2007年04月26日

ムーン・ホークス(2)

4月18日にご紹介した、「ムーン・ホークス」(アポロ計画陰謀論)を、
信じているかたのエントリに、コメントがついて、
「と学会」の山本氏のページが紹介されていました。
しかし残念なことに、ぜんぜん聞く耳をお持ちでないようです。
(「通りすがり」なんてハンドルだから、印象を悪くしたのもあるのかも。)

それで、コメント欄では、1969年当時にできた月旅行が、
いまできないのはおかしいという、お話になっています。
コメントを寄せたかたは、技術的なことだと思っているようですが、
そうではなくて、月に行かないのは、莫大な予算がかかるからです。

 
アポロ計画の時代は、どんなだったのかというと、
米ソのあいだで、宇宙開発をめぐって、しのぎを削っていたときでした。
そんな中、1961年、ソビエトのガガーリンにより、
世界初の宇宙飛行が成功をおさめました。
「地球は青かった」発言を残したフライトですよ。)

アメリカの世論は、これにおおいに衝撃を受けました。
そして月面着陸は、絶対にアメリカが先でなくてはと思いました。
ときの大統領ケネディが、60年代のうちに
月着陸を実現すると、約束したのは有名なお話です。

ようするに、ときは冷戦の真っ最中であり、
ソビエトへの対抗意識が、強烈にありました。
それで、アメリカの威信のためにも、この無茶な計画に、
通常ではありえない、膨大な予算を投入することが承認されたのでした。

それで、はじめから、予算の無駄づかいを理由に、
反対する意見も、すくなからずあったのでした。
アポロ11号で、ついに月面着陸を成し遂げると、
もういいでしょうと、残りの計画を中止する世論も高まりました。
また、アポロ計画は、20号まであったのですが、
最後の3回は、予算の理由もあって、本当に打ち切られました。


批判ばっかりではなんなので。
アポロ計画を、政治的な側面から批判するとしたら、
つぎのように「冷戦の産物、お金の無駄遣い」ではないかと思いますよ。

「ビデオ教材その8 パノラマ太陽系 『月』」
========
アポロ計画は,スプ−トニク・ショック以来のアメリカの
ソ連にたいする宇宙開発競争の結果であり,政治的,軍事的な主導権
あらそいから生まれたものである.これだって戦争の一種ではないだろうか.
また,月面着陸は,ベトナム反戦運動や激しい人種差別などの国内事情
から目をそらせ,宇宙に国民の注目をひきつけて国威発揚することに重要な
目的があった.
========
このページは、加藤万里子氏という、天文学の研究者のサイトで、
『パノラマ太陽系』という、ビデオ教材の批評です。
posted by たんぽぽ at 01:29 | Comment(2) | TrackBack(1) | 疑似科学(にせ科学) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
ちょっと視点を変えて、「月のひつじ」という映画もあります。佳作です。
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=1828

陰謀論者によれば、こういうのもデッチ上げたったことになるわけで、オーストラリアまでNASAの魔手は伸びていたわけですな…って、陰謀が真実だとすれば、一体、どれほどの人間の口を封じなければならないのか。そんな面倒くさいことするより、月に人類を送った方が遥かに楽です(笑)。
結局、陰謀にかかる費用や手間やリスク。それに見合う効果があるかなど、そういうこと何も考えておらんのですな>陰謀論者。

問題なのは、こういう人が反戦・平和・護憲・人権・環境などを語り、その運動に参加しているということでしょう。9.11テロ自作自演説のきくちゆみなども、その点同様で。
主張が同じならと、こういう方々と手を組むのがアリかナシか、某掲示板で大激論になったことあります。個人的にはナシだと思ってます。そもそも手法そのものが、歴史修正主義的なそれと同じですし、長期的に考えれば運動にとって百害あって一利なしだと。
Posted by gallery at 2007年04月27日 14:45
>「月のひつじ」

おお、これは、寡聞にして始めて聞きましたよ。
(アポロの中継って、オーストラリアでやっていたんだ...)


>その運動に参加しているということでしょう。

運動をやるとなると、強い意志や理念を持って、
一定方向へ思いつめる必要があるからでしょう...
わたしの、少ない経験からだけど、トンデモに走る人が出てくるのも、
やむをえないのかな、という気もしています。
(わたしが、運動をやりたくない理由の、ひとつでもあるんだけど...)

>主張が同じならと、こういう方々と手を組むのがアリかナシか、

多分に悩む問題ですねえ...
原則的には、「避けるべし」なんでしょうけど...
でも、運動というものの性質から考えて、そういう人が出てくるのは、
やむをえない感じだし、厳格になりすぎると、仲間が作れなくなるので、
ある程度は妥協せざるをえないのかな、という気もしていますが。


それにしても、「アポロ計画」の政治的批判というと、
加藤氏のサイトにあるようなものが、
スタンダードなのかと、わたしは、思っていましたよ。
(たまたま、わたしが最初に読んだ、政治的批判だったので、
印象が強いだけなのかもしれないけれど。)

「冷戦の産物」「ベトナム戦争から目をそらす」なんて、
反米ポピュリズムなかたたちに、ウケるはずなんだけど...
なぜか、こういう主張はあまり広まらず、ソエジーみたいな、
得体の知れない陰謀論がはやるのは、いかんともしがたいです、はい。
Posted by たんぽぽ at 2007年04月28日 13:54

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Tracked: 2007-04-26 20:11