2014年08月03日

toujyouka016.jpg 穴開きコンドームを配れ?(2)

8月1日エントリで、愛知県の新城市議会で出てきた、
長田共永市議の「穴の開いたコンドーム」発言のお話をしました。
この発言に対して市議会はどう対応するのかが気になるところです。

「穴開きコンドームを配れ?」

 
発言があった1ヶ月後の7月16日に、夏目勝吾議長は長田共永市議に、
「市議としての品位と配慮に欠ける」と口頭で厳重注意したのでした。
ことは女性の身体や尊厳にかかわることですから、
「品位と配慮に欠ける」ですむことではないだろうと思います。
口頭の注意だけで処分がないというのも、軽く扱いすぎないかと思います。

市議会は問題の発言の部分を、議事録から削除することにしたのでした。
すでにマスコミざたになっていますし、「コンドーム」発言が
あったことは、隠せなくなっているとはいえ、公式の記録から
「なかった」ことにするのは、このましいことなのかと思います。
早々に保身に走っているの感がしてきます。


しかもそれだけではなかったのです。
なんと市議会は「穴の開いたコンドーム」発言を告発した議員を批判し、
今後は告発できないようなルール作りを検討し始めたのです。

「「穴の開いたコンドーム」発言を隠蔽した新城市議会、
今度は告発できないルールを策定へ」

「「不適切発言批判 発信した議員に矛先」「新城市議会「ルール作る」」」 
(2014年7月24日中日新聞31面)
「議員の「ブログ発信禁止」で、地方議会は言論の府として完全に終わる」
(はてなブックマーク)

「穴の開いたコンドーム」うんぬんなんて不適切発言をするのが、
そもそも問題なのであり、対処するべきなのも不適切発言のほうです。
それなのに「不適切発言を告発するほうが悪い」などと、
まったく倒錯したことを言うのですよ。

「お前が外に向かって余計なことを言うから悪い、
だまっていればこんなことにならなかったのだ」ということですよ。
組織や集団の保身のために、不正の告発をだまらせようというわけです。
まさに「日本的」な保身だと思います。

この手の問題は外から批判されると都合が悪いが、
内輪にとどめておけば、組織内部の力関係を利用して
なんとか抑え込むことができる、という判断もあっただろうと思います。


「穴の開いたコンドーム」発言を外部に発信したのは、
日本共産党の浅尾洋平議員です。
かかる不適切発言に対して対処をしてもらうべく、議長に申し入れをしていて、
その全文を自分のブログでも公開していたのでした。

「新城市本会議での品位に欠ける恥ずべき発言に関する申し入れ」

都議会のセクハラ野次の追求に積極的だった
みんなの党のおときた駿議員も、この件について記事を書いています。
地方議会ではとくに少数派は、議場で意見するのはむずかしいこと、
また高齢の議員たちが自分たちの使えないネットというツールによる
情報発信が不満だったのだろうという指摘をしています。

「議員の「ブログ発信禁止」で、地方議会は言論の府として完全に終わる」

議員はみな自分の活動について、ひとりでも多くの市民に
知ってもらう権利と責任があるし、また市民の政治参加という
観点からも議会活動の内容について市民が自由に
アクセスできるほうがこのましいことです。
そこへもってきて、議員のウェブを使った情報発信を制限しようというのは、
情報公開や議会の透明性という観点からも、まったく逆行することになります。

「穴の開いたコンドーム」発言はあきらかに不適切発言であり、
出てきた当初より市民からの批判があったのでした。
よって多くの市民たちがかかる問題発言の詳細を
把握できるようにするために、議会外でも広く知らされることでしょう。
隠す性質のものでないことはあきらかです。


8月1日エントリでもお話しましたが、新城氏は「日本創成会議」
5月に発表した消滅可能性都市に入ったことを、問題視しているのでした。
組織の保身のために不正をもみ消そうなんて因習的だから、
女性が住みにくくなるのではないかとも思いますよ。


付記:

「穴の開いたコンドーム」発言が出てきた一般質問は、
上述の浅尾洋平議員のブログに全文が転載されています。

「新城市本会議での品位に欠ける恥ずべき発言に関する申し入れ」

posted by たんぽぽ at 22:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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