つぎの資料を見ると昨年の第1期とおなじく、
そうそうたるかたたちが集まっていることがわかります。
「少子化危機突破タスクフォース(第2期)の開催について」
「5/15(水)少子化危機突破タスクフォース(第2期)第4回まとめ」
集まったメンバーを見ていると、安倍政権が少子化に対して
危機意識を持っていることはたしかかもしれないです。
危機意識がたりなかったら、それこそおかしな人たちばかり集めて
見当違いの議論ばっかりやっているだろうからです。
まとめられたツイートをいくつか見て行きたいと思います。
わたしがいままでに話題にしたことも出て来ています。
ここにあらためて並べることで「復習」をしたいと思います。
>地方から若年女性が流出
森少子化大臣「本日は目標のあり方に多様な視点から議論してほしい。今後、若年女性が流出していき、自治体が半分くらい消える、という報道もなされている。」 #少子化TF
— 駒崎弘樹@障害児を支援したい看護師募集中 (@Hiroki_Komazaki) 2014年5月15日
これは日本創成会議が発表した衝撃的な調査ですね。
人口自体も減少するのですが、若年女性の減少率はさらに高いのが特徴です。
「地方から女性が消える」
>家族関係の公的支出
伊藤和子(ヒューマンライツナウ)「OECD諸国では、合計特殊出生率を目標にしている国はない。彼らは、大学の授業料無料、保育料を非常に安くする、家族関係支出を4%(日本は1%)にする等、している。こうしたことが出生率を高めた。」 #少子化TF
— 駒崎弘樹@障害児を支援したい看護師募集中 (@Hiroki_Komazaki) 2014年5月15日
日本の大学は授業料がとても高いのに、奨学金などの援助がすくない
OECD加盟国の中でただひとつの国ですね。
日本が教育に予算を割かないことがよく反映されています。
「学費は高いわ援助はないわ・・・日本の高等教育@OECD」
日本は家族・子ども向けの公的支出もOECD加盟国の中ではすくないのでした。
そして高齢者向け公的支出に偏重をしています。
「福祉のバランス 子どもに冷たい日本の福祉」
>ワークライフバランス
小室淑恵「長時間労働を脱さないといけない。私自身も1人目出産後、迷った。というのも、夫が深夜二時帰りだった。ここにいる方々同様、役人だが(一同笑) 目標とすべきこととして、総労働時間減少、育児家事参加時間増加、待機児童0等」#少子化TF
— 駒崎弘樹@障害児を支援したい看護師募集中 (@Hiroki_Komazaki) 2014年5月15日
仕事と家庭の両立の負担が女性に多くのしかかっていることも大きいですね。
OECD加盟国の中では、日本人の男性はもっとも家事時間が短いです。
「家事をしない日本の男」
「家事をしない日本の夫」
#Frauen, #Männer und unbezahlte #Arbeit - Grafik zur aktuellen OECD-Statistik #Gender pic.twitter.com/evjM53FBiG
— OECD Statistik (@OECDStatistik) 2013年7月3日
総労働時間に関しては、日本は残業時間が「男女平等」で
男女でほぼおなじ長さという、ただひとつの国という調査があります。
ほかの国は男性のほうが残業時間が長いのですね。
「世界各国の残業時間」
かくして日本人女性の睡眠時間は、世界一短くなるのですね。
男性より女性のほうが睡眠時間が短いというのも、
ほとんど日本だけのきわだった特徴です。
「日本女性の短い睡眠時間」
「日本女性の短い睡眠時間」
成人男女の睡眠時間の国際比較図。日本の女性は一番寝ていない。しかも,「男性>女性」という珍しい社会。 pic.twitter.com/1fPaH4MAfN
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014年3月11日
>シラク3原則
鈴木英敬委員「三重県出身のライフネット生命出口社長の引用だが、「産む産まないは100%女性が自由に決めるべき」「子どもを何人持とうが就労には一切影響しない」「育児休暇中は人事評価を一切変動させない」「長時間労働を撲滅・生産性を向上させる」等の原則を政府も打ち出すべき #少子化TF
— 駒崎弘樹@障害児を支援したい看護師募集中 (@Hiroki_Komazaki) 2014年5月15日
