共産主義国の家族政策についてお話をしました。
それは子どもを作るのが国家に対する国民の義務と考え、
そのために同性結婚が禁止されるというものです。
「共産主義国の反同性愛」
「なぜボーイズラブを取り締まるのか?同性愛は“国民の義務”違反-中国(高橋)」
(はてなブックマーク)
「男がいて女がいて、そして国家がある」と考える。
つまり夫婦は「国家に対し、次世代を担う子を産み、育てる」
という義務を負っている(1)。同性愛者など子を産むことができない
カップル義務を履行するできないため容認されない。
日本は共産主義国でも全体主義国でもないですが、
これとおなじように、国家や社会が家族のありかたを決めることを
よしとする思想があるのですよね。
あの、高度経済成長期の標準家族を「理想の家族」とする、
家族に対して因習・反動的な人たちが「家族のカチ」と呼ぶものです。
「家族のカチ」を信奉しているひとりである八木秀次氏は、
アメリカ合衆国で同性結婚を禁止する結婚防衛法に
違憲判決が出たことに寄せて、こんなことを言っていたのです。
「子を産めないから反対?」
「「最終的に日本も」「家族制度が崩れる」 米最高裁の同性婚支持判決に国内は賛否」
高崎経済大の八木秀次教授は「婚姻は次世代を担う
子供を産み出すものとして法律で特別に保護されてきた。
家族制度の根幹が崩れるので、同性婚を法的に認めるべきではない」と話す
子どもを作れるカップルだけが夫婦として、
国家から法律によって保護されるのであり、
同性結婚は子どもを作れないから、国家は認めるべきでない
という主旨のことを言っているのですね。
上述の中国や共産主義国によくある家族観と、まさしくよく似ています。
八木秀次氏は「夫婦別姓はレーニンが主張していたから、
夫婦別姓を導入する人たちは共産主義の政策を評価している」
などと言って、選択的夫婦別姓に反対していたのですよね。
「反対派議員たち、動き始める」
「夫婦別姓は家族破壊の陰謀?」
八木秀次氏にとって、共産主義の家族観は家族破壊につながるから
断じて受け入れるべきでない、という考えなのでしょう。
ところが、八木秀次氏が信奉する「家族のカチ」や
同性結婚の反対論こそ、共産主義の家族政策にそっくりということです。