12月14日に行なわれた衆議院総選挙の結果です。
自民と公明の与党で合わせて326議席となりました。
定数は5減っていますが、公示前の324議席とほぼ同数を維持です。
国会全体の3分の2の318議席以上も維持して、与党の勝利ですね。
おおかたの予想通りというところでしょうか。
「2014衆院選」(朝日新聞)
「衆院選2014」(読売新聞)
「第47回衆院選」(毎日新聞)
民主党の獲得議席は73で、公示前の62より11だけ増えました。
一時は議席が増えない可能性も言われたので、
増えただけよかったと言えるかもしれないです。
それでも2005年の衆院選で大敗したときの113議席はなおさらですが、
目標の100議席にもはるか及ばなかったのでした。
議席が増えたと言っても、敗北と言わざるを得ないです。
とくに代表の海江田万里が比例復活もできず落選したことが
痛恨のきわみであり、民主党の敗北を象徴しているかのようです。
小選挙区における民主党の獲得議席は38です。
前回の2012年の衆院選のときは27議席でしたから、
そのときよりは増えたには違いないですが、
議席を取り返せた選挙区はわずかだったと言えます。
前回2012年の衆院選のときは、反自民の候補者が乱立して
共倒れが目立ったので、今回はそれを防ぐために、
選挙区の棲み分けを図ったのでした。
それにも関わらず、ほとんど議席を取り返せなかったことになります。
比例区の獲得議席は35で、前回の30議席より5議席増えています。
多少支持を回復させたと言えるでしょう。
前回は維新より獲得議席がすくなく、比例第3党だったのですが、
今回は比例第2党になったのはよかったと思います。
民主党が比較的健闘したのは、基盤の堅い愛知県です。
15ある選挙区のうち6選挙区で小選挙区当選しています。
半分も取れていないのですが、前回2012年の衆院選のときは
2選挙区だけでしたので、議席を結構取り戻したと言えます。
比例の東海ブロックも前回の4議席から、
今回は5議席に増えて、支持をすこし回復したと言えます。
北海道は12ある選挙区のうち、3選挙区で小選挙区当選です。
前回はゼロでしたから、これでも健闘したと言えるでしょう。
比例の北海道ブロックは今回は2議席ですが、
前回も2議席なのでこちらは残念ながら増えていないです。
首都圏はふるわなかったです。
東京、埼玉、千葉、神奈川の1都4県を全部合わせて
71選挙区のうち、小選挙区当選したのは7選挙区だけでした。
前回の小選挙区当選は6選挙区で、1しか増えていないです。
とくに東京都でふたりからひとりに減ったのが痛恨です。
比例は東京ブロック、北関東ブロック、南関東ブロックを
全部合わせると、今回は11議席獲得しています。
前回は10議席だったので、わずかに1しか増えていないのでした。
かくして民主党はまたしても敗北であり、
党勢を回復させたとはとても言えない状況です。
それでも今回の衆院選を取り巻く現状を考えると、
まだ民主党は健闘したほうと言えるかもしれないです。
今回の投票率は52.66%で戦後最低でした。
前回2012年の衆院選も投票率が低かったのですが59.32%だったので、
それより6.66ポイントも下がっています。
低投票率ゆえに組織票のある自民党がさらに有利だったのであり、
野党候補を一本化しても勝てない選挙区がもともと増えていた状況でした。
それにもかかわらず自民党の議席を増やさなかったわけです。
野党どうしでの選挙区の棲み分けも
小選挙区での議席獲得にはほどんとつながらなかったのですが、
棲み分けをしないで候補者を乱立させたら、
前回2012年のとき以上に共倒れが目立って、
民主党の小選挙区当選はますます絶望的だったのではないかと思います。
民主党は他党との棲み分けのためでだけでなく、
党勢が凋落したため候補者が見つからず、
候補者を立てられない空白の選挙区も目立ったのでした。
擁立した候補者は全部で198人で、単独で過半数が取れる人数以下です。
候補者の数がすくないにもかかわらず、議席を増やしたのは、
よくがんばったほうと考えられるでしょう。
さらには小選挙区の候補者がいない選挙区では、
やはり民主党の陰が薄くなるようで、比例の票の掘り起こしが
じゅうぶんできない事態にもなりました。
それで比例の議席を増やしているというのも、
なかなか健闘したとも言えると思います。
与党の圧勝と言ってもほぼ現状維持でしたし。
共産党が躍進したことだけが目立ちますね。投票率が低いと共産党有利になるにしてもやはり批判票の受け皿になったのだと思います。
共産党がどれだけ取るかあぶり出すために選挙をやったのではないかと勘ぐってしまいます。
>与党の圧勝と言ってもほぼ現状維持でしたし
与党として意義があったことといえば、
支持を更新して任期を延ばしたことと、2012年の総選挙で初当選した
議員が再選して基盤を堅めたことになるかもしれないです。
>共産党が躍進したことだけが目立ちますね。
最大の勝者となりましたね。これはいささか意外でした。
ご指摘のように低投票率に加えて、得票を伸ばしたことがありますね。
依然として民主党などが反自民に受け皿になりえていないのでしょう。
次世代の党が壊滅寸前までいったことが大きいと思います。
ネトウヨは票田が狭いことと、自民党に投票するネトウヨも
結構いるということでしょう。
ほかに沖縄で自民党が小選挙区で全敗したとか、
小規模ながら特筆する変化はいくつかあったと思います。