わたしのつたないブログをご覧のかたでしたらよくご存知のように、
導入する制度は、夫婦別姓と夫婦同姓のどちらでも選べる「選択制」です。
ところがこの「選択制」というのがわからず、
民法が改正されたらみんなが夫婦別姓にしなければならないと
思い込んでいる人も、まだまだいるのではないかと思います。
議論をやっていても、選択制にするか強制同姓を維持するかの問題なのに、
いつのまにか別姓と同姓のどちらがいいかに論点がずれることはよくあります。
そして「自分と異なる他人の選択を認められるか」というお話が、
「自分はどうしたいのか」にすり替わってしまうのでした。
そのあたりを、とてもシュールな漫画とともに解説した
記事があるので、ご紹介したいと思います。
「[ 漫画 ] 夫婦別姓を解りやすくマンガにしました(出演:スネ夫&しずかちゃん)」
1.「選択的」夫婦別姓の間違った解釈を漫画にしたら?
2. 現行の夫婦同姓制度を漫画にしたら?
ほら! ドラちゃんもこう言っていますよ!
別姓と同姓のいずれかが選択できるかどうかが問題であって、
全員別姓にしろと言っているのではないということは、
ときどき指摘するかたがいらっしゃるところですね。
2013年3月7日エントリで紹介したつぎのエントリでも述べられています。
「夫婦同麺」
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争点は、「夫婦同姓」vs「夫婦別姓」というところにはない。
全然違う。強いて言うなら論点は「同姓義務」VS「自由選択」だ。
なのに、メディアは「同姓か別姓か」という二者択一の設問を掲げる。
新しい法案は「夫婦は別姓が義務」と言っているのではない。否。
「別姓でも同姓でもどっちでも好きな方を選べる」
というのが、新法案の主旨だ。ということはつまり、
新法案に反対している人たちが問題にしているのは「別姓」ではない。
彼らが反対している対象は「自由」だ。
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この手の誤解を減らすために「選択的夫婦別姓」を「選択的夫婦同姓」に
改めたらよいのではないかと、エントリでは述べています。
こうすれば、民法改正後も同姓も選べるということが、
はっきりするのだろうということです。
http://yossense.com/manga-family-name-doraemon/
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だったら「選択的夫婦別姓」って言葉を「選択的夫婦同姓」って
変えるだけで支持する人が一気に激増するかも知れませんね。
内容は全く同じでも「別姓」って言葉を使ってないので。
← これ、マジでいい考えな気がしてきた。
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これは前にも同様の指摘をなさったかたがいらっしゃったのでした。
はるかむかし、2009年10月22日エントリでご紹介した、つぎのエントリです。
「選択的夫婦別姓制度について」
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名称が「選択的夫婦別姓」だからよくない。
これでは夫婦別姓は選べるが同姓は選べないように感じてしまう人が多い。
そこで、「選択的夫婦同姓制度」を導入すればよい、ということでした。
選択的夫婦同姓制度とは、法律上の婚姻において、
すなわち入籍の際に、希望する場合は夫婦間で姓を統一してもよいし、
しなくてもよいという、困る人はいないけれども喜ぶ人はいるという制度です。
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わたしも「選択的夫婦別姓制度」というのは、
あまりうまくないネーミングかもしれないという気もしています。
せめて「選択的婚氏制度」くらいにしておけばよかったかもしれないです。
それから「賛成派」「反対派」というのも、選択制の是非ではなく、
自分が別姓にすることに賛成か反対かに、すり替わりやすくなると思います。
それで「共存派」「非共存派」と言い換えておくとよいでしょう。
「問題は共存か非共存か」
「非共存派」という表現には、特殊な魔力もあるみたいですし。
「非共存派が嫌がった」
「「非共存派」と言われたくない反対派」
付記:
スネ夫としずかちゃんが結婚するなんて、のび太がもだえ死にしそうですね。
スネ夫のいでたちが、上半身はワイシャツも下着もなく、
裸の上に直接スーツの上着とネクタイ、
下半身は下着一枚だけ(!)なのもシュールです。
そういう格好で表を歩いてだいじょうぶなのかと思います。
あと、指と歯があるドラえもんがちょっと不気味ですね(笑)
「[ 漫画 ] 夫婦別姓を解りやすくマンガにしました(出演:スネ夫&しずかちゃん)」
原作と作風がまったく変わっていて、
本当に「べつのキャラ」みたいです。
ヨスさんはいいセンスをしていますね。(笑)