1月27日のNHK「クローズアップ現代」で放映した、若年女性の貧困です。
「あしたが見えない 〜深刻化する“若年女性”の貧困〜」
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「NHK「クロ現」に、ひとこと言いたい」
(はてなブックマーク)
「社会保障は、常に●●が肩代わりしてきた。」
「「社会保障は風俗に敗北した」 NHK「ガールズプア」特集が話題に」
貧困に苦しむ女性たちが行き着くさきとして、「風俗」が紹介されているのですね。
番組では風俗店で働く女性にインタビューをしています。
風俗が女性の「セーフティネット」として機能していることは、
ときどき話題になりますし、貧困問題や女性問題にくわしいかたなら
常識的にご存知のことかもしれないです。
風俗店は時給がとても高く、短い時間の労働や自由出勤も認められ、
託児所が完備されているところもあります。
一般の企業ではなかなか望めないくらい、労働条件がとてもよいということです。
生活の手段がなくなった女性が、ほかにあてがなくなって
風俗に頼ってくるのも、これはこれで無理もないことだと思います。
風俗店の求人広告です。寮あり、食事あり。託児所完備。シングルマザー歓迎。
今、貧困状態に置かれた女性のサポートをうたい文句にする、風俗店が増えています。
風俗すべてがこのように好ましい労働環境というわけではなく、
番組のインタビューに出てきたような、従業員を大切にしている店は、
おそらくかなり良心的なほうなのだろうと思います。
実際には「夜の世界」ゆえに悪い人間も多いし、危険も多いところだ
という指摘も、番組を観たからから出ています。
http://snn.getnews.jp/archives/245189
「風俗の求人は嘘が多いので信じないで」
「社会保障が風俗に負ける」という状況を苦々しく感じている人も多いようだ。
ただ、実際に番組が取材できた風俗店は「上澄みのほんの一部」に
すぎないという人もいる。
風俗店に勤務していたとする女性は、こんな書き込みを残している。
「風俗の求人広告は、女の子の気を引くように上手く作っていて、
嘘が多いので信じないでください。夜の世界は特に悪い人が多い」
元風俗店の店長だったという人の書き込みにも、「託児所付きとは名ばかりで、
紹介はするが、契約などは一切関知せず、酷い話でした」というものがある。
風俗は男性客と密接になるのですから危険も大きいです。
風俗での勤務中に性暴力を受けた事例もたくさんあります。
「性暴力被害者 半数が「死にたい」「消えたい」 10〜20代女性調査」
性風俗で働いた経験も尋ねた。
BONDへの相談で、「当初聞いていなかった人数の男性がいて暴行を受けた」など、
性風俗勤務中に性暴力を受けた事例が多いためだ。
なにより「性」を売るのですから、精神的なバランスを崩しかねないです。
風俗で働くことに関しては、こんな危険があるという警告もあります。
くわしくはエントリを読んでもらうことにして、
ここでは節の見出しだけ並べておくことにします。
「風俗を考えてる女の子へ。「風俗をやる前の自分には戻れない」」
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1.一度経験してしまうと、即金を稼ぐ手段でまず第一に"風俗"を考えてしまうようになります。
2.そして、足を洗うのは思ったよりも困難。
3.一生罪悪感がつきまとう
4.やっぱり精神的に病んでしまう
5.金銭感覚が狂う
そして性感染症の危険もあります。
「ああ、遅かった!!性風俗で働くということ」
風俗が時給が高かったりと労働条件が飛び抜けてよいのは、
このように大きなリスクがたくさんあるので、その代償でもあるということです。
番組に登場した鈴木晶子氏のコメントが、とても皮肉な現状を語っています。
社会保障が貧弱なので、風俗・性産業が代わりを果たしているのですよ。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3458_all.html
この性産業というのが、実際、職と共に、住宅であるとか、
夜間や病児の保育も含めた保育にまで、しっかりとしたセーフティーネットに
なってしまっていて、じゃあ実際それが公的なところで、
こんなに包括的なサービスが受けられるかといわれると、
そうではないというのがかなり、現実なんじゃないかなというふうに思っていて、
これ、社会保障の敗北といいますか、性産業のほうが、
しっかりと彼女たちを支えられているという現実だと思いますね
「女は生活に困ったら行政に面倒を見てもらわず「性」を売れ」ですよ。
「女はいざとなったらカラダを売れるからうらやましい」なんて
無神経きわまりないことを言う男がときどきいますが、
これを国や社会をあげてやっているとも言えそうです。
それだけ女性差別的なのであり、ある意味「日本的」かもしれないです。