財務省のまとめでわかりました。
国税庁の「民間給与実態統計調査」をもとにしています。
「配偶者控除、高所得者ほど恩恵 財務省まとめ」
(はてなブックマーク)
「配偶者控除、高所得者ほど恩恵 財務省」(全文)
日経の記事に出ている数字を見てみると、年収階層別の配偶者控除の利用率は、
年収200-300万円: 11.2%となっています。
年収500-600万円: 33.7%
年収1000-1500万円: 61.0%
年収が高くなると、配偶者控除の利用率が急激に高くなることがわかります。
記事ではこれを、
夫の年収が低い世帯は配偶者控除の適用対象の上限となると分析しています。
年収103万円を超えて妻が働いている場合が多いためだ。
年収が低い場合、配偶者控除を受けるよりも、妻も働いて直接の収入を
たくさん得たほうが、家計が多く得られるということです。
妻が専業主婦というライフスタイルは、夫の収入がかなり多い
いわゆる裕福な家庭でないと、実現がむずかしいことです。
妻が年収103万円を超えないでも家計が維持できるくらい
夫に収入のある家庭は、それなりの高所得者になってくる
というのは、ごもっともだと言えます。
高度経済成長期の日本社会は、国民の多くが、
夫だけ働いて妻が専業主婦というライフスタイルを、
実現できるくらいの経済力があったということだと言えます。
近年は経済力が低下してきて、妻が専業主婦というのは
高所得者にかぎられるライフスタイルになってきている、
ということなのでしょう。
5月4日エントリで、専業主婦世帯がだんだん減っている
というグラフをしめしましたが、この「専業主婦世帯」は、
低所得者ほど減りかたが大きく、残っているのは高所得者が多い
ということだろうと思います。
「共稼ぎと専業主婦の推移」
「増える共働き・減る専業主婦…共働き世帯の増え方を
グラフ化してみる(2010年分反映版)」

配偶者控除は高所得者ほと受けている人が多いというのは、
容易に予想できると言えることで、なにをわかりきったことを
という気もするのですが、統計を使ってはっきりしめした
ということは、意味があるだろうと思います。
配偶者控除の額は税率によって決まるので、
高額の税率がかけられる高所得者ほど大きくなるのですよね。
配偶者控除のしくみ自体が高所得者に有利なのであり、
これが高所得者ほど配偶者控除を受けようとする
モチベーションになるのもあるだろうと思います。
「配偶者控除」
「自民党の子ども政策--選択と集中」
