「争点にならない女性政策 アベノミクス賛否が優先」
(はてなブックマーク)
安倍政権はしきりに「女性活用」と言っているのですが、
選挙ではほとんど話題にしていないのですよね。
野党・民主党もこれに対抗しようとして、
ジェンダー政策に関して対案を出すなどして、
前面に持ってこようとはしないのですよね。
新潟4区で自民と民主の候補者がともに女性なので、
記事に取り上げられているのですが、ふたりとも経済政策中心
アベノミクスの賛否がメインで、ジェンダー政策には
ほとんど触れないのですね。
首相の横に並んだ新潟4区の自民前職の金子恵美氏も同じだ。
訴えの中心はアベノミクスの効果、農業振興など。
先月30日に開いたミニ集会でも、女性政策についてほとんど触れなかった。
菊田氏は安倍政権の女性政策に対し「女性と言えばプラスに
なると思っているだけで、まやかしだ」と厳しい。
だが、地元有権者にそれを強く訴えてはいない。
選対幹部は「女性政策も大事だが、新潟ではアベノミクスの恩恵はない。
今回の選挙ではそこを中心に訴えたい」と説明する
なぜかくもジェンダー政策がなおざりにされるのか、
記事では女性議員のすくないことと、「政治は男のもの」という
意識が変わらないことを指摘しています。
女性議員がすくない→ジェンダー政策が争点にならない
→女性議員が増えない、という悪循環はありそうです。
明治大学法科大学院の辻村みよ子教授(憲法)は、
女性議員の総数が少ないことが原因だと指摘する。
「日本社会の根底にある、政治は男性のものという意識が変わらず、
女性政策や男女平等の主張が票につながらない風潮がある」
つぎのツイートは、ジェンダー政策が置き去りにされる原因を
よく物語っていると思います。
争点にならない女性政策 アベノミクス賛否が優先 http://t.co/LypnIqs2zb 田舎の選挙区に行くと、「女性や子供のことばかりで、天下国家を論じなければ票にならない」などと言う年寄りが必ずいる。だから、経済や安全保障の話ばかりしなければならなくなってしまうのだ。
— ラビニア (@IsSheW) 2014年12月5日
「政治というのは天下国家を論じるもので、女子供といった小さなことを論じるものではない」という偏見は、田舎に限らず、多くの人が持っている。新橋あたりの飲み屋や、町内会における政治好きの人の論議は、必ず、経済や安全保障についてであって、子育てや女性政策の話が話題に上ることはまずない。
— ラビニア (@IsSheW) 2014年12月5日
「政治とは天下国家を論じるもの、オンナコドモのことなんて
小さなことを論じるものではない」という偏見が根強いのは、
実感するかたも多いだろうと思います。
選択的夫婦別姓がしばしば「くだらないこと」と言われるのも、
こうした偏見にもとづくものもあると言えます。
「夫婦別姓なんてくだらない?」
少子化対策を話題にするときも、当事者の生活のため
という立場ではなく、経済のためとか税収のためとか
国の将来のためという立場でしか、語らないのですよね。
それで「女が産まなきゃ国が滅びる!」と騒ぐ男と、
「いっそ滅びればいいんじゃない?」とそれを醒めた眼で見る女という、
乖離が出てくるのだと思います。
「少子化対策・立場の違い」
そもそもジェンダー政策が経済と関係するという認識が、
あまり定着していないように思います。
女性の労働力率を高めることで経済効果があること、
具体的にはたとえば労働環境の男女格差の改善で
GDPが13%上昇するという試算があります。
「女性の労働改善で日本のGDP13%上昇 海外は“喫緊の課題”と報じる」
安倍晋三首相はこれを期待して「女性活用」と
しきりに言っているということです。
あまりに下心が見透かされて「女性の権利なんて念頭になく、
経済のことしか考えていないのだろう」と
不信感を抱かれているくらいです。
このようにジェンダー問題と経済がむすびつくことは、
ある程度この問題にくわしいかたなら常識的だと思いますが、
そうでないかたには、なかなかない認識なのでしょう。
つぎのようにジェンダー政策の当事者の問題もあるでしょう。
「ふつうの人」は政治に関する話題を極端に避けたがります。
これは日本に顕著な現象なのだろうと思います。
他国はもっと政治の話題にオープンだと思いますよ。
一方、子育ての当事者たちは、政治論議をしたがらない。保護者仲間のフェイスブックでも、教育や保育に関する意見は、よほど気を使わないと書けない。もちろん会っても話題にならない。ましてや各党の政策の違いの話などタブー中のタブー。「投票だけは行こうね」と書いてイイネをするのがやっとだ。
— ラビニア (@IsSheW) 2014年12月5日
こうした「ふつうの人」たちは、自分の生活と政治が
結びつかないのもあるかもしれないです。
子ども手当てに反対しておきながら、子どもが作れないのは
お金がかかるから、などと言っている人が多いようなのですが、
こうした矛盾はその現れのひとつでしょう。
「子ども増やさない本音」
ジェンダー政策や子育て世代の当事者にとっても、
政治とは経済とか安全保障とか天下国家を語ることであり、
自分の生活と結びつくことを語ることではない、
という意識があるのかもしれないです。
かくして政治のお話をする人たちは、ジェンダー政策のことに
