10月5日エントリでご紹介した、櫻井よしこ氏の
選択的夫婦別姓反対論ですが、ほかのところも見ておくことにします。
(ありきたりすぎてたいくつかもしれないですが。)
「 日本固有の文化文明を壊す『夫婦別姓法案』に反対 」
「夫婦別姓という概念の大切さ」
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後者については、現在も許されている「通称」で解決する問題ではないか。
結婚後も旧姓で仕事を続けることは可能で、その実例も少なくない。
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ここに書いています。
「選択的夫婦別姓のまとめ(9)」
通称で解決するというなら、全員夫婦別姓にして、
夫婦同姓にしたい人が通称を使えばいいと思いますよ。
「解決する」と言う人が自分で使うことです。
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前者の理由についても、歴史を振り返り、他国の例を見れば、
姓が変わることをもって「女性の自立や人格」が損なわれるという考えが
的はずれであることがわかる
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ここに書いています。
「アイデンティティ」
いつの歴史やどこの他国の例を見たのかと思います。
他国のことを言えば、いまや世界のほとんどの国で、
夫婦別姓が認められているのですよね。
いまだ同姓が強制される日本が特例中の特例です。
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韓国では、結婚後も女性は旧姓を名乗る。
女性運動が華やかだった1960〜70年代に、韓国の事例は女性蔑視の
例として語られたものだ。差別するがゆえに、夫と同じ姓を名乗らせず、
族譜(家系図)にも載せないのだといわれた。
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ここに書いています。
「中国、韓国の別姓は儒教由来の女性差別?」
「選択的夫婦別姓のまとめ(2)」
韓国では2008年に男性優位の戸主制度が廃止されています。
「儒教思想にもとづく女性差別的な夫婦別姓」というのは、
すでになくなっていることになります。
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日本には日本の家族制度があり、それは私たちの文化文明であり、
先人たちが長い期間をかけて築き上げた価値観だ。
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ここに書いています。
「夫婦同姓は日本の伝統?」
「選択的夫婦別姓のまとめ(3)」
日本の近代家族制度は、明治時代にヨーロッパ諸国の
民法にならって作られたものです。
歴史は100数十年ですし、ヨーロッパから輸入してものであって、
日本固有のものでないことはあきらかです。
>戦後改革悪玉論
櫻井よしこ氏の記事は、事実認識も歴史認識も
あちこちおかしいところだらけなのは、上述からもわかると思います。
最後のほうにはこんなことが書いてあって、
ようはこれを言いたかったのだろうと思います。
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同法案の源をたどれば、その考えは戦後の占領政策の下で行われた
徹底的な家制度の破壊に行き着く。現在、私たちが直面する多くの問題が
家庭の破壊に端を発するという側面を持つのは周知だ。
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「戦後改革悪玉論」ですね。
都合の悪いことは全部戦後改革のせいにして、
自分たちの主張は「日本の伝統」ということにする、
アメリカにべったりでない右翼が好きな主張です。
桜井よしこ氏が守るべきだという、夫婦同姓を強制した現行民法は、
まさに戦後改革によって定められたものなのですよね。
「よい家庭」とはどんなものなのかと思いますが、
日本で家族に関して因習・反動的な人たちが好きな
「家族のカチ」と呼ばれるものでしょうか?
これは「夫が外で働き、妻が専業主婦で子どもがふたり」という
高度経済成長期に広がっていったものです。
戦後改革の産物とも言えると思いますよ。
戦前にはなかった、戦後のものであることは確実ですね。
戦後改革によって解体された家族制度とは、
男性が家長となるイエ制度であり、妻は無能力者とされ
財産の管理も自分でできなかったのであり、
正妻のほかにめかけがいて当然で、さらに嫡出子と婚外子がいて
おたがいが複雑に利害対立していたのでした。
このような男性本位で、女性差別的で子どもの権利も
保障されない家族が「よい家庭」であり、
「日本固有の文明文化」として維持されるべきというのかと思います。
日本の「強制的夫婦同姓」と同じですね。
韓国嫌いの方には、ぜひ、選択的な制度の導入推進をおすすめしたいと思います(笑)
>日本と韓国は男女平等指数の低さを競っていますが(笑)
日本と韓国とでいがみ合っていると、近親憎悪にも見えてきます。
>韓国は「強制的夫婦別姓」であることですね。
>韓国嫌いの方には、ぜひ、選択的な制度の導入推進をおすすめしたいと思います(笑)
婚姻後の苗字が強制されているという意味で、
韓国と日本はおなじと言えますね。
韓国とおなじなのが嫌という人たちは、
日本に選択的な制度を導入するのがよい、ということになりますね。
本社世論調査:カジノ法案、反対62%…女性に根強い反発
毎日新聞 2014年10月19日
http://mainichi.jp/select/news/20141020k0000m010077000c.html
結婚しても夫婦がそれぞれ結婚前の名字を名乗れるようにする選択的夫婦別姓の法改正では、「賛成」が52%と「反対」の40%を上回った。男女とも賛成は52%。反対は男性が42%に対し、女性は38%だった。
〜〜〜
過半数ですね。
まぁ、私にとっては、反対がいまだに40%もいることが理解できないのですけど。
>http://mainichi.jp/select/news/20141020k0000m010077000c.html
ご紹介ありがとうございます。
