朝日新聞の特集「そこにある貧困」ですが、
今回は記事にある「日本のシングルマザーの実像は」という
図を見ていくことにします。
「日本のシングルマザーの実像は」

このような統計は、わたしもこれまでにも何度かお話をしていますし、
常識的にご存知のかたも多くなっていると思います。
日本の母子世帯は、
1. 就労率はOECD平均より高い
2. 貧困層の割合はOECD平均より高い
3. 養育費はアメリカ合衆国よりすくない
4. 非正規雇用は日本の父子世帯と比べて多い
ということです。
さらに母子世帯の総所得は子どもがいる世帯の総所得の3分の1程度、
日本のひとり親世帯の貧困率は、OECD加盟国の中ではもっとも高いのでした。
日本の母子世帯はたくさん働いているのに、
雇用が不安定で収入がすくなく、経済的支援もすくないということです。
これが日本の母子世帯の貧困の原因にほかならないのであり、
いかに日本は母子世帯に対して風当たりの強い社会であるかが、
あらためて見て取れるというものです。
ここには「女は結婚して男に養われるから、経済的な苦労はない」
という社会通念ゆえに、母子世帯の社会的支援がなおざりにされるだけでなく、
「男に属さない女は容認しない」という固定観念があって、
母子世帯が差別的状況に置かれることを
積極的に放置してきたことがあるでしょう。
これまでこのブログで紹介してきた、関連する図を載せておきます。

「子どもを持つ女性の賃金差別が世界最悪の日本-男性賃金のわずか39%、OECD30カ国平均の半分」(グラフ)という世界最悪の女性への賃金差別が「女性たちの貧困」の根本的な原因のひとつです。 http://t.co/Kh7bMFPL7P pic.twitter.com/F8I6KUp1cS
— 国公一般 (@kokkoippan) 2014, 4月 28
グラフにあるように「日本のひとり親世帯の貧困は世界最悪」です。 http://t.co/Kh7bMFPL7P pic.twitter.com/HzBmDppfqF
— 国公一般 (@kokkoippan) 2014, 4月 28
母子世帯と夫婦がいる世帯の年収比較図(子が2人の世帯)。こうだものな。全然違う。母子世帯は平均198万,夫婦がいる世帯は平均739万。 pic.twitter.com/MiF8YcQV0K
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014, 3月 31
つぎのグラフも合わせて載せておきます。
日本はひとり親世帯の親が就労すると貧困率が高くなる、
OECD加盟国の中では唯一の国というものです。
「一人親世帯の子どもの貧困率」

関連エントリ:
「母子家庭は怠け者発言」
「母子家庭の年収分布」
「ひとり親の子どもの貧困率」
「女性たちの貧困のメモ」