セクハラ野次の主がひとり名乗りをあげています。
自民党の鈴木章浩議員、大田区選出です。
「早く結婚したほうがいいんじゃないか」という野次を発したのが
自分であることを認めたのでした。
「自民・鈴木章浩都議、ヤジ認める 「早く結婚すれば」」
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「都議会やじ問題 自民都議が発言認める」
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「【全文】「塩村議員に早く結婚して欲しかった」
鈴木章浩議員”セクハラヤジ問題”謝罪会見書き起こし」
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「鈴木章浩都議の謝罪会見やりとり 「早く結婚して頂きたくて」【セクハラやじ】」
(はてなブックマーク)
「自民・鈴木章浩都議、塩村氏にヤジを謝罪 辞職はせず」
なぜにかかるセクハラ野次を飛ばしたかですが、
鈴木章浩議員はつぎのように釈明しているのですよ。
これを見たかぎり、なにが問題なのかあまりわかってないようですね。
私自身、少子化、晩婚化の中で早く結婚していただきたいと思い、
あのような発言になったが、したくても出来ない人への配慮が足りませんでした
少子化や晩婚化は社会問題であり行政が解決することであって、
個人の努力で解決することではないのですし、
「結婚しろ」と言うこと自体がセクハラなのですから。
(わかっていないから、ああいうセクハラ野次が飛ばせるのだとは思いますが。)
つぎのように「釈明がまたセクハラ」という批判もあります。
「セクハラやじ発言の謝罪コメントがまたまたセクハラ!」
野次は6月18日、そして認めたのが6月23日です。
最初は鈴木章浩議員は「私ではない」と否認していたのですよね。
ところが批判がどんどん高まるので、これ以上隠しきれない、
あるいは隠しているとよくないと判断したものと思います。
当初からセクハラ野次の主は鈴木章浩議員と疑われていて、
マスコミが見当をつけて取材をしてもしました。
ゲンダイが6月20日に、すでに鈴木章浩と目星を付けた記事を書いています。
「19日は一日中、ソワソワと落ち着きがなかった」とありますから、
あきらかに様子がおかしかったのでしょう。
都議会セクハラヤジ/犯人扱いされる自民議員の釈明支離滅裂 - 14/06/20 ゲンダイ pic.twitter.com/YhFF4jMOmN
— Yab. (反戦・反核・反原発) (@yab887) 2014年6月20日
鈴木章浩議員は会派から離脱するだけで、議員辞職はしないのでした。
自民党都議団もセクハラ野次の追求に消極的です。
会派離脱で「お茶を濁した」ということなのでしょう。
「処分のうちに入らない」とお考えのかたもいるでしょうし、
この責任の取りかたの甘さには批判があるかたも多いと思います。
まだ自分だと名乗る前、6月20日のマスコミのインタビューでは、
鈴木章浩議員はセクハラ野次の主は議員辞職ものだと、
コメントをしていたのですよね。
それなのに自分だと名乗ったあとは辞職しないのですから、
とんだトーンダウンということになります。
今放送中のTBSNスタで流された数日前の映像。「あのようなヤジは議員辞職に匹敵するか」という記者の質問に「そうでしょうね」と答える鈴木章浩都議。有言実行してもらいたいもんやな。 pic.twitter.com/kayallos2m
— Yusuke★鶴橋安寧★ (@euke1974) 2014, 6月 23
鈴木章浩議員のウェブサイトを見ると、「政策の10か条」の中に
「子育て支援の充実」「女性が働きやすい社会の実現」があります。
これらが口さきだけというのが、今回の野次ではっきりしてしまいましたね。
http://www.akihiro3708.com/greeting/index.html
6.子育て支援の充実
商店街の空き店舗、ビルの空き部屋を利用して、小規模保育を推進し、
5年間で2万2千人分の保育サービスを供給致します。
7.女性が働きやすい社会の実現
ワークライフバランスの推進のため、企業に働きかけ、数値目標を設定し取り組みます。
女性モニターの声を都政に反映させます。
こんなことがあるのですから、安倍政権の「女性活用」とやらも、
おなじように信用できないのではないかと思いたくなるかたも、
出てきたところで無理もないことだと思います。
付記1:
鈴木章浩議員の野次は「早く結婚したほうがいいんじゃないか」だけで、
ほかの野次は別の議員によるものであることは、音声分析から間違いないようです。
「やじの音声分析 直後に別の男性の声も」
(はてなブックマーク)
付記2:
「がんばれよ」「動揺しちゃったじゃねえか」は、
民主党の山下太郎都議によることが、6月28日にわかっています。
「「がんばれよ」「動揺しちゃったじゃねえか」は民主都議」
関連資料:
「セクハラ暴言の主は?自民党都議会議員メンバー一覧(★追加情報あり)」
朝日新聞の方の初期の記事の「西氏側はヤジを飛ばした人物として、ある自民党衆院議員の名を挙げたが、この議員は朝日新聞の取材に「記憶は鮮明でなく、覚えていない」とした」というのが大西議員かどうかが気になります。
まぁ、こちらは、被害側議員が自民党とあまり事を荒立てない方向を選んできるかんじ(この議員の思想は日本会議系っぽいです)なので、あまり大きな問題にしない方向のようなかんじですが、だからといって大西議員の罪が軽いわけではありませんよね。
女性蔑視ヤジ:謝罪の大西議員 都議時代から「ヤジ将軍」
http://mainichi.jp/select/news/20140705k0000m010093000c.html
国会でも女性蔑視ヤジ『まず自分が産まないとダメだぞ』
http://digital.asahi.com/articles/ASG7376P4G73UTFK01C.html?_requesturl=articles%2FASG7376P4G73UTFK01C.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7376P4G73UTFK01C
>国会の方にも飛び火していますね
新聞記事のご紹介ありがとうございます。
東京新聞の記事に、大西英男と鈴木章浩の場合との対応表がありますね。
状況がそっくりです。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014070590070151.html
鈴木章浩の野次だけのときは、自民党は「都議会だけの体質」ということにして
切り抜けようとしたのかもしれないけれど、大西英男の野次が発覚して
「一部だけの体質」ですますことがむずかしくなりましたね。
>被害側議員が自民党とあまり事を荒立てない方向を選んできるかんじ
自民党は本人への厳重注意と全議員への通達だけですまそうとしていますね。
もともと自民党のジェンダー観がそういったものなのだし、
ひとり厳重処分にすると、つぎつぎと処分することになる可能性が
出てくるでしょうし、積極的な対応をするはずもないと言えますね。
>(この議員の思想は日本会議系っぽいです)
このエントリで書いた鈴木章浩も日本会議ですね。
日本会議は10年前にジェンダーフリーバッシングを主導したところですから、
セクハラ野次もさもありなんだと言えます。
http://togetter.com/li/683924