その状況をふまえた上で、これから野党とくに民主党は、
どうしたらよいかを考察した記事があります。
「各党の金融政策を比較すれば明らか
「自民党圧勝」予測は覆らないだろう」
(はてなブックマーク)
「自民圧勝後の野党は、どう対抗軸を立てれば生き残れるか?」
(はてなブックマーク)
ひとつ目の記事は12月8日、ふたつ目の記事は12月15日で、
衆院選に前後して書かれています。
>金融安定化政策は支持される
記事では安倍政権に入ってから、雇用の就業者数が増えたことや、
企業の倒産が減ったことをあげて、金融緩和が理論通り
雇用状態を改善していることをしめしてます。
金融安定化政策は、世界中のどこの国でも一般的に
行なわれている「標準的ツール」であり、
それまで行なっていなかった日本が特殊だったのでした。
安倍政権になってようやく日本でも本格的に
金融安定化政策を行なうようになり、まがりなりにも
まともに経済が回るようになったということです。
安倍首相は、金融政策が雇用政策であることを初めて完璧に理解した首相だ。
筆者の感じをいえば、安倍首相は、金融政策について、
@多方面に大きな影響があること(マクロ経済政策の重要性)、
A日銀人事をしっかりやった後は任せられること(日銀の手段の独立性)、
B左派政策を取り込めること(政治的優位性)から、
その重要性をしっかり理解していた。
雇用状態を改善して失業者を減らす施策を行なった政党が
国民から支持されるのは、どこの国でもとうぜんということです。
金融緩和をやたら忌避するのは、バブル時代のトラウマと
言われていますが、かかる金融緩和アレルギーは
いわば「日本の常識=世界の非常識」のひとつだったわけです。
ひとつ目の記事で、各党の金融安定化政策に関する公約を比較して
自民党以外の政党がいかに金融政策に無理解かをしめしています。
民主党など野党各党は、この機会に方針を転換し、
金融緩和が雇用を作り出すことを理解し、これを継承する必要があるでしょう。
むしろ労働者の立場を強調して「金融緩和によって
雇用を作りだし、さらに雇用義務を盛り込む」くらいのことは
主張してよいことだと言えます。
日銀法改正して、雇用義務を盛り込むなどの左派政党らしい、
まともな政策がいえないのだろうか
>自民の対抗軸はリベラルで
ふたつ目の記事では自民の対抗軸を目指すなら、
リベラル的政策をかかげるのがよいとしています。
保守をかかげるなら、自民との連立を目指したほうがよいとしています。
これはわたしも同感です。
「自民党の対抗軸はリベラルの結集しかない」
自民党の対抗軸としては、野党としてリベラルの結集がもっとも素直だ。
もし保守系スタンスであれば、自民党との連立を目指したほうがいい。
民主党にはこの路線しかない。この意味で、維新の党は、正念場になっている。
保守系スタンスなのかリベラルで行くのかの決断が迫られる。
ふたつ目の記事ではデュベルジェの法則をあげて、
小選挙区ゆえに3つ以上の政党の存続がむずかしいことから、
自民党の対抗軸になるにはリベラルしかないとしています。
ほかにわたしが考えることとして、保守系政党は政策で
自民党と差をつけにくいことがあるのではないかと思います。
自民の対立軸を標榜しても、政策が自民と似てくるので、
有権者としては自民との違いがわかりにくいし、
「それなら自民でいいや」となってしまうのだろうと思います。
自民の対抗軸を標榜して長続きするためには、
リベラル政党でなければ困難ということになるでしょう。
1990年代以降の政治改革の時代以降に
誕生した保守系政党は、実際どれも短命に終わっています。
民主党はまがりなりにもリベラルな政策をかかげてきたので、
15年以上存続しているのでしょう。
>リベラルが採る政策
野党(民主党)が採るべきスタンスとしては、
ふたつ目の記事では「労働者」の立場を基礎にするとよいとしています。
一般に労働者の立場というのはリベラル・左派的ですし、
自民党には「大企業の味方」のイメージがありますから、
対立軸を主張しやすくもなって、好ましいと思います。
