6月18日に東京都議会で、女性議員が登壇中にセクハラ野次が
投げつけられたというニュースです。
「塩村あやか議員の質問(野次られた部分)書き起こし」
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「女性議員に対して「早く結婚しろ!」「子どもは産めないのかっ!」と
野次を飛ばす、最低最悪の議会へ」
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「“セクハラヤジ”はどのような質問の最中に起きたのか-
塩村あやか都議・一般質問書き起こし」
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「東京都議会 塩村あやか議員の質疑中に野次 フルバージョン」(動画)
セクハラ野次を投げつけられたのは、みんなの党の塩村あやか議員です。
妊娠や出産、育児に関して都がどう取り組むかを質疑しているときに、
「そんなことを言う前に、おまえが早く結婚しないのか」とか、
「子どもは産めないのか」という野次が飛んできたのでした。
これらはもちろん(?)男性の声です。
「結婚しないの?」とか「子どもはまだ?」とか訊くのは、
セクシャルハラスメントの中でも典型的だと思います。
上記のリンクに野次が投げつけられたときの状況が書かれています。
おときた駿議員のサイトを引用しておきます。
http://otokitashun.com/blog/togikai/3598/
その中でなんと、議場からとても大きな声で
「そんなことを言う前に、おまえが早く結婚しないのかっ!!」
という、信じられない野次が飛んだのです。
議場の一部は笑いに包まれ、舛添知事も少し笑っていました。
僕は見てましたよ、しっかり。
さらに、私の席までは聞こえませんでしたが、
本人によると
「子どもは産めないのかっ!!」
という野次まであったそうです。
言うまでもなく重大なセクシャルハラスメント、差別発言です。
しかもこれらの野次が出たとき、議場で笑い声が響いたのですよ。
かかる発言をセクハラと思わず、いっしょに加勢する議員や、
結婚や出産に関しておなじような考えを共有する議員が
都議会にはたくさんいるということなのでしょう。
野次が飛んできたとき塩村あやか議員は、涙声になり声を詰まらせたし、
登壇が終わったあとも焦燥しきった表情だったとあります。
「女性の気持ちを代弁していただけに腹が立つし、悲しい」と語っていました。
かなりショックを受けたことが、容易に想像できます。
このセクハラ野次はかなり問題視され、ネットでも批判が広まりました。
ツイッターでも連日この話題がなされています。
新聞記事もつぎのようにたくさん出ています。
「女性都議に「産めないのか」 自民?議員席からヤジ」
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「都議会:セクハラやじ 女性議員に「早く結婚しろ」」
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「女性都議に「早く結婚しろ」「産めないのか」
本会議中にやじ「五輪開催都市の議会なのに…」」
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「女性都議へヤジ、抗議1千件 自民、発言者特定せぬ意向」
「都議会に批判1000件超 女性議員へ「産めないのか」発言」(全文)
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「女性蔑視発言で国政選挙落選も」
新聞以外の記事も早くもたくさん出てきました。
「東京都議会のセクハラ野次と幼稚なおっさん達--浦島花子が見た日本」
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「議会のセクハラヤジは「学校のいじめと同じ」 塩村文夏都議が語った「悲しい気持ち」」
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「女性都議への「早く結婚しろよ」「子供もいないのに」「産めないのか」ヤジは差別発言」
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「都議会で塩村議員に向かってセクハラ野次を飛ばした都議は、
名乗り出て、謝罪し、そして辞職すべき」
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塩村あやか議員の一般質問はつぎのような内容です。
書き起こしを転載しておきます。
このあと問題のセクハラ野次が投げつけられたのでした。
そのあとさらに男性不妊とベビーカーのお話が続いています。
http://weemo.jp/s/6e29d342
東京の女性は他の都市よりも晩婚、晩産です。
都道府県別の第一子出産時の母の平均年齢は、東京都がズバ抜けて高く、
32歳近いことが分かっており、高齢出産や不妊治療を受ける女性が増加しています。
東京は都会であるがゆえに周囲との関係性が希薄で、
女性が妊娠、出産、育児に関わる悩みを一人で抱えてしまうという弊害があります。
こうした問題を抱える女性たちのサポートを、東京都は積極的に進めていくべきで、
