金融緩和で雇用は増えているけれど、女性は非正規雇用にしか
つけないことがあいかわらず多い、という問題についてです。
「金融緩和で雇用が増加」
「金融緩和と非正規雇用」
「女性の非正規は見えない?」
1月10日エントリで紹介した、非正規雇用の世代別の増加の図は、
女性に非正規雇用が増えていることをはっきりしめしています。
このグラフを作ったかたは、非正規雇用に女性が多いことを
さすがに無視してはいないのですが、こんな考察をしているのですよ。
「非正規雇用が増えた理由はこれ!」
次に目立つのが子供の手がかからなくなった世代の女性が
パートタイムで働きだしたことで、景気回復に伴う人手不足が背景にある。
つまり、アベノミクスは格差拡大などとは関係はなく、
ここから見えてくるのは人手不足を女性や高齢者が補っている姿なのだ
女性が非正規に回されているのなら、格差拡大と大いに関係ありますよ。
正規と非正規の年収格差は歴然としています。
よってその年収格差が男女の格差に大きく反映することになるし、
それが社会全体の格差となって現れるからです。
「男女&雇用形態別年収分布」
「収入のジェンダー格差」
日本の場合、とくに母子家庭で年収格差が大きく、
OECD加盟国の中で群を抜いています。
これも母子世帯に非正規雇用が多いことと関係があるのでした。
「母子家庭の年収分布」
「シングルマザーの実像」
さきのエントリでは、「人手不足を女性や高齢者が補っている
姿なのだ」と書いて、なんら問題のないことだとすましています。
女性を労働力の穴埋め程度にしか考えておらず、
男性と同様の扱いをしないことが問題なのですよ。
察するに、家族観が高度経済期あたりで止まっていて、
「女は結婚したら家庭に入るのだから、補助的な仕事でも
なにも問題ないんじゃない?」くらいの認識なのかもしれないです。
さらに1月7日エントリで紹介した図の出ているつぎのエントリでは、
非正規雇用の増加を問題視する民主党のマニフェストを
「最新サギフェスト」などと言って、つぎの考察をしています。
「アベノミクスで正規雇用者も増え始めた!!」
これも指標の一部だけを都合よく取り出して批判しているもので、
雇用全体が大きく改善していること、定年退職した
団塊世代が非正規雇用で引き続き職についていること、
女性のパート・アルバイトが増えていることは無視している。
大きな要因にはわざと目をつぶっているのである。
わたしの想像ですが、民主党としてはむしろ
女性のパート・アルバイトが増えていることをはっきり意識して、
それが問題だと思ったのかもしれないですよ。
そういえば、民主党のコマーシャルに出てきた
「夢は正社員」というセリフを言う人は、女性だったのでした。
女性が非正規に回されていてもそこに問題を感じないなら、
そのほうが存在する問題を「無視している」と言えます。
また1月18日エントリで紹介したまとめやエントリは、
女性が非正規に回されていることに言及がないです。
これらの人たちはまちがいなく「無視している」ことになります。
http://ameblo.jp/akiran1969/entry-11955142785.html
2.人手不足を背景に短時間勤務のパートタイムや
アルバイトを中心に雇用者が増加した。
1.は不可避な問題であり、2.はアベノミクスの成果だ。
批判は的外れなのである。
正規雇用が増えたのはおもに男性であり、女性はあいかわらず
非正規雇用に回されているのなら、それは批判することだと思います。
http://ameblo.jp/akiran1969/entry-11957567460.html
景気回復にはアベノミクス、この道しかないのである
雇用対策を男性中心で考えて、女性を労働市場の周辺部に
押しやっておきながら、「この道しかない」と言うのなら、
独善的でさえあると思います。