このブログの2月15日エントリと、補助ブログの2月15日エントリで、
イスラム国(ISIL、ダーイッシュ)は、女性や同性愛者も
迫害しているということをお話しました。
こうした残虐行為にも関わらず、ISILを弁護したり
共感を寄せたりする人たちが、サヨクの中にいるというのですよね。
もとの文章を書いたのはジュリー・バーチルという
イギリスの男女同権論者で、それを解説した記事がつぎにあります。
「フェミニズムとIS問題」
(はてなブックマーク)
引用部分のさらに引用になりますが、こんな調子なのですよ。
イギリスにもこういうタイプのサヨクはいて、
それなりに問題になっているのねと、わたしは思ったです。
イギリスに限らず、欧米諸国はどこも似たような
状況ではないかと、わたしは想像します。
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だが、多くの左翼たちはまだ彼らのために言い訳を続けている。
ISISがこれだけ自分たちの悪行に対してあからさまなのに、
それでも一部の奇妙な左翼たちが彼らに同情的でいられる
過去30年間、「白人のワーキングクラスは愚かで遅れていて、
セクシストでホモフォビックで排他的だ」と言い続けてきた都会の左翼たちが、
セクシストでホモフォビックで排他的な思想にシンパシーを抱いている。
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欧米社会においては、イスラム教徒はマイノリティです。
そしえマジョリティによってしばしば差別や偏見の対象になります。
一般に左翼は社会の既得権益層に対して攻撃的で、
被差別マイノリティの権利を重視します。
それゆえ欧米のサヨクはキリスト教徒や白人に対しては
批判に遠慮がない一方、非キリスト教徒、非白人に対しては
批判が鈍くなりがちで、イスラム教徒、アラブ人というだけで
理解や共感をしめす傾向が出てくるのでしょう。
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左派の女性ライターたちは、だいたい「ISISの理念と
イスラム教は別物だからムスリム差別はやめましょう」
みたいなことを書いてそこで停止する。
ISISへのアンチ感情をストレートに表現するのは左翼としていかがなものか。
みたいな空気があるからだろう。
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中にはこんな思考回路をしめす欧米のサヨクもいるとあります。
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昔の左翼が使った「カラー・チャート」式ポリティクスもある。
彼らの信条体系がどのように人間を扱うものかということとは関係なく、
原則として、肌の色が濃い方を選べという考え方だ。
ムスリムはGOOD。キリスト教徒がBAD。の図式の筈なんだが、
待てよ、ここではキリスト教徒の方が黒人ではないか。
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こういうのはまともでない部類の人たち、
日本で言えば漢字で「左派」とか「左翼」ではなく、
カタカナで「サヨク」とか、あるいは「ブサヨク」とか、
最近ネットで見かけるようになった「ヘサヨ」といった
表現をされる人たちなのだろうとは思います。
イギリスのサヨクたちが、女性や同性愛者に対する迫害にもかかわらず、
ISILに理解や共感をしめしていられるのは、
彼らもまた女性差別的だからではないかと、
ジュリー・バーチルは考るようになっています。
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それでも一部の奇妙な左翼たちが彼らに同情的でいられるのは、
「彼らの女性たちへの仕打ちにも関わらず」ではなく、
少なくとも部分的には、それがあるからだと思うようになった
左翼の男性たちにISISのシンパが多いのは、
人種というより、性別の問題があるのではないか。
フェミニズムの行進への抑圧された嫌悪感である。
もちろん彼らは死んでもそれを認めることはできないだろうが。
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この考察がどこまで当たっているのかは、
イギリスの事情を知らないわたしにはなんとも言えないです。
サヨクの中にはやたら人権問題に神経質にもかかわらず、
ジェンダーに関することは差別や偏見に無自覚ということは、
残念ながらめずらしくなくあることです。
ISILが女性を「奴隷」として扱い性暴力にさらしているとか、
同性愛者を処刑したなどというニュースを聞けば、
まともなジェンダー感覚のあるかた(とくに女性や同性愛者)でしたら、
ISILに理解や共感を寄せることはできないだろうと思います。
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わたしの周囲でも英国の女性(&同性愛者)は
たとえアナキスト系の人でもISIS側に寄り添うようなことは言わない。
というのも、やはり「ISISは拉致してきた少女たちを倉庫に押し込め、
3人ずつ呼び出してはレイプしている」だの
「同性愛者たちをビルの上から突き落として『処刑』している」
だのいうニュースを読むと、「彼らの気持ちもわかるわあ」
という方向には行かないからだ
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>日本の場合
これはじつは日本のサヨクにも当てはまるのではないかと思います。
実際、ヒダリでISILに理解や共感をしめす人たちは、日本にもいるらしいです。
ISILによる女性や同性愛に対する迫害が、
日本ではあまり話題にならないことは、前のエントリでもすこし触れました。
日本のサヨクも親イスラム感情があることがあるのですよね。
古くは連合赤軍、日本赤軍を輩出した歴史があるくらいです。
アラブ・イスラム世界と縁遠い日本のサヨクが、
なぜアラブ・イスラム寄りになるかですが、
直接的には反米イデオロギーや反イスラエル感情、
欧米中心の近代世界に対する反発があるのでしょう。
日本の近代・現代も、欧米優位の近代以降の文明の影響を受けています。
また戦後の保守や右翼は日米安保体制の維持など、
アメリカ合衆国との同盟関係を肯定することが多いです。
それゆえ保守本流は欧米中心や親アメリカ合衆国になりやすく、
そのカウンターとしてサヨクは親アラブや
親イスラムになりやすいのだと思います。
「イスラムは欧米世界を超克した」などと言っている
親イスラムの識者たちに批判的な池内恵氏は、
『諸君!』や産経本誌の正論欄など右翼メディアに寄稿したことがあります。
池内恵氏自身は右翼ではないでしょうが、親イスラムに批判的な言説が
右翼や保守に歓迎される傾向があると言えそうです。
かくして日本国内でもアラブ・イスラムに対するスタンスは、
イデオロギーをわける問題になりえるということです。
そしてそれは欧米諸国における左右のイデオロギーと
ほぼ重なってくるわけです。
>最高裁が憲法判断をくだすようですね
わたしもちょっとびっくりしました。
最高裁大法廷に回付されるとは思わなかったです。
http://www.asahi.com/articles/ASH2L5GV8H2LUTIL02J.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150218/k10015555411000.html
期待したいという思いはあるのですが、
それでも過度に期待はできないという気持ちもぬぐい去れないですよね。
これまで何度となく裏切られてきましたからね。
前の婚外子の相続差別と、今回いっしょに回付される
再婚禁止期間は、だいぶ前に一度最高裁判断があって、
そのときは違憲とされなかったのですよね。
それで今回ふたたび最高裁判断なので、
違憲とされる可能性が高そうなのですよね。
選択的夫婦別姓の最高裁判断は、今回が最初だろうと思います。
なので違憲判決が出るかどうかは「??」となりますね。
>この判断で、夫婦別姓が憲法に違反していないということになれば、
>また長い間夫婦別姓は実現しないのだろうと思うと、怖いですね
それが最大の懸案だと思います。
最高裁判断が変わるまでに、さらに15-20年くらいかかるでしょうからね。
反対派(非共存派)は、最高裁のお墨付きをもらったと
活気づくでしょうから、いよいよ自信を持って反対するでしょうし。