スタンスの一覧をしめしたサイトをご紹介しました。
このうち当選者の中から「夫婦別姓」と「家族のかたち」の
ふたつの争点を選んで、そのスタンスがどのように
分布しているかを調べています。
「家族・夫婦の形は? 衆院選当選者、男女で意識差」
「シングルマザーや夫婦別姓 女性議員、寛容寄り」(全文)
(はてなブックマーク)

横軸は選択的夫婦別姓で、右が賛成(共存派)、左が反対(非共存派)です。
縦軸は家族のかたちで、上が多様性重視、下が「家族のカチ」重視です。
左下へ行くほど、家族に対して因習・反動的となります。
男女べつにしめした図をしめしているのですが、予想通りですね。
女性当選者が右上、男性当選者が左下に寄っています。
因習・反動的な家族観は、男性にとって利益があり、
女性のほうが多く拘束されますから、とうぜんと言えます。
記事に出ている数字を見ると、
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家族のかたち
女性
多様性重視: 50%、「家族のカチ」重視: 23%
男性
多様性重視: 24%、「家族のカチ」重視: 44%
選択的夫婦別姓
女性
賛成(共存): 48%、反対(非共存): 30%
男性
賛成(共存): 28%、反対(非共存): 47%
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となっています。
どちらの争点とも女性当選者と男性当選者とで、
数値の大小が入れ替わっているのが特徴的です。
2014年10月に行なわれた、一般対象の毎日新聞の世論調査では、
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全体
賛成(共存): 52%、反対(非共存): 40%
男性
賛成(共存): 52%、反対(非共存): 40%
女性
賛成(共存): 52%、反対(非共存): 38%
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となっていて、男性でも賛成(共存)のほうが多いです。
衆院選の当選者の場合、男性で反対(非共存)が多いのは、
国会議員のあいだでは、一般とくらべて選択的夫婦別姓の必要性が
浸透していない、ということかもしれないです。
自民党の当選者が多いので、反対(非共存)が多くなった、
ということも考えられます。
政党別を組み合わせると、民主、公明、共産の女性で
家族の多様性と夫婦別姓に賛成(共存)、
すなわち図の右上が多くなったとあります。
おおかたが予想する通りだろうと思います。
(民主党は「寄り合い所帯」でリベラルな議員だけでなく
右翼議員も混じっているのですが、
女性議員で右翼はそういえばほとんどいないと思いませんか?
わたしも思いつかないです。)
自民党は男女とも因習・反動的な家族観、
すなわち図の左下の割合が高くなったとあります。
(そんな自民党でも女性は男性より、因習・反動的な家族観の
割合が低めになるとありますが。)
このあたりも予想通りだと思います。
この調査は、ほとんどのかたにとっては予想通りであり、
結果に意外性はぜんぜんないとは言えます。
それでもはっきり調べて数値を具体的に出して、
ビジュアルにわかるよう図示したのはよかったと思います。
なにより家族観や夫婦別姓について記事で取り上げてくれたことが、
わたしとしては、よかったと思います。
選択的夫婦別姓問題、家族やジェンダーに関する問題は、
往々にして重視されず、扱われないことが多いのですよね。
謝辞:
12月17日エントリのコメント欄で、朝日新聞の記事を
教えてくださった魚さま、ありがとうございます。
いつも情報提供してくださり、お世話になっています。