興味を持たないし、子育て世代やジェンダー政策の恩恵を
受ける当事者たちは、政治のお話をしたがらないことになります。
つまりジェンダー政策を政治に望む人がいないということです。
これが日本のジェンダー政策の立ち遅れの原因のひとつなのでしょう。
日本ではジェンダー政策が選挙の争点にならず
置き去りにされるのは、民意の反映だと言えます。
経済も安全保障も天下国家も、すべて市井の生活があってこそなんですけどね。
すべからく世の中の大人は、子供のため、ひいては子供を育てる人々のために生きるべきだと思うんですけどね。
それに日本人てもともと、御上のいうことにゃ逆らえネェだっていう、呑百姓根性が染み付いていますから。
今回のみえみえ選挙で暴動が起こらないのがその証拠でしょう?
このエントリにコメントありがとうございます。
>経済も安全保障も天下国家も、すべて市井の生活があってこそなんですけどね
もっと一般的には個人あっての社会や公ですよね。
目的は個人であって、社会や公は個人が生きるための手段のはずです。
政治の話題というと天下国家について語ることだと考えるのは、
個人のこと=自己中心的、社会や公のことを考える=利他的
という感覚があるのも、あるのかもしれないです。
>それに日本人てもともと、御上のいうことにゃ逆らえネェだっていう、
それもよく言われることですね。
外国ならとっくに暴動が起きていることなのに、
日本人はいたって静か、ということもすくなからずあります。
自力で民主社会を作り出した経験のないゆえ、というのもあるのでしょう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014120902000151.html?ref=rank
あと、↓はダイアモンドさんの記事。
(あえて3ページ目へのリンクを貼ります。)
http://diamond.jp/articles/-/63448?page=3
>http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014120902000151.html
ご紹介ありがとうございます。
東京新聞はほかの争点についても、各党のマニフェストを
検討していて、ていねいですね。
書いてありますね。
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女性政策ではほかに、社民が、結婚後に女性が旧姓か配偶者の姓を
選ぶことができる「選択的夫婦別姓」の導入を主張。
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>http://diamond.jp/articles/-/63448?page=3
こちらもご紹介ありがとうございます。
夫婦別姓に触れられていますね。
民法改正こそ大事だという意見が、もっと顕在化すればいいと思います。
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夫婦別姓は先日廃案になった法案でも触れられず、
話題にもなっていませんが、女性の活躍に絶対必要だと思います。
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http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2014121202000109.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014121202000176.html
>http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2014121202000109.html
>http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014121202000176.html
|「高齢者が悪いようなイメージを作ってる人がいっぱいいるが、
|子どもを産まない方が問題」。麻生太郎財務相が衆院選の応援で
|少子高齢化について語った一幕だ
麻生太郎から失言が飛び出しましたね。
5年前にも「子どもはふたりいるから義務は果たした」
という主旨のことを言っているのですよね。
http://taraxacum.seesaa.net/article/119159525.html
麻生太郎は釈明したけれど、「子どもを産まないほうが問題」も
「子どもを持つことが義務」とおなじ主旨なのだと思います。
|肝心なのは、こうした政策の土台に「女性の権利を守る」という考え方が
|すえられているのかということだろう
まさにこの理由で、安倍政権の「女性活用」は疑われているのですよね。
麻生太郎のような発言をする人が出てくるから、
なおさら疑われることにもなるわけです。
|そのためにも女性に差別的な制度は改めるべきだ。
|選択的夫婦別姓の導入などを盛り込んで、二十年間近くも実現せずに
|きた民法改正は、財源を心配せずにできる
選択的夫婦別姓について触れていますね。
書いてくれたのはよかったと思います。
ちょっとずつだけど、いろいろな記事で出てくるようですね。