよく現れていると思います。

前のパラグラフでは「犯罪はすくない」と書いてあります。
それにもかかわらず「痴漢」はとても多いのであり、
渡航上の注意として政府の公式サイトで特筆されているのですよ。
やはり日本は女性差別の国なのだなと、あらためて思うところです。
これを見たイギリスのかたも同様に思うのではないかと思います。


アメリカ合衆国の国務省のサイトでも、日本渡航時の注意として、
性犯罪のことが書かれているのを、12月22日エントリでお話したのでした。

「アメリカ国務省に記載されている日本渡航時の注意」

日本は性犯罪に注意が必要な国だとしているのは、
アメリカ合衆国だけでなくイギリスもだったということです。
まだまだほかにも、日本の性犯罪を警告する国はあるかもしれないですね。

posted by たんぽぽ at 22:54 | Comment(4) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
日本は平和でとても安全な国だとよく言われますが、それって男性にとってだなと最近よく思います
性犯罪が日本ってすごく多いのになぜか日本は世界のどこよりも少ないとよく言われますよね
痴漢を性犯罪の中に入れてないのか??と不思議に思うくらいです
しかも性犯罪は泣き寝入りしてしまう方が多いので、おそらく統計よりもっともっと被害者は多いように思います

確かに殺人や強盗などの類は少ない方の国だと思うんですが、性犯罪の多さは全然平和とは言えない件数ですよね
日本はどこよりも平和と聞く度に女性にとってはそこまで平和ではないと感じています
痴漢が国際語になっている時点でそれを証明していると思います

性犯罪は女性の尊厳を踏みにじるものですからね
たんぽぽさんのおっしゃる通り差別が見て取れるものだと思います
性犯罪に関しては刑も甘すぎると感じています
もう少し厳罰化すべきだと思うのですが・・・
あとは被害にあわれた方のケアなどももっと考えていかなければならないと思います







Posted by りほ at 2014年03月03日 02:54
りほさま、このエントリにコメントありがとうございます。

>日本は平和でとても安全な国だとよく言われますが、
>それって男性にとってだなと最近よく思います

わたしもそんな気がしています。日本はじつは性犯罪が結構多い国で、
女性にとってはそれほど安全ではないのだろうと思います。
性犯罪はご指摘のように泣き寝入りも多く、暗数化が多いのはあると思います。
それから性犯罪と認められる範囲が日本は狭いので、
犯罪と認められる件数がすくないのもあるのでしょう。

そういえば、たとえば「日本は女性差別が強い国だ」とか、
日本のだめなところを指摘すると、「日本は治安がいい国だからよい国だ」
などと言ってくる人が、どこからともなく出てくることがあるのですよね。
こういう人は、日本で性犯罪が多く女性にとってはかならずしも
治安がいいとは言えないことを、ご存知ないのでしょう。

かかる「日本は治安がいいのので女性でも安全」という
思い込みは、どこから来るのかと思います。
3年以上前に東急インで深夜業務をしていた女性従業員が
性的暴行を受ける事件があったのですよね。
これも「日本は治安がいいから深夜に女性ひとりでもだいじょうぶ」
という判断もあったのではないかと思います。
http://blogs.yahoo.co.jp/cyoosan1218/53067473.html


>痴漢が国際語になっている時点でそれを証明していると思います

これはわたしもちょっとびっくりしました。
「過労死」と同じですね。

>性犯罪は女性の尊厳を踏みにじるものですからね

エジプトでは痴漢が横行していて、被害を訴えるべく
女性たちが立ち上がったなんてニュースがあったのですよ。
http://www.asahi.com/international/update/0725/TKY201307250120.html
これを見て「エジプトはそれだけ女性差別の国だから、痴漢が多いのだな」と
たいていの日本人は思うのだろうと思いますが、
それとおなじ眼でイギリス人は、日本を見ているということだと思います。
Posted by たんぽぽ at 2014年03月03日 19:23
ヘイトクライム・痴漢もだけど、交通事故の多さに触れられてるのにも驚きました。

1980〜90年代初めと比べると、ずっと死者数は少ないのですが、それでも「交通事故が多い国」として認識されてるんですね。
Posted by jiyu_jin_bimbo at 2014年03月04日 11:15
jiyu_jin_bimboさま、いらっしゃいませ。
わたしのブログにコメント、ありがとうございます。

>それでも「交通事故が多い国」として認識されてるんですね。

おお、記述がありますね。
人口10万人比で日本はイギリスより30数パーセント多くなっている。
日本は「犯罪より交通事故が危ない」と、外国からは思われているのですね。

あと、わたしが思ったのは、福島の記述がとても多いことですね。
外国人としては、やはり原子力発電所事故が気になるところなのだと思ったです。
Posted by たんぽぽ at 2014年03月04日 18:51
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