よくぞ夫婦別姓について調査してくれたと思います。
世間的にはすっかり忘れたことだと思っていましたよ。
>過半数ですね
意外でした。
大手メディアの調査でこのくらい賛成が高い割合になったことは、
これまでなかったのではないかと思います。
夫婦別姓なんてたいして話題になっていないので、
なにがあったのかと思うところです。
まがりなりにも「女性活用」なんて叫ばれているので、
夫婦別姓にも関心が多少回ったということかもしれないです。
>反対がいまだに40%もいることが理解できない
本当に4割もいるのかという感じです。
これらの人たちは、なにを思って非共存的主張をするのかと思います。
>一つお訊ねしたい。夫婦別姓にするメリットは何か問いたい
そういうことは、ご自分で調べたほうがいいと思います。
わたしのブログまで来るくらいでしたら、
情報のありかまではあとすこしです。
http://lacrima09.web.fc2.com/teardrops/fundament/necessity/necessity1.html
「メリット」という言いかたに、この問題に対する
あなたのスタンスが現れているのだろうと思います。
はじめまして、私は夫婦別姓について関心を持ち、あなたのブログをたまたま拝見したので、お話を伺った次第です。
たんぽぽさんコメントありがとうございます。ただ、「情報のありか」とやらのリンク先が上手く表示されません。お手数ですが、端的にでも夫婦別姓のメリット、いや、「メリット」と言うと敵愾心を抱かれるようですが、私のスタンスはあくまで、それほどまでに別姓にこだわる理由を知りたいだけなので、端的にでもたんぽぽさんのお言葉で説明、ご教授いただけたら幸いです。ちなみに社民党の福島瑞穂の論ずる夫婦別姓論に依拠するのであればリターン不要で構いません。
ごあいさつと自己紹介、ありがとうございます。
>「情報のありか」とやらのリンク先が上手く表示されません
わたしはふつうにリンクさきが表示されるのですが、
もしかするとURLが長いので表示されないのかもしれないです。
短縮URLにしたので、こちらでためしてみてはと思います。
http://bit.ly/1sXoLLm
リンクさきのコンテンツのメニューはこうなっています。
とく多いのが「アイデンティティ」と「職業上の不利益」だと思います。
--------
簡単に言うと(はじめに)
アイデンティティ
職業上の不利益
結婚相手への従属感
プライバシーの暴露
各種名義変更の手間
家名の継承
子連れの再婚
-------
これで端的と言えるかもしれないですが、希望がありましたら、
このうちのいくつかをお話したいと思います。
ほかにやや変わったものとして、こんなからもいらっしゃります。
「教育のための夫婦別姓」
http://bit.ly/1rssTQJ
あと素朴な疑問として、墓石がえらく増えそうですね。それについてはどうですか?
コンテンツメニューにたどりつけるということは、
やはりURLの長さが原因なのかな?
全部のコンテンツを短縮URLにして、ここに並べておきますね。
これでだめならブラウズする環境を変えるよりないと思います。
「簡単に言うと(はじめに)」
http://bit.ly/12vkZQR
「アイデンティティ」
http://bit.ly/1rx80E2
「職業上の不利益」
http://bit.ly/1D9YcVP
「結婚相手への従属感」
http://bit.ly/1rx8dqN
「プライバシーの暴露」
http://bit.ly/1DKv35V
「各種名義変更の手間」
http://bit.ly/10shlXo
「家名の継承」
http://bit.ly/1ywKmft
「子連れの再婚」
http://bit.ly/1rx8BWd
コメントをふたつにわけています。
>社民党の福島瑞穂の夫婦別姓論なら知っているので
福島瑞穂氏の本も参考にしています。
なので、おなじようなことも書いてはいますよ。
それで全部ではないけれど。
「民法改正のことを調べたいかたは」
http://bit.ly/10shqtW
>あと素朴な疑問として、墓石がえらく増えそうですね
増やす必要はぜんぜんないですよ。
「お墓を守る反対派」
http://bit.ly/1wxmlW7
私は夫婦別姓には反対の立場ですが、今回たんぽぽさんとのやり取りは有用でした。ありがとうございました。福島瑞穂の別姓論は他の論者の方にも広く通ずるスタンダードということがわかりました。旧ソビエトの家族解体実験に並行して夫婦別姓論を私なりに引き続き勉強したいと思います。ありがとうございました。
そうではないかと思っていましたよ。
「メリット」という表現で察しがつきましたよ。
>福島瑞穂の別姓論は
福島瑞穂の『結婚と家族』は夫婦別姓問題の入門書ですからね。
ちょっと古い本ではありますが、一通りのことを知りたいならこれを読め、
というものはあると思います。
http://honto.jp/netstore/pd-book_00833790.html
もっと最近の本として『よくわかる民法改正』があります。
薄くて早く読めるし、新しい事情が反映されているので、
わたしはこちらを勧めることも多いです。
http://honto.jp/netstore/pd-book_03241656.html
変な人がわいていてお疲れ様です。
それにしても反対論者は、夫婦別姓に反対するメリットは何なんでしょうね。それほど固執してまで反対したい理由とは一体何なのでしょうかね(笑)
本当に非共存派カルトな方の脳みそにはついていけません(爆)
ほんと一人ひとり考えることは異なる、他人を尊重しなければいけない、とかそういう基本的な道徳が身についていないのでしょう>反対派の人たち
>変な人がわいていてお疲れ様です
上の反対派は、なにやら気になる人ではありますね。
福島瑞穂ど同意見かにやたらこだわっているけれど、
おなじ意見だったらどうなのかと思います。
「旧ソビエトの家族解体実験に並行して夫婦別姓論を」にいたっては、
これらを並列する発想があるのかと思います。
それで夫婦別姓に対して、いったいなにを考えているのかと思います。
>それにしても反対論者は、夫婦別姓に反対するメリットは何なんでしょうね。
>それほど固執してまで反対したい理由とは一体何なのでしょうかね(笑)
わたしも上の反対派にそれを訊いてみたいです。
人からさんざん情報を引き出そうとしたのだし、
こちらの疑問にも答えてほしいものです。