2007年04月30日

toujyouka016.jpg 東京都知事選(4)

いまさらのように見つけたのですが、4月11日の毎日新聞に、
つぎのような、東京都知事選についての、考察がありました。
いわゆる無党派、有権者を批判しているものですが、
東京にかぎらない、一般的な内容と言えそうです。
「記者の目:東京都知事選『無党派層』に問う」

石原に投票した人たちで多かったのが、
「石原になら任せられる」「なにかやってくれそうだ」
「石原なら引っ張ってくれそうだ」という意識です。
こちらには、朝日新聞に載せられた、石原支持者の声が、
紹介されていますが、やはりそういうタイプが多く見られます。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-162.html

 
こうした人たちには、政治は他人におまかせするもので、
自分は主体的にならないという、他力本願な考えがあるようです。

かかる他力本願は、政治家に対して、自分をはるかに超えた、
スーパーマン的なものを期待する、
「アイドル政治家症候群」に、おちいることになります。
そんな人は、政治家といえども、そんなにいないですから、
こうした幻想はすぐに崩れるのですが、それで「だれがやってもだめ」と、
よくありがちな政治不信に、陥ってしまうことになります。

丸山真男氏の著作が、引用されていることからもわかるように、
こうしたことは、50年も前から言われて来たことでした。
21世紀に入って、だいぶたった現在でも、日本人の政治意識、
政治家意識は、ほとんど変わっていないことになります。


ところで、無党派とはべつに、わたしが注意を惹いたのは、
民主党の都議たちが、石原と対決し続けたことです。
========
今知事選を機に、都議会民主党が石原知事への
対決姿勢を鮮明にしたことは率直に評価したい。
同党は3月の都議会で初めて予算案に反対し、
知事との論戦が紛糾する場面も何度かあった。
浅野氏の支援には異論を抱えたままだったが、都議22人中8人が公然と
石原知事支持に回った前回の都知事選とは違って、今回、造反はなかった。
========

今回も、独自候補を擁立することで揉めていましたし、
あれからどうなったのかと、わたしは、気になっていたのですが、
「造反」した議員は、いなかったとあります。
毎日の記事とおなじく、わたしも、民主党都議たちが、
石原への対決姿勢をつらぬいたことは、率直に評価したいと思います。

またともすれば、興味が失せて忘れられがちな、
民主党都議のことにも関心をお持ちになり、報道してくださった、
毎日新聞の記者(『サンデー毎日』の日下部聡氏)も、評価したいと思います。
(しかも、浅野さんの出馬の、意義のひとつとして見ている。)

3月15日エントリで、わたしがご紹介した、
都議全員が、石原の予算案に反対したことも、触れられているし、
関心を持ち続けるかたもいるのだなと、感心しましたよ。
(予算案反対に関心を持たず、「どうせまたイシハラを支持したんだろう」と、
決めてしまうだけの人たちとは、大ちがいですね。)

posted by たんぽぽ at 19:33 | Comment(7) | TrackBack(10) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
この記者は、サンデー毎日の記者みたいですが、サンデー毎日は、前編集長の時以来、安倍や石原の追及に熱心で、私は高く評価しています。
以前お話しした、「B層」向けのプロモーション資料および竹中の口利き疑惑をスクープしたのも、まだ官房副長官だった頃の5年前の安倍が、早稲田大学で「戦術核の保有」どころか「使用」までも憲法上問題ない、というトンデモ発言をしたのをスクープしたのも、サンデー毎日でした。
しかし、残念なことにこの雑誌は発行部数がわずか7万部しかありません。だから、サンデー毎日の記者が毎日新聞本紙の「記者の目」に記事を書く機会が与えられたのは、良いことだと思います。
Posted by kojitaken at 2007年04月30日 22:13
こんにちは、コメントありがとうございます。

『サンデー毎日』は、いろいろと健闘していますよね。
エントリでリンクした「記者の目」も、
目のつけどころが違うなと、思わず関心してしまいましたし...

くだんの記事の考察は、イシハラに限らず、田中康夫氏とか、
コイズミとか、東国原氏とか、全部について理解できますからね...
各選挙ごとの事情も、むろんあるでしょうけれど、
それとはべつに、日本全体にあてはまる事情もあったわけだ。

発行部数が少ないのは残念だけど、適度にマイナーだから、
健闘できるのもあるのかもしれないです。
でもこないだから、わたしは、4月29日号を探しているのだが、
(なんでも、コイズミが、「女は犬のように子どもを産むべき」
などと言ったらしく、それが出ている)どこの図書館でも、
貸し出し中なのだ...(案外需要はあるのかも...)


>「B層」向けのプロモーション資料および竹中の口利き疑惑

おお、それは、これですね。
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/tokusyuu/news/20050713-182250.html

これも、大スクープだったと思いますよ。
(ここでばれちゃったので、ばくちを打つつもりで、
コイズミは郵政解散に踏み切ったのも、あるみたいですね...)
Posted by たんぽぽ at 2007年05月01日 00:53
サンデー毎日4月29日号は持っています。
著作権のことを考えて記事では要旨しか書きませんでしたが、アドレスが分かればスキャナーして送りますよ。
Posted by とむ丸 at 2007年05月03日 00:24
私はあいにく4月29日号は立ち読みで済ませてしまったのですが、とむ丸さんから提供を受けられそうで良かったですね。

ところで、4月度は「たんぽぽのなみだ」経由の「きまぐれな日々」へのアクセスが308件ありました。きっこさん効果や偽博士騒動に隠れてしまいましたけど、通常の月だったらベストテン入りは間違いありませんでした。
このブログのアクセス数の増え方も、以前よりずいぶん早くなっているような気がします。
Posted by kojitaken at 2007年05月03日 11:04
とむ丸さま、こんにちは。

記事を送ってくださるのですね、まことにありがとうございます!
メールに添付なのかな...?
アドレスはこちらに書いてあります。
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/communication/email.html



kojitakenさま、こんにちは。

おお、わたしの拙ブログも、健闘していたのね...
(そういえば、選挙のときとか、結構リンクしていたからね...)

わたしの拙ブログのアクセスは、じつはそんなに増えてないです、はい。(苦笑)
Posted by たんぽぽ at 2007年05月03日 14:47
実は、もう、OCRにかけて、テキストに直して伝言板に書き込んでいます。
Posted by とむ丸 at 2007年05月03日 22:39
こんにちは、さきほど拝見させていただきました。
(お忙しい中、まことにありがとうございます。)
http://www1.rocketbbs.com/110/lacrima.html

じつは、わたしも、前のコメントをしたあと、
ちょっと遠くの図書館まで行ったら、4月29日号を見つけたのでした...
(でも、伝言板に書き写してくださったのは、とても助かりました。
あらためて、どうもありがとうです。)
Posted by たんぽぽ at 2007年05月04日 00:12

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