2014年07月15日

toujyouka016.jpg 欧米コンプレックス哀歌

2月23日なのでずいぶん前ですが、わたしのつたないエントリが
リンクされているので、いまさらの感じですがご紹介したいと思います。
(もっと前から気がついていたのですが、
わけあってきゅうに取り上げたいと思うようになった。)

「「マッサン」(1)或いは「本当に素晴らしいニッポン男児」!?」

 
日本人の中にいまだ残る白人コンプレックスのお話です。
ステレオタイプな白人を登場させて人種差別的だと批判された
ANAのコマーシャルや、日本人男性が白人の花嫁と結婚する
写真を載せる英会話教室の広告を例にあげて、日本人の白人コンプレックス、
ないし欧米コンプレックスを問題にしています。

「「金髪に高い鼻」は人種差別、ANA新CMに外国人から苦情」

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日本人の中には「外国人=欧米人あるいは白人」とか、
「外国人の話すことば=英語」と無意識に思うかたもまだいるようですね。
世界といえば「欧米プラスアルファ」程度だった
1950-60年代ごろまでの国際感覚から抜け出せていないのでしょう。


まだまだ日本人の中には、欧米の民主主義国にはかなわない
という意識を持った人も、すくなくないのではないかと思います。
(実際、かなわないところが多々あるのですが。)
そうした意識に折り合いを付けるために、「日本のほうが偉大なんだ」と
思いたいと同時に、「欧米諸国の白人から認められたい」という、
一見矛盾した気持ちが現れるようになるのでしょう。

戦前の「アインシュタインの予言」は、日本人の二律背反的な
欧米コンプレックスの典型だろうと思います。
「日本が世界の盟主になる」という文書を偽造するだけでなく、
ヨーロッパ人が言ったことにするくらいです。
いかに日本人というのは、欧米人から「偉大だ」と言われたいと
思っているかを、よくしめしていると言えます。

「アインシュタインの予言」


英会話教室の広告にある、「白人女性に見初められた日本人男性」は、
「日本のほうが偉大」と「白人から認められたい」という、
ふたつの気持ちを、同時に満たしてくれるのでしょう。
とりわけ日本人男性の自尊心をくすぶるのではないかと思います。
(「女にもてる」ということは、男にとって手っ取り早く
「評価されている」ことを実感できるのかもしれないです。)

ここでわたしのブログのエントリが登場することになります。
日本人男性は女性差別的なので、外国人のとくに女性から
「カレシや夫にしてはだめだ」と、警戒されているのですよね。
日本は性犯罪が多く対処が甘いことも、知られるようになっています。
現実はそんなに甘くないですよということです。

「本当は怖い?日本の男性」
「本当は怖い?日本の男性(2)」

欧米コンプレックスの強い人(男性)も、欧米諸国とくらべて
日本は女性差別が強く遅れていることは、薄うす思っていると思います。
ところがそれは欧米コンプレックスを直撃する事実なので、
思っていても極力向き合いたくないのでしょう。
それで欧米の民主主義国の人権水準が高いことを否定しようとして、
「白人女性に見初められた日本人男性」を持ち出すことはありそうです。

エントリではつぎのように書いていますが、
http://capricornus0819.blog61.fc2.com/blog-entry-556.html
ジェンダーギャップ指数ランキング105位(2013年)の日本でぬくぬくと育ち、
国際社会の中で馬脚を現している「本当は怖い日本男児」を
正当化する役目も果たすのではないかと思います。
こういう使われかたは実際にありえると、わたしも思いますよ。


さらにエントリでは
そもそも、英会話学校って女子も入学対象でしょうに、男子しか意識してない作り、と、
いろいろつっこみどころ満載です。
という指摘もあります。

これは性別を入れ替えて、日本人女性と白人男性が結婚する場面にすると、
うまくいかないこともあるのだと思います。
そのようにすると「日本人男性の女性差別に嫌気がさしたので、
女性の権利により理解のある欧米人の男性と結婚する日本人女性」を
イメージさせる、ということではないかと思います。

つまり日本人男性のカチカンの否定であり、
「欧米人男性に日本人女性が取られる」ことで欧米コンプレックスを
さらに刺激することにもなって、逆効果になるということです。
性別が非対称なのもさることながら、男性中心の視点で作らないと
うまくいかないというのも、いかんともしがたいと思います。

posted by たんぽぽ at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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