2014年10月07日

toujyouka016.jpg 自民党員がいなくなる?

かなり衝撃的な記事があるのでご紹介します。
タイトルの通り、自民党員が近い将来ほとんどいなくなるのですよ。

「衝撃のデータ「あと10年で自民党員の9割が他界する」」
(はてなブックマーク)

わたしは自民党政権にはかなり批判的なほうだと思いますが、
そのわたしが見てもこれは衝撃的ですよ。
「ええっ!?本当なの!?」という感じです。

 
ようするに新しい党員がほとんど入ってこないのですね。
それでむかしからいる党員がどんどん高齢化して、
寿命をまっとうするので、人数が減って行くことになるわけです。

http://president.jp/articles/-/13400?page=2
首都圏のある地域では、自民党員が平成6年に2000人ほどいました。
それが約10年後の平成15年には1000人弱と半減し、
23年になると600人あまりになってしまった。
新しい党員はあまり増えず、顔ぶれは代わらないまま党員が高齢化し、
自然減となっているのです。

先の地域の例では、この17年で70%も党員が減少しています。
現在の地域党員の平均年齢は80歳前後と思われますから、
今後5年から10年もすると、結果として党員の8割、
あるいは9割近くが自然減となるでしょう。

このことは他の地域でも同じような状況で、やはり減少傾向にあります。
平成3年のピーク時に全国で547万人いた党員が、
現在はわずか78万人しかいない。すでに8割5分減、激減です。

共産党も党員の高齢化が進んでいるのですが、
自民党の党員の高齢化のほうが、ずっと進んでいる感じです。
共産党は8割ほどが50歳代以上とはいえ、新しい党員を確保していますから、
共産党のほうがまだましと言えると思います。


記事の最初には、自民党の支持層の特徴が述べてあります。
自民党の組織はムラ社会的な地域社会とわかちがたく結びつき、
支持者たちは議員の政策や実績には興味がなく、
「おらが地元の代表」ということだけに関心があるのですね。

http://president.jp/articles/-/13400
議員が任期中にどういう議会活動をし、実績を残したか。
子育て支援とか福祉政策とか、行財政改革とか教育政策とか。
議員の本分ともいえることは、地域社会では一切問われません。
言い切りますが、次の選挙での当落にはまったく関係ありません。

では、何が大事なのか。地元の行事や冠婚葬祭に出席するかどうかなのです。
都心であれ、地方であれ、「おらが地元の代表」なので、
そこが評価の対象となっている。
つまり、政治家ではなく「お祭り要員」を求めているのです。
政治理念や政策などが投票に影響を与えることはほぼない。

これは「政治家城下町」とでも呼べる、公共事業を中心とした
利権構造の維持のために作られた、支持基盤体質だと思います。

「政治家城下町」


「政治家城下町」においては、自民党議員の役目は、
地元に公共事業を起こすための予算を持って来ることです。
一般の支持者たちはおらが町に公共事業が来ることによって、
町の経済が潤うことを期待しているわけです。

彼ら支持者たちが政治に期待することは公共事業だけです。
そしてそれは「おらが地元の代表」である
自民党議員さまが当選することで保障されます。
それゆえ、その議員がほかにどんな政策に熱心かとか、
どのような実績をあげたかはどうでもいいことになり、
「議員の本分ともいえることは、地域社会では一切問われ」なくなるわけです。

それよりむしろ支持者にとって大事なことは、
「代議士と知り合いになって箔を付ける」といったことです。
それゆえ自民党議員にとっては「地元の行事や冠婚葬祭に
出席するかどうか」が大事になるということです。

「政治家城下町」は、55年体制時代、高度経済成長時代から
バブル時代までの、自民党恒久政権を支えた「コア」です。
いわば前時代の既得権益層の中心とでも言えるものです。
「政治家城下町」の恩恵から締め出された、
おもに都市部の生活者の支持をいかにしてすくい上げるかが、
政治改革のひとつの課題でもあるのでした。


はじめにお話した、自民党員の高齢化と党員数の減少は、
「政治家城下町」のあらたな成員を確保できなくなっている、
ということではないかと、わたしは想像します。
しょせん前時代の既得権は、時代の変化についていけないのであり、
おのずと消滅する運命なのかもしれないです。

あと5年から10年で消滅するとして、バブルと冷戦が終焉した
1990年ごろからカウントすると、30年-35年かかることになります。
自然消滅に任せると、時間がかかるのはいなめないですね。

事情がなんであれ、自民党員が近い将来激減するということは、
支持基盤が急速に弱体化するということですから、
自民党が選挙に勝つことがむずかしくなることが予想されます。

さきの衆院選と参院選で民主党がいっぺんに議席を減らして、
自民党政権がまた何十年も続くことになるのかと、
絶望的な気持ちのかたもいらっしゃるかと思います。
でももしかするとこの様子だと、案外長続きせずに
自民党政権が終わってくれるかもしれないですよ。

posted by たんぽぽ at 20:59 | Comment(4) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
そこで、提案です。議員も65歳定年制でよろしいのでは(笑)。
Posted by 魚 at 2014年10月08日 11:13
このエントリにコメントありがとうございます。

自民党の場合、公認を出すのは73歳まで、という内規はあるようです。
Posted by たんぽぽ at 2014年10月08日 22:01
自民党もただ衰退に任せるほど無策でもないでしょうから、地域社会の地縁血縁といった結びつきよりも、都市型の保守的な若い層を党員として取り込もうとするかもしれませんね。そのためには右イデオロギーや復古志向をより鮮明に打ち出してくるのではないでしょうか。保守的な若い層には従来型の利益誘導よりもそういうものの方がアピールしますから。
Posted by 御光堂 at 2014年10月09日 17:56
御光堂さま、おひさしぶりです。
このエントリにコメントありがとうございます。

>都市型の保守的な若い層を党員として取り込もうとするかも

おなじようなことを考えているかたは、いらっしゃりますよ。

「自民党員の激減とネトウヨ化」
http://togetter.com/li/718044

じつはすでにそうなり出しているのではないかと思います。
自民党の右傾化が進んだと言われてひさしいですし、
片山さつきのように、ネトウヨの親分みたいになったのもいますからね。

J-NSCなんてネトウヨの巣窟と化しているけれど、
自民党がJ-NSCを作ったのも、まさに若年層の右翼を
取り込むためだったのではないかとも思います。
http://matome.naver.jp/odai/2136584855731651001
Posted by たんぽぽ at 2014年10月10日 06:52
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