鈴木英敬委員(三重県知事)「シラク三原則というのがある。『1 子どもを持っても新たな経済的負担が生じないようにする 2 無料の保育所を完備 3 育休から復帰する際、その期間ずっと勤務していたものと企業はみなす』森原則でも安倍原則でも良いが、こうしたものを創ろう 」 #少子化TF
— 駒崎弘樹@障害児を支援したい看護師募集中 (@Hiroki_Komazaki) 2014年5月15日
今年の2月の『ウェッジ』にライフネット生命出口治明会長の
インタビュー記事が載ったことがありました。
上記のツイートは、この内容を参照しているものと思います。
わたしもブログで取り上げたことがあります。
「少子化は文化を滅ぼす仏の「シラク3原則」に学べ」
「出生率回復のシラク3原則」
「公平性重視の少子化対策」
出生率の回復のためには、シラク3原則に加えて婚外子を差別しない
PACS(民事連帯契約)を導入していることが指摘されています。
日本であれば、婚外子差別の撤廃と選択的夫婦別姓を認める
民法改正が必要だということになるでしょう。
>2050年の世界一悲惨な国
山田正人委員「海外に「日本はシュリンクしている」という印象を与えてはならない。ここで数値目標を設定しないことは、後ろ向きな雰囲気の引き金をひいてはならない。我々は歴史の被告人席に座っていることを、忘れてはならない。」#少子化TF
— 駒崎弘樹@障害児を支援したい看護師募集中 (@Hiroki_Komazaki) 2014年5月15日
山田正人委員「2050年から振り返って、あの時なぜ本気で目標を立てることをせず、逃げてしまったのか、と思われないようにしなくてはならない。作文だけ書いて何もしなかった、という事例は、これまでいくらでもあった。」#少子化TF
— 駒崎弘樹@障害児を支援したい看護師募集中 (@Hiroki_Komazaki) 2014年5月15日
日本は2050年には少子高齢化で世界一悲惨な国になる
という、『エコノミスト』紙の予測があるのですよね。
現在の日本は「歴史の被告人席」に座っているとわたしも思うし、
いまのままでいけば、後世の人たちから
「なぜ効果的な対策をしなかったのか」と批判されると思います。
「2050年の世界一悲惨な国」
「歴史の被告人席」といえば、10年前にジェンダーフリー
バッシングをしたことや、5年前に子ども手当てをつぶしたという
「実績」がすでにあるのですよね。
これらは現時点で振り返って問題にできることだと思うのですが、
いまのところこれらを「過去の愚策」と批判する論調はないですね。
「高齢化対策に対する少子化対策の相対ウェイト比率(教育費含む)」にしたいですね。
高齢者向け福祉を削って子供向け福祉に充てるというのが私が掲げる少子化対策の中核部分です。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n44839
高齢者層の理解を得ることが大変ですが、日本で
教育費を含む子供向け公的支出が高齢者向け公的支出の1.5倍ほど
(OECD諸国の平均的レベエル)にできれば
グラフの相関線から見て出生率1.6前後になりそうです。
現実的には高齢者向け福祉を対立軸に置くような目標は設定しにくいでしょうけど。
このエントリにコメントありがとうございます。
>少子化対策に数値目標を掲げるとすれば、
>「高齢化対策に対する少子化対策の相対ウェイト比率(教育費含む)」
それはよさそうですね。
あきらかに国家の目標だとわかるし、
個人の目標と取り違えられる心配もなさそうですしね。
>高齢者向け福祉を削って子供向け福祉に充てるというのが
>私が掲げる少子化対策の中核部分です
日本の公的支出が高齢者向けに偏っていて、
少子化の原因のひとつになっているのは、データで示されていますからね。
リソースが限られているとすると、家族と子ども向け公的支出を
捻出するためには、高齢者向け公的支出から、
ということにならざるを得ないですね。
高齢者向け公的支出を、家族と子ども向け公的支出に
どれだけ回せるかというのは、5月28日エントリでお話した
「選択する未来」委員会も提言していましたね。
http://taraxacum.seesaa.net/article/398075114.html
肝心なのはどれだけ実行できるかですよね。
ご指摘のように高齢化社会ゆえに、高齢者層の理解を得るのがむずかしいですし。
猛反発が出そうに思います。