東アフリカのウガンダでは、昨年の12月に違反者への
最高刑を終身刑とする厳格な反同性愛法が議会で可決したのでした。
今年の2月に大統領が署名し成立していました。
ところが8月1日にウガンダの憲法裁判所が、議会での採決手続きに
不備があったとして、厳格な反同性愛法を無効とする判断を下したのですよ。
きわめて非人道的で、アムネスティから「残酷で有害」「非常に忌わしい」
とまで言われた法案が取り消されたことは、喜ばしいかぎりです。
「ウガンダ憲法裁「反同性愛法は無効」、定足数満たさず可決」
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「ウガンダでゲイ・パレード、「反同性愛法」の無効判決後で初」
(はてなブックマーク)
具体的には、必要な定足数を満たさずに議会で採決されたということです。
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スティーブン・カブマ(Steven Kavuma)裁判長は、
同法は必要な定足数を満たさずに議会で採決され、法制化の過程が
憲法に違反していたとして、同法は無効だと述べた。
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厳格な反同性愛法が無効になったのは、内容が非人道的だからではなく、
手続き上の不備が理由というのが、いささか気になるところです。
正当な手続きを踏んであらためて採決すれば、
可決する可能性がありそうに思われるからです。
実際政府報道官は、つぎのようにコメントしているのですよね。
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政府報道官は、同法は内容の問題ではなく手続き上の不備で
取り消されただけで、同法は依然として有効だと述べた
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取り消されたのは今年成立した厳格な反同性愛法であって、
同性愛を違法とする法律はまだ存在するのでした。
それでも今回の取り消しで、同性愛の擁護活動が違法ではなくなり、
一般市民が同性愛者を告発する必要もなくなるのでした。
ウガンダの同性愛者や同性愛の活動家たちは、
厳格な反同性愛法が無効になったことを、とうぜん大歓迎です。
8月9日には早くもゲイ・パレードが行なわれています。
法案が取り消されたのでパレードができるということなのでしょう。
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「このパレードは私たちを1つにするためのもの。
今まではみんな反同性愛法のせいで隠れていたの」と、
主催者のサンドラ・ンテビ(Sandra Ntebi)さんはAFPに語った。
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また国連の潘基文事務総長も
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「この前進に貢献した全ての人々、特に大きな危険を顧みず
声を上げたウガンダの人権の擁護者たち」に敬意を表した
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とあります。
厳格な反同性愛法が取り消されたのは、理由は手続きの不備としているけれど、
人道的観点からの反対をくんではいる、ということかもしれないです。
あるいは採決に必要な定足数を満たさなかったのは、
人道的な理由で法案の可決に反対するために、
採決に欠席した議員もいたということなのかもしれないです。
関連エントリ:
ウガンダの厳格な反同性愛法を批判する国際社会。
「ウガンダ反同性愛法案、道徳的に誤り=米国務長官」
「スウェーデン首都でゲイ・パレード、首相も参加」
ウガンダの反同性愛の起源。
「「魂のジェノサイド」--ウガンダ「反同性愛法案」とその起源」
「「GOD LOVES UGANDA」鑑賞」