2014年03月04日

toujyouka016.jpg 若年女性の貧困の深刻(3)

2月24日エントリ2月26日エントリの続き。
1月27日のNHK「クローズアップ現代」で放映した、若年女性の貧困です。

「あしたが見えない 〜深刻化する“若年女性”の貧困〜」
(はてなブックマーク)

「NHK「クロ現」に、ひとこと言いたい」
(はてなブックマーク)
「社会保障は、常に●●が肩代わりしてきた。」
「「社会保障は風俗に敗北した」 NHK「ガールズプア」特集が話題に」

 
貧困に苦しむ女性たちが行き着くさきとして、「風俗」が紹介されているのですね。
番組では風俗店で働く女性にインタビューをしています。
風俗が女性の「セーフティネット」として機能していることは、
ときどき話題になりますし、貧困問題や女性問題にくわしいかたなら
常識的にご存知のことかもしれないです。

風俗店は時給がとても高く、短い時間の労働や自由出勤も認められ、
託児所が完備されているところもあります。
一般の企業ではなかなか望めないくらい、労働条件がとてもよいということです。
生活の手段がなくなった女性が、ほかにあてがなくなって
風俗に頼ってくるのも、これはこれで無理もないことだと思います。

風俗店の求人広告です。寮あり、食事あり。託児所完備。シングルマザー歓迎。
今、貧困状態に置かれた女性のサポートをうたい文句にする、風俗店が増えています。


風俗すべてがこのように好ましい労働環境というわけではなく、
番組のインタビューに出てきたような、従業員を大切にしている店は、
おそらくかなり良心的なほうなのだろうと思います。
実際には「夜の世界」ゆえに悪い人間も多いし、危険も多いところだ
という指摘も、番組を観たからから出ています。

http://snn.getnews.jp/archives/245189
「風俗の求人は嘘が多いので信じないで」

「社会保障が風俗に負ける」という状況を苦々しく感じている人も多いようだ。
ただ、実際に番組が取材できた風俗店は「上澄みのほんの一部」に
すぎないという人もいる。
風俗店に勤務していたとする女性は、こんな書き込みを残している。

「風俗の求人広告は、女の子の気を引くように上手く作っていて、
嘘が多いので信じないでください。夜の世界は特に悪い人が多い」

元風俗店の店長だったという人の書き込みにも、「託児所付きとは名ばかりで、
紹介はするが、契約などは一切関知せず、酷い話でした」というものがある。


風俗は男性客と密接になるのですから危険も大きいです。
風俗での勤務中に性暴力を受けた事例もたくさんあります。

「性暴力被害者 半数が「死にたい」「消えたい」 10〜20代女性調査」
性風俗で働いた経験も尋ねた。
BONDへの相談で、「当初聞いていなかった人数の男性がいて暴行を受けた」など、
性風俗勤務中に性暴力を受けた事例が多いためだ。

なにより「性」を売るのですから、精神的なバランスを崩しかねないです。
風俗で働くことに関しては、こんな危険があるという警告もあります。
くわしくはエントリを読んでもらうことにして、
ここでは節の見出しだけ並べておくことにします。

「風俗を考えてる女の子へ。「風俗をやる前の自分には戻れない」」
(はてなブックマーク)
1.一度経験してしまうと、即金を稼ぐ手段でまず第一に"風俗"を考えてしまうようになります。
2.そして、足を洗うのは思ったよりも困難。
3.一生罪悪感がつきまとう
4.やっぱり精神的に病んでしまう
5.金銭感覚が狂う

そして性感染症の危険もあります。

「ああ、遅かった!!性風俗で働くということ」


風俗が時給が高かったりと労働条件が飛び抜けてよいのは、
このように大きなリスクがたくさんあるので、その代償でもあるということです。
番組に登場した鈴木晶子氏のコメントが、とても皮肉な現状を語っています。
社会保障が貧弱なので、風俗・性産業が代わりを果たしているのですよ。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3458_all.html
この性産業というのが、実際、職と共に、住宅であるとか、
夜間や病児の保育も含めた保育にまで、しっかりとしたセーフティーネットに
なってしまっていて、じゃあ実際それが公的なところで、
こんなに包括的なサービスが受けられるかといわれると、
そうではないというのがかなり、現実なんじゃないかなというふうに思っていて、
これ、社会保障の敗北といいますか、性産業のほうが、
しっかりと彼女たちを支えられているという現実だと思いますね

「女は生活に困ったら行政に面倒を見てもらわず「性」を売れ」ですよ。
「女はいざとなったらカラダを売れるからうらやましい」なんて
無神経きわまりないことを言う男がときどきいますが、
これを国や社会をあげてやっているとも言えそうです。
それだけ女性差別的なのであり、ある意味「日本的」かもしれないです。

posted by たんぽぽ at 23:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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