2014年12月13日

toujyouka016.jpg 安倍政権・再分配の欠如

安倍政権の経済政策は再分配政策がふじゅうぶんである、
ということついて、触れたいと思います。
これは「アベノミクス」に決定的に欠けていることとして、
あちこちから指摘されているようです。
消費税を8%に増税したことで、急激に景気が落ち込んだのも、
再分配政策の欠如という弱点が現れたのだという考えもあります。

 
12月12日エントリでご紹介の「ダイヤモンド」の
山崎元氏の記事にも、最後のページで言及があります。
具体的にどんな政策かまで書いていないのが残念です。

「アベノミクスと日本の「中間層」の行方を考える」
長期と言わず短期的にも、早急に整備が必要なのは、
フェアで効率の良いセーフティネットだ。

あえて欠点を挙げるなら、アベノミクスは「分配論」を
欠いた政策パッケージだ。安倍首相が「バラマキ」と批判する
再分配政策の中にも、フェアで効率的な「良いバラマキ」もあれば、
アンフェアで非効率的な「悪いバラマキ」もあるはずだ。

荻上チキ氏の「貧困のリアル考える問題」という記事でも
再分配政策の不足の問題について扱っています。
補助ブログの12月7日エントリでも、わたしは引用しています。

「2014衆院選 何のための選挙か 貧困のリアル考える問題」
増税による景気の停滞は、貧困層を直撃しています。
個人が努力すればなんとかなるという「努力原理主義」では、
もはやどうにもならない。手を打たないと、もたなくなっている。

安倍政権は地方創生や女性の活躍を重点目標に掲げていますが、
女性支援や弱者への再配分を強めなければ、貧困はさらに広がり、
少子化も進んで国力が低下するのは間違いありません。


政策についてより具体的には、たとえば生活保護や、
母子世帯の貧困率男性との賃金格差(とくに子どもをもつ女性)、
非正規雇用の問題といったことがあると思います。
最近でも以下のような記事が書かれています。

「<衆院選 明日を探して>「女性の活躍」別世界 
母子世帯「生活の安定を」 非正規、低収入訴え切実」

「弱者追いつめる政策で…さらに悪化する「アベノミクス餓死」」

自民党・安倍政権はこうしたことには熱心ではないですね。
生活保護費は2013年8月から10%の引き下げを行なっています。
安倍政権の「女性活用」は、母子世帯や貧困に置かれている女性を
「蚊帳の外」に出していると感じているかたも多いです。
また企業が労働者を派遣で雇いやすくする、
労働者派遣法の改正を準備してもいるのでした。


付記:

つぎの記事で、各政党がどれだけ社会保障や弱者対策を
マニフェストでしめしているかを検討しています。
「社会保障一般」「生活保護」「子どもの貧困」
「教育」「雇用」「財源」の6項目について調べています。

「2014年衆院選の争点はアベノミクスの是非じゃない
真の争点「社会保障と雇用」から比較した各党公約」


具体性が明確に見られる「◎」
「不安や危機感を増さない」という方向性が明確「○」
いずれとも判断できなない「△」
「不安や危機感を増す」「限定された条件のもとで安心に配慮」「記述なし」「×」

自民党のマニフェストは生活保護が「×」で、あとは「△」ばかりです。
自民党が弱者対策や再分配のための政策に熱心でないことは、
マニフェストにも現れていると言えます。

筆者による各党の公約チェック

posted by たんぽぽ at 20:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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