どんなことが議論されたのか、その内容についてお話をしたのでした。
このとき委員のひとりである助産院のかたが、
「本能のまま子どもを増やせ」というすさまじいことを言ったのでした。
「駒崎弘樹氏による第6回内閣府少子化危機突破タスクフォース実況+
皆さんの感想 #少子化TF」
「駒崎弘樹氏による第6回内閣府少子化危機突破タスクフォース実況 #少子化TF」
この認識もさることながら、ほかにも「なにを根拠に?」と言いたくなる、
よくわからないことを言っているのですね。
https://twitter.com/Hiroki_Komazaki/status/486773745055318016
https://twitter.com/Hiroki_Komazaki/status/486774073871962113
https://twitter.com/Hiroki_Komazaki/status/486777997551091712
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こばやし氏(助産院ばぶばぶ院長)
「私の助産院に来る方の50%の方の悩み。それはセックスレス。
2人目出産のためのセックスを夫から拒否される事例が多い。
なぜ草食系が増えたのか、ということだが、
外に出ずに日光に当たらないことが原因の一つではないか。」 #少子化TF
こばやし氏(助産院ばぶばぶ院長)「パパの働く時間が長い→帰りが遅い→
ママがイライラ→セックスするテンションじゃなくなる→実際しなくなる、
という流れが、助産院で相談受けているとある。」 #少子化TF
こばやし氏(ばぶばぶ院長)「女性の初体験の季節は夏が多い。
本能的に考えればそういうことだ。我々は人間である以前で、ほ乳類。
体使って本能のままいけば、子どもはどんどん増える。
深く考えてはダメ。もっと本能に帰れ。」#少子化TF
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このかたは自分のブログでも同様のことを書いています。
「妊娠しやすい季節って?」
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人は夏には自然に紫外線を普段よりも多く浴びているわけです。
紫外線に当たると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が増えるんです。
女性の排卵頻度に影響を与えるこれらのホルモンの濃度は、
6〜8月にかけて上昇するんですって。
つまり、夏がヒトの自然な受胎シーズン、
つまり恋のシーズンなのだといえそうです。
統計では、女性の初体験は圧倒的に夏が多いんですって!
そして性周期にもリズムがあって、春のお産が他の季節に比べて
やや多いという統計があります
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「夏が恋のシーズン」とか「春のお産が多い」とか、
どこにそんな統計があるのかと思いますよ。
人間という生物には繁殖期はないですよ。
一年中いつでもセックスをして妊娠・出産をすることがあるわけです。
ややデータが古いですが、厚生労働省による1989-2000年のあいだの、
月ごとの出生率をしめした表があります。
これを見るとどの月も人口1000人あたり9-10程度で
特定の月が多いということはないことがわかります。
一年を通していつの季節もおなじくらい子どもが産まれているということです。
「(2) 月別にみた出生」

さらに1899-2000年の100年間をグラフにした図があります。
これを見るとむかしは1月-3月の早生まれが多かったことがわかります。
よってセックスのピークは3月-5月にかけてということになります。
「夏が恋のシーズン」でははないですね。
いちばんすくないのは6月で、このときのセックスは8月になります。
夏のセックスはむしろすくないことになりそうですよ。

なぜ1月-3月が多いのか理由は書いていないのですが、
わたしが想像するに、学校への入学を有利にするために、
早産まれにする親が多かった、ということではないかと思います。
4月に産まれたのに3月に産まれたことにして、
出生届けを出したということも、実際にあったのでした。
1970年ごろから月ごとの出生率の差はほとんどなくなり、
何月産まれがとくに多いということはなく、現在にいたっています。
むかしといまとで日本人のホルモンの濃度が変わっている
ということはないでしょうから、こうした出生月の変化は
自然現象とか生物学的なものではなく、
社会的な要因によると考えられることになります。
「女性の初体験は夏が多い」という統計は、どこにあるかわからなかったです。
仮にそういう事実があったとしても、初体験は学生のときが多いでしょうから、
夏休みで時間があるからではないかと思います。
そもそも初体験のときは避妊して、妊娠するつもりはないと思います。
初体験が多かったところで、妊娠・出産の増加とどう関係があるのかと思います。