2014年08月10日

toujyouka016.jpg 家事ハラスメントのメモ

すこし前に話題になったことですが、思ったより事態が深刻なので、
わたしのブログでも取り上げたいと思います。

旭化成ホームズのヘーベルハウスのウェブサイトに大きく出ている、
「家事ハラスメント」のことです。

「妻の家事ハラ白書」(7月15日現在)

これは共同通信が記事にしています。

「夫の約7割が妻の「家事ハラ」を経験!? 食器洗い「やり方違う」とダメだし」

 
はじめに旭化成のサイトは、なにを「家事ハラスメント」と
呼んでいるのかが問題になると思います。
夫が家事をやるとき、妻から「やりかたが違う」とか言われて
ダメ出しをされて、嫌な思いをすることを言っているのですよ。

旭化成は「いまどき30代夫の家事参加の実態と意識」という
ネットを使ったアンケート調査を行なったのでした。
この中に「家事ハラスメント」についても調査があり、
この結果をもとにサイトを作ったのでした。

これは末子が6歳以下で妻が1日8時間以上の仕事をしている
30〜40代の共働き世代1371人を対象にしています。
調査によると、69.5%の夫が「家事ハラスメント」を受けたことがあり、
89.6%が「家事ハラスメント」でやる気がなくなったというのです。

妻から家事のやりかたに対してダメ出しをされれば、
夫としてはそれはたしかに不愉快には違いないでしょう。
夫に家事をさせる女性向けの指南書やサイトには、
この手の「ダメ出し」をしすぎないようにと、たいてい書いてあると思います。


ところが、これが「ハラスメント」に相当するのかとなると、
はなはだ疑問だとわたしは思いますよ。
「ハラスメント」というのは、通常は社会構造上の上位にあるものが、
下位にあるものに対して、構造上の力関係を利用して行なうからです。

家事労働は「女の仕事」とされますが、これは男性が自由に外で
働けるようにするため、妻に無償の家庭内労働を担わせたためです。
これによって妻は家庭内に閉じ込められて経済力が持てず、
夫の収入に依存することになるわけです。

家庭内の無償労働に関して、構造上上位にあるのはあきらかに男性です。
そして女性は下位の立場であり、それゆえに家事労働を
押し付けられるという構造になっている、ということです。

社会構造上下位にいるものが上位にいるものに対して
不愉快な思いをさせても、通常はハラスメントとは言わないです。
旭化成のサイトが「家事ハラスメント」と呼んでいるものは、
じつはハラスメントに相当しないと言えます。


ご存知のように、日本の夫は夫婦共働き世帯であっても、
妻とくらべて圧倒的に家事時間が短くなっています。
実際、すくなくない女性は家事の大半をやらされるはめになり、
自分の時間がほとんど持てないかたも、多いだろうと思います。

https://twitter.com/tmaita77/status/485661782271217664/photo/1

double-income-oneday.png

旭化成のネット調査の対象となったのは「末子が6歳以下で
妻が1日8時間以上の仕事をしている30〜40代の共働き世代」です。
よってなおさら夫は積極的に家事に参加して、
妻の負担を減らす必要があることになります。

そこへもってきて、妻にダメ出しされて嫌な思いをしたから
家事をやめられるとしたら、まさに「家事は女の仕事」という
社会構造が利用できるから、ということになるでしょう。
そして家事の負担が緩和されない妻こそ、本当の被害者というものです。


旭化成のサイトの意味で「家事ハラスメント」と言えることが、
男性は強者の立場にあることをしめしているのだと思います。
そして「家事ハラスメント」と表現することは、
このような力関係を利用して、弱者の立場にある女性を
攻撃していることにもなるというものです。

かかる理由で「家事ハラスメント」という表現を、
共働きの妻に対する攻撃と見て取ったかたは、たくさんいたわけです。
つぎのように記事を書いたかたもいます。

「「家事ハラ」という言葉で共働きの妻を叩く旭化成ホームズ」
(はてなブックマーク)
「「妻からの家事ハラ」に女性たち+まともな男性が怒る理由。
このままだと“逆マーケティング”に」

(はてなブックマーク)

posted by たんぽぽ at 14:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 家事ハラスメントのメモ web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック