2014年07月11日

toujyouka016.jpg セクハラ野次・自民の対応

東京都議会のセクハラ野次に対する、都議会自民党の対応について
見て行きたいと思います。

「東京都議会セクハラ野次」
「セクハラ野次に批判拡大」
「セクハラ野次・外国の反応」
「野次の主は鈴木章浩」
「野次の主は鈴木章浩(2)」

都議会自民党の対応は、最初から消極的でした。
野次を飛ばした議員の特定もしようとせず、ほとんど追求もしないまま
幕を引こうという「ことなかれ主義」です。

 
野次が出た6月18日の翌日、マスコミで話題になり出した6月19日の時点で、
都議会自民党は発言者の特定をしない方針を、すでに明らかにしています。
自民の吉原修幹事長は「自民の議員が述べた確証はない。
会派で不規則発言は慎むように話す」と述べるにとどまり、
発言者を特定しない意向を明らかにした。

「女性都議へヤジ、抗議1千件 自民、発言者特定せぬ意向」
「都議会に批判1000件超 女性議員へ「産めないのか」発言」(全文)
(はてなブックマーク)
「女性蔑視ヤジ 広がる波紋」
(はてなブックマーク)

このように野次の主がだれなのかの特定に消極的であることが、
野次を飛ばしたのが自民党議員であることをしめしている、
とお考えになるかたもいるでしょう。

野次の主が自民党議員でなければ、おそらく自民党会派は
発言主を特定するべく全力をあげるだろうと、わたしも思います。
自民党議員が野次を飛ばしたのだと、自民党会派の各議員は
わかっているから、特定に不熱心なのでしょう。


セクハラ野次を飛ばされたみんなの党の塩村あやか議員は、
野次の主を特定し、地方自治法にもとづいて処分するよう、
吉野利明議長に文書で要求をしたのでした。
セクハラ野次は地方自治法133条にもとづいて処分されたいということです。
第133条 普通地方公共団体の議会の会議又は委員会において、
侮辱を受けた議員は、これを議会に訴えて処分を求めることができる。

「都議会:「ヤジ発言者を特定・処分」要求に議長が不受理」
(はてなブックマーク)

自民党・吉野利明議長は「発言者が特定されていない」という理由で、
この要求を受理しなかったのでした。
吉野議長は同日(6月20日)午後、発言者が特定されておらず
「要件が不十分」として受理しなかった。

吉野議長は取材に「発言者の特定は議長の権限外。
発言者が特定されないと手続きできない」と語った。


発言者が特定されないから受理しないというのも、おかしなことだと思います。

発言者がわからないという理由で不受理が許されるなら、
だれだかわからないように野次れば、あるいはわかっていても、
「身内」でかばい立てて野次の主を隠せば、どんな誹謗中傷や差別発言をしても
かまわないということになるでしょう。

地方自治法の規定では、訴えるにあたり発言者の特定が
必要かどうかについてはっきりした規定はないです。
よって発言者がわからなくても、受理してもよいことになります。


ちなみにだれが野次を飛ばしたかなんて、議場にいれば特定できるそうです。
近くの席に座っている議員であればなおさらでしょうね。
野次の主がだれかわかっている、もしくは容易につきとめられる
状況にありながら、都議会自民党はあえて発言主を特定しようとしない、
という態度であるということのようですね。

http://blogos.com/article/89538/
本会議場で登壇し演説している最中にたくさんのやじを浴びますが、
だいたいやじっている議員はわかります。まず、ほとんど常習犯です。
口汚いやじほどよく聞こえます。たとえ、後部の議席からの不規則発言でも、
発言者は特定できます。


6月23日に、ついに野次の主のひとりである、自民党の鈴木章浩議員が
ついに名乗りを上げることになります。

「野次の主は鈴木章浩」
「野次の主は鈴木章浩(2)」

都議会自民党は、鈴木章浩議員ひとりに責任をかぶせて、
「とかげのしっぽ切り」をすることも、すこし懸念されたのですが、
そういう雰囲気にはならなかったようで、まだよかったと言えます。


そして6月25日に東京都議会は閉会となります。
かくして野次の主を特定しないまま「幕引き」になったのでした。
都議会自民党としては閉会に助けられて逃げられた、というところでしょうか。

「都議会、やじ問題事実上幕引き 発言者特定の決議案否決」
「都議会ヤジ、解明せず幕引きへ 自民党など決議案提出」
(はてなブックマーク)

野次の主の特定を含まない議会の信頼回復を盛り込んだ決議案は、
自民党を含めて賛成多数で可決しました。
ところが、野次の主の特定を求める決議案は
多数をしめる自民党が反対に回ったので、否決されたのでした。


ところで複数の自民党都議が、「野次がここまで問題になるとは
思わなかった」なんて、のんきなことを言っているのですよね。

「複数の自民都議「ヤジここまで問題になるとは」」
(はてなブックマーク)

このような発言が複数人から出てくるところに、
都議会自民党が女性の権利やセクハラをふだんから軽視していることが、
よくあらわれていると思います。
こういう調子だからセクハラ野次を飛ばす議員がいるし、
またセクハラ野次の追求に消極的でもあるのでしょう。

posted by たんぽぽ at 21:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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