2014年11月15日

toujyouka016.jpg 収入のジェンダー格差

11月3日エントリ11月9日エントリの続き。
世界経済フォーラムの男女平等指数の詳細です。

「The Global Gender Gap Report 2014」
「Global Gender Gap Report 2014 - Economies Japan」

 
NHKの報道を見ると「給与水準の格差はいくぶん改善したものの」とあります。
これが今年はまがりなりにも順位が下げ止まって、
1ランクだけとはいえ上がった原因になるのでしょう。

Econimic participation and oppotunity

2014年のデータを見ると、「年収格差」は0.60で74位、
「同一賃金同一労働」は0.68で53位となっています。
2013年の結果は「年収格差」が0.57で79位、
「同一賃金同一労働」は0.62で87位です。
昨年とくらべると、今年はわりと改善されたと言えそうです。

収入の格差が縮まったと言われても、実感のないかたも多そうです。
「データブック国際労働比較2012」という
比較的新しいデータにもとづいた調査を見ても、
日本の男女の賃金格差はいまもって7割程度あります。
8割を超えている欧米の民主主義国より格差がずっと大きいです。

男女賃金格差は国際的にみても低水準 (男女間賃金格差の国際比較)


男女のあいだにむしろ依然として格差があることを
実感するデータはたくさんあって、たとえば正社員にかぎりですが、
年齢層別年収分布にジェンダー格差がはっきりと出ています。



さらに正規と非正規をわけて男女で年齢層別の年収分布を調べると、
ジェンダー格差がさらにはっきりします。



結婚や出産にともなく年収の変化も大きいです。
女性は結婚すると年収が減ることも目立っています。



子どもを持つとさらに賃金格差が広がることも際立っています。
OECD加盟国中、日本は子どもを持つ女性の賃金が
最低水準
ということがとくにいちじるしいです。

子育て男女の給与格差 "日本 先進国で最大"

さらに母子世帯になると、賃金格差はさらに大きくなります。
母子世帯と夫婦のいる世帯とでの年収分布を見ると、
母子世帯の低収入は歴然としています。



「同一賃金同一労働」の指標に近いものとして、
学歴別年収のジェンダー差があると思います。
女性の大卒と男性の中卒とで年収がほぼおなじくらい
ということが、衝撃的だと思います。




これらのデータを見ていると、男女で収入の格差が縮まった
と言われても、なかなか実感できないものがあります。
それでも過去とくらべると、いくぶんましになったということなのでしょう。

posted by たんぽぽ at 22:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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