地方から大都市圏への人口流出によるものです。
「日本創成会議」という民間のシンクタンクによるもので、
20-39歳の女性が2040年までに2010年の半数以下になるかどうかを調べています。
数字はかなり衝撃的ですよ。
「第1回 女性が消える社会」
(はてなブックマーク)
「若年女性、896自治体で人口半減 2040年までに」
(はてなブックマーク)
「「消滅」自治体に衝撃 若年女性の人口試算」
「「消滅」自治体に衝撃 若年女性の人口試算」(全文)
はじめに20-39歳の女性が2040年までに2010年の半分以下になる
自治体の数の割合を、都道府県別に見た表をしめします。
秋田県がいちばん多く、県内の自治体はほとんど全部(96%)が、
若年女性の数が半分以下になると推計されています。

国立社会保障・人口問題研究所の推計した数値も並べてあります。
こちらのデータは地方から大都市圏への人口流出は、
2020年までに落ち着くという、わりと楽観的な仮定をしています。
日本創成会議は大都市圏で医療・介護の求人が増えるので、
現在の年間6-8万人程度の人口流出が続くと仮定しています。
こちらは日本創成会議のサイトにある、地図で表わした図です。
若年女性の割合が2040年までに2010年の半分以下になるという、
色のついたところは、日本中いたるところであることがわかります。
とくに自治体数で上位の秋田県や青森県は、
県内のほとんど全部に色がついているのがわかります。
「資料2-2 人口移動が収束しない場合の全国市区町村別2040年推計人口(地図化)」
つづいて若年女性の減少率が高い自治体とピックアップした表です。
総人口の減りかたも大きいですが、若年女性にかぎった減少率は
どこもそれ以上に大きくなっています。
奈良県川上村の8人とか、群馬県の南牧村の10人といった推計値は
かなり驚異的にして脅威的だと思います。

2040年といえばあと四半世紀程度ですから、それほど未来ではないです。
日本創成会議の推計はかなりきびしめとはいえ、
現状のままだとあっというまに地方から若い女性がいなくなり、
自治体の維持が困難になる可能性があることをしめしていると思います。
少子高齢化で子どもの数が減ったとか、人口減少で将来消える
自治体があるとかさかんに言われていますが、もっと早いペースで
地方から若い女性がいなくなってしまいそうだ、ということですよ。
若い女性が地方からいなくなる原因として考えられるのは、
大都市圏にくらべて地方はジェンダーに関しても因習・反動的であり、
女性差別的な部分が多く残っていることがありそうです。
はてなブックマークを見ると、こんなコメントがあります。
女性が消える社会|DATAFILE.JPN|NHK NEWS WEB俺の母親も川崎から相模原に移ったら病んだからな。俺と親父はケロっとしてるんだが。「田舎」っていうのは女性にものすごい苦痛を与えるらしい。相模原の人間は野生のタヌキにしか見えないらしい。
2014/04/06 18:13
女性が消える社会|DATAFILE.JPN|NHK NEWS WEB
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- [地域]
- [NHK]
甲信越一括りだと見えにくいけど新潟市から長野市に来ただけで住みにくい。ハロワ行っても仕事紹介されなかった。子供産んでから出会う人に転勤族の正社員夫婦だと話したらやたら疎外感。仕事と人の流動性だね。
2014/04/06 19:34
女性が消える社会|DATAFILE.JPN|NHK NEWS WEB都内の郊外で「保守的」と言われる場所でも、自治会長が女性だったりする。一方、田舎は未だに「婦人部」で自治会からも完全隔離されていたり。
2014/04/06 14:46
相模原なんて結構都市的なほうだと思うのですが、
それでも川崎と比べるとかなり田舎なようで、
女性にとって暮らしにくくなるもののようです。
神奈川県内でもこんな調子だというのであれば、
もっと遠くの田舎へ行ったら、もっと女性は暮らしにくくなるのでしょう。
もっと大きな要因として(これもジェンダー問題が関係あることですが)、
地方には若い女性の働く場所がないということがあります。
NHKのデータファイルのやたらカッコイイサイトを見ると、
伊豆市を例に、地方の女性の就職難を取材しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/dj/datafile.jpn/20140406/index.html
地元を離れる女性
女性減少の最大の要因は働く場が減ったことにあるとみられています。
周辺にあった工場や百貨店などが相次いで縮小、撤退し、
女性の主な働き先となっていた小売・卸売業や製造業の従業員数が全体で20%減少。
その結果、多くの女性が東京などで職を見つけ、
仕事がない地元には戻らなくなっているとみられています。
就職活動中の静岡県内の21歳の女子大学生は、
百貨店やホテルでの就職を希望していますが
伊豆市の自宅から通える範囲では求人が見つからず、
あきらめて首都圏の企業を回ることにしました。
伊豆市を出て東京の企業で営業事務の仕事をしている32歳の女性は
「地元に戻ることは考えられない」と話しています。
九州でも女性は就職難ゆえに、働き口のある福岡に集まるそうです。
その結果福岡は「女あまり」という皮肉な現象が起きていたりします。
全然「知らなかった」んだけど、福岡は「女あまり」らしい。九州の男性は地元で就職できるけど、女性の就職先は福岡くらいしかなく、そこに集まるため、男女のバランスが崩れ、結果「かなりかわいい子でも彼氏がいなかったりする」んだそうだ。マジか。
— 森哲平 (@moriteppei) 2014, 5月 9
朝日の記事で若年女性の減少率が最高となった群馬県の南牧村では、
役場のかたたちがつぎのようにコメントしています。
http://lacrima09.web.fc2.com/figs/women-decrease.html
「子育て支援はしているが、何しろ働く場所が少ない」
不便な場所に住む高齢者の集合住宅を建て、若者の働く場を確保するという。
子育て支援策を充実させて出生率を改善させた
長野県下條村を例に挙げ、「追いつけ追い越せで、努力する」
保育料や小中学校の給食費を無料にして子どもを増やそうと試みたが、
昨年届けられた出生は2人だけだった
子育て支援や教育費の低減などはもちろん大事であり、
これはぜひ充実してほしいところですが、それ以上に働く場所を確保するのが、
若年女性の流出を防ぐ上で重要になってくるようです。