特に周囲に相談できる人がいない妊婦さんを支える仕組みはとても重要であり、
私も所属する厚生委員会で、この件に関する充実をお願いしてきました。
子どもを産み育てにくい人が増えているのは社会問題であり、
行政がいかにして解決していくかを考えようというときに、
「結婚しないのか」とか「子どもを産まないのか」などと言うのですよ。
これらの野次の主たちや、いっしょに笑った議員たちは、
口では「女性が輝ける社会」などと言っているのでしょうが、
内心では「結婚や出産は女の自己責任であり、行政がどうこうする
問題ではない」とでも思っている、ということなのでしょう。
議事録に残らない野次だと思って、本性を出したということなのでしょう。
「早く結婚しないのか」発言の主は、自民党の鈴木章浩議員
(大田区選出)であることがわかりました。
5日経った6月23日に、ようやくみずから野次を認めました。
「自民・鈴木章浩都議、ヤジ認める 「早く結婚すれば」」
「女性議員へのやじ 自民都議が発言認める」
もうひとつの「子どもは産めないのか」発言のほうはだれなのかは、
6月25日現在まだわからないです。
それにしても、自民を離脱するだけで、辞職しないのは、なめてますね。自民側としては、しっぽを切ったようにみせかけながら、議案とかは賛成してくれるわけで、どちら側も何の痛みもないわけで。辞職運動をもりあげないと。
しかし、こういう野次って、「侮辱」ですし、訴えさえすればじゅうぶん犯罪なのではないかと思うのですがね。。。
ましてやその発言に対して笑い声が起こるとは、すなわち他の議員及び支持者も同様の思いを持っているということです。これで少子化対策だの、女性の社会進出だの、ちゃんちゃらおかしいですね。
そもそも妊娠したらイジメの対象になったり、上司が親切心から、妊娠なんてしたらキャリアが止まるなどと忠告してくれたりするのが現実です。そうした内面を変えられないのなら、いくら産休・育児休暇制度を整えようが、保育園の数を揃えようが、なんの意味もありません。社会で子供を育てるって、そういう意味じゃないでしょう。子供を育てるのに、助けて欲しいと言うことができ、助けてあげると応えることができる、そういう環境の問題なんじゃないかな、とか思うんですけど。
話がずれました。
最近では被害者である塩村議員がかつて出演していたバラエティ番組での発言を問題視する向きもあるようです。実際、自分の会社でもそれを覚えていた人間がいました。でも、それと今回のことと、なんの関係があるんでしょうね。一部にはそもそも、そんなタレントまがいが議員になるのがおかしいという声もあります。同感ですね、セクハラ発言をしたり、それを楽しく笑うような人間が議員になる(しかも堂々と続けられる)のもおかしいと思いますけど。
>今の劣化自民党の、国会議員にもなれないさらなる劣化した人が
>都議員になっていることを思えば、
問題のセクハラ野次の主は日本会議のメンバーですよ。
その意味では「さもありなん」ですね。
http://togetter.com/li/683924
>自民を離脱するだけで、辞職しないのは、
とりあえず責任を取る格好だけしめした、ということなのでしょうね。
ドイツでおなじことが起きたら当然辞職だそうです。
https://twitter.com/lovemj2010/status/481409578773385217
>こういう野次って、「侮辱」ですし、訴えさえすればじゅうぶん犯罪なのではないかと
『ガーディアン』の記事では「abuse」と表現されていますね。
「セクハラ」ではなく「性的虐待」ですよ。
これがグローバルスタンダードというものなのでしょう。
http://www.theguardian.com/world/2014/jun/20/tokyo-assemblywoman-sexist-abuse
>日本人の人権意識の低さと品性の下劣さをさらけ出した一件だと思います
セクハラ野次のことは外国メディアでも取り上げられましたね。
外国メディアも「また日本か」くらいに思っているのかもしれないです。
>事が起こった後で言っても何にもなりません
なかなか手厳しいですね。
過去を悔いるよりも、つぎの選挙で当選させないことが大事だと思います。
>ましてやその発言に対して笑い声が起こるとは、
野次だけであれば、野次の主ひとりがそういう議員なんだと
いうことにもなるでしょうけれど、笑い声が響いたというのは、
おなじような考えの議員がたくさんいるということですからね。
>これで少子化対策だの、女性の社会進出だの、
「口では女性活用とか言っているけれど、本性が出た」と
思っているかたも、たくさんいるのではないかと思います。
>そうした内面を変えられないのなら、
制度やしくみも大事だけど、まわりの人たちの意識や理解も必要なのですよね。
産休や育児休暇を取ると迷惑そうにする人もいるというし、
まだまだ意識や理解がふじゅうぶんだと思います。
>最近では被害者である塩村議員がかつて出演していた
>バラエティ番組での発言を問題視する向きもあるようです
セクハラ野次を直接擁護するのがむずかしくなったので、
過去の経歴を持ち出して、「こういう女だから性被害にあってもしかたない」
という主張を展開して「形勢逆転」をはかろうというのでしょう。
過去がどうあろうと性被害が許されないことに変わりないのであり、
過去を理由に性被害を正当化するのは、二次加害の一種なのですよね。