金融緩和については、前述のように雇用を作り出すことを強調して、
雇用義務まで主張するのがよいということになります。
アベノミクスが取り残している再分配政策についても、
つぎのように結構具体的に案を書いています。
リベラルでは、労働者をコアな支持層とし、
所得再分配について政府の介入度を高める方向となる。
今の自民党との差別化でいえば、金融政策を重要視して
日銀法改正でインフレ目標と雇用義務を加えること、
歳入庁を創設し税・社会保険料を一体徴収し、
不公平をなくし所得累進課税を強化する方向がいい。
所得再分配の強弱は、最高の累進課税税率の高低や資産課税の取り組みでみてもいい。
アベノミクス第三の矢に対しても、自由貿易と規制緩和を原則とするが、
労働者の権利保護を重視するするというスタンスをしめしてます。
自由貿易、規制緩和では、労働者の権利保護に配慮して、
自由化一辺倒でない是々非々路線になる。
ふたつ目の記事4ページ目では格差問題について触れていますが、
格差の解決のためにも経済成長が必要であることに触れています。
現代では経済成長(実質2%、名目4%程度以上)がなければ、
政策の自由度がなくなり、社会保障や所得の再分配も困難になるからです。
民主党が子ども手当てなどに対して財源の不足を批判されて
頓挫することになったのも、経済成長を重視しなかったゆえに
財源が確保できなかったとも考えることができるでしょう。
いまや保守もリベラルも関係なく、みずからの政策を
実行するために経済成長は必要ということです。
「「成長重視」は共通、与野党の対立軸は別に」
日本の現状では、所得成長率が低く、資本収益率も低いのが実情だ。
1990年代以降、日本の経済成長率が世界でビリであることを考慮すれば、
まず、求められるのは成長の底上げだ。
世界的な基準から見れば、ここ20年間程度の低い成長率に甘んじる
というのであれば、社会保障を含めた経済社会の諸問題は解決できない。
日本のリベラルな識者の中には「もう成長はいらない」と
極端なことを言ってしまう人が、ときどきいるのですよね。
これもリベラルの経済不信の現れの一形態なのだろうと思います。
こうした経済否定をする人は支持されなくなるのですよね。
このふたつの記事は、経済・雇用問題を中心に、
野党とくに民主党はなにをどうしたらよいのか、
自民の対抗軸となる勢力の立場でくわしく書いてあって
よい記事だと、わたしは思います。
わたしとしてはジェンダーに関する政策についても
数行程度でも言及があればよかったと思っています。
アベノミクスで雇用が改善され正規雇用が増えたといっても、
女性はまだまだ非正規雇用にとどまるかたが多いからです。
「非正規社員2000万人突破、女性やシニアが増加 11月」
ジェンダー問題は自民党がとりこぼしやすいところなので、
自民の対立軸を立てやすい課題だと言えます。
また女性の雇用問題というジェンダーに関すること自体が、
リベラルの立場で主張しやすいことなのは、もちろんです。
はじめまして、セレナです。
この人知ってた?
http://botsubo.publog.jp/
ブログ主は男だったけど、
今では希少な夫婦別姓推進ブログ。
メールで会話した所、
脱原発が期待できないけど、
消費税10%で基礎年金全額国庫負担、
脱アベノミクスで脱スタグフレーション、
そして、天皇反対。(爆)
確か、ブログからメールを送信できたため、
この機会に話し合うのはどうかね。(^o^)
コメントありがとうございます。
>この人知ってた?
>http://botsubo.publog.jp/
ご紹介ありがとうございます。
ぜんぜん知らなかったです。
選択的夫婦別姓は、たとえばこれとかですね。
http://botsubo.publog.jp/archives/41662137.html
ざっと見てみたのですが、いまひとつスタンスが「?」ですね。
野田聖子にみょうに批判的ですが、理由がよくわからないです。
たぶんかなり前から続けて読んでいないと、
わからないのだろうと思います。