2014年09月07日

toujyouka016.jpg 有村治子・女性活躍担当相

9月6日エントリでお話した、安倍改造内閣の内定メンバーに、
女性閣僚が5人いるということですが、その中でさらに注目したいのが、
女性活躍担当大臣という新しく作ったポストに
有村治子氏が就任する予定となったことです。

「「女性活躍相」に有村治子氏 内定」
(はてなブックマーク)

 
有村治子氏が女性活躍担当大臣に選ばれた理由ですが、
NHKの報道を見るとつぎのように、妊娠・出産と仕事の両立支援に
関わった実績があるからとなっています。
また全国統一のマタニティマークを作って広めた実績もあります。

有村氏は、教育政策や環境問題に通じていることに加え、
結婚や妊娠、出産を機に仕事を辞めた女性の再就職を
後押しする政策に取り組んできました。

安倍総理大臣としては、子育てをしながら議員活動を続けている有村氏を
行政改革担当を兼務する女性活躍担当大臣として入閣させることで、
育児と仕事の両立を目指す女性の活躍を支援する内閣の姿勢を
アピールするねらいもあるものと見られます。


「女性活躍担当大臣」というネーミングが「そのまま」なのですよね。
有村治子氏は男女共同参画も兼任するのですが、
どう違うのかがはっきりしないという指摘もあります。
いかにも「女性活用を推進しています」と言うために
作ったポストという感じがしてきます。

「改造内閣:女性活躍担当相って?有村氏「日本の浮沈懸け」」
割り振られた「女性活躍」という担務は言葉としてなじみがなく、
兼務する「男女共同参画」との意味の違いも不明瞭だ。

この毎日の記事には
女性政策を経済政策と位置づける色彩を強めている、との見方も出ている。
という指摘もあります。
安倍政権の「女性活用」はしょせん経済のためということが、
見透かされているようです。


そんなことよりも、じつはもっとすごいことがあるのですよね。
有村治子氏は、選択的夫婦別姓に反対(非共存派)で、
中絶にも慎重であり、さらに「親学推進議員連盟」や「日本会議」、
「神道政治連盟」といった組織にも所属しているのですよ。

「「女性活躍担当相」有村氏はどんな人? 「夫婦別姓」に反対の立場、中絶にも慎重」

これだけラインナップされていれば、どう考えても
家族やジェンダーに対して因習・反動的なこちこちの右翼です。
とても女性の権利には理解があるとは思えないですよね。
こういう人が大臣を務める「女性活躍」とはなんなのかと思います。



「選択別姓反対」は、2010年3月に日本会議が主催した、
「夫婦別姓に反対する国民大会」に有村治子氏が出席したことがあります。
民主党政権下で選択別姓の実現が現実的だったときです。
あの山谷えり子氏といっしょの参加ですね。

「[夫婦別姓問題] 夫婦別姓に反対する国民大会 (概要・運動方針)」
自民党から衛藤晟一、山谷えり子、有村治子の各参院議員が参加した。

「中絶反対」は堕胎根絶を掲げるNPO法人「天使のほほえみ」で、
有村治子氏は講演を行なったことがあり、
このとき中絶に慎重な姿勢を示したことがあります。
あの山谷えり子氏も講演を行なったことがあります。
NPO法人と言っても、かなりカルトかかった団体のようです。


「親学」は「伝統的子育て」を重視する因習・反動的な教育論です。
「発達障害も伝統的子育てで予防できる」といった、
「とんでも」理論を展開しているので、しばしば問題視されます。

「日本会議」はご存知のように日本最大級の右翼団体であり、
多数の政治家が役員を務めている大組織です。
2000年代のジェンダーフリー・バッシングを主導した実績があります。

「神道政治連盟」は民法改正、選択的夫婦別姓の実現に対して
反対活動を続けているもっとも大きな組織であり、
わたしもかねてから問題視してきたのでした。


きわめつけは、さきの中絶反対の団体「天使のほほえみ」の
講演の要旨に書いたつぎのくだりですよ。
『国政の決断で迷いのある時など、一人で靖国神社にお詣りして、
英霊にお尋ねする。国難の時に生命を捧げられた英霊が、
「最後に守るべき価値観とは何か」をお教え下さるのだと思う』

完全にオカルトで「あっちの世界」だと思いましたよ。
国政の決断というこの上なく現実的な判断を迫られるときに、
こんなオカルトで決められては、ひとたまりもないというものです。


有村治子氏は「女性活躍担当」の意味するところについて、
「日本の浮沈を懸けて大事」だと説明をしています。
こんなオカルト右翼に日本の浮沈を懸けてしまっては、
まちがいなく日本は沈むだろうと思いますよ。

http://mainichi.jp/select/news/20140904k0000m040166000c.html
有村氏は3日午後、報道陣に囲まれ、「女性活躍」の意味するところについて
「日本の浮沈を懸けて大事だと安倍首相が判断されたポスト。


posted by たんぽぽ at 11:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
この人の気違いぶりは、これまでジェンダー関連の人くらいしか知らなかったかと思いますが(私も夫婦別姓問題の当事者になるまではこんな人知りませんでしたし)、今回のこの人事のおかげで、この人のカルトな頭のおかしな経歴が、ネットでも話題にあがってきて、みんなの知るところになった、というのはポジティブに受け止められることかもしれません。

…とでも思わないとやってられませんね(笑)
Posted by 魚 at 2014年09月07日 18:35
こちらにもコメントありがとうございます。

>この人の気違いぶりは、

とんだオカルト右翼という感じですよね。
山谷えり子と行動をともにしているのも気になります。

>ネットでも話題にあがってきて、みんなの知るところになった、

女性活躍担当大臣なんてポジションについて注目されたおかげで、
これまでの右翼ぶりが掘り返されて、ネットではそれなりに
知られるようになったのは、一応の成果なのかなと思います。

大臣就任の内定が発表されてから、数日のうちに広まりましたし、
ネットはこういうのを見逃さなくなっていますね。
Posted by たんぽぽ at 2014年09月08日 21:42
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