朝日新聞が同性結婚についての世論調査を行ないました。
2月20日エントリでお話した、渋谷区で準備を進めている、
同性カップルに対する「結婚に相当する関係」をしめす証明書の発行と、
同性結婚そのものの是非について訊いています。
「同性カップルに結婚相当証明、「評価」52% 世論調査」
渋谷区の「結婚に相当する関係」をしめす「証明書」については、
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評価する: 52%
評価しない: 27%
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となっています。
案外受け入れられているというのが、わたしの感想です。
同性結婚の法律婚を認めるかどうかについては、
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認めるべき: 41%
認めるべきでない: 37%
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となっています。
賛成のほうが多いのは、わたしにはいささか意外です。
(もちろん賛成が多いにこしたことはないです。)
2013年2月の内閣府の選択的夫婦別姓に関する世論調査では、
法改正に反対が賛成よりわずかに多かったことを考えると、
同性結婚はもっと抵抗が強いのではないかと思っていたからです。
2014年4月の西日本新聞の世論調査では、同性結婚に「賛成」は43.3%、
「反対」は52.4%で、反対のほうが多かったのでした。
男女別で見ると、渋谷区の「証明書」を「評価する」は
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男性: 48%
女性: 56%
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となっています。
同性結婚を認めるかどうかは、
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男性
認めるべきだ: 39%
認めるべきでない: 44%
女性
認めるべきだ: 42%
認めるべきでない: 30%
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となっています。
いずれも女性のほうが同性結婚を受け入れています。
年齢層別で見ると、渋谷区の「証明書」を
「評価する」は20-40代が6-7割、50-60代で4-5割、70代以上は2割台で、
若年層ほど評価していて、高齢層ほど否定的となっています。
年齢層別のほうは予想通りだと思います。
『世界価値観調査』の同性愛許容度の国際世論調査を見ると、
日本は他国とくらべて世代間の差が大きく、若年層ほど同性愛を
受け入れる割合がとくに高いという、きわだった特徴があります。
「年齢層別の同性愛許容度」
https://twitter.com/tmaita77/status/565831698403692544
ピュー・リサーチ・センターの同性愛の寛容度についての
国際世論調査でも、日本の世代間差は同様に大きいです。
「同性愛を受け入れつつある」
これはロイターの記事で特筆されているのですよね。
「同性愛への姿勢に世界で温度差、日本は年齢で隔たり=調査」
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日本では、同性愛を支持するとの回答は全体では54%だが、
30歳未満では83%、50歳以上では約40%と、
年齢による開きが顕著となっている。
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男女別についても、2014年3月の西日本新聞の世論調査では、
同性結婚を法的に認めることに賛成と答えたかたは、
男性が35.4%、女性が48.7%で、やはり女性のほうが多いのでした。
「同性愛に対する寛容度」
同性愛に対する理解度が「女性>男性」という国は、
ほかにもいくつかありますが、世界的な傾向ではないらしく、
一般的には有意なジェンダー差はない国が多いようです。
「同性愛への姿勢 日本では年齢・ジェンダーで差異が」
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ピューの英文記事では日本におけるジェンダー・ギャップも指摘されています。
それによると日本では女性の61%が同性愛を支持すると
回答したのに対し、男性では47%だったのだそうです。
他に似たような傾向を示している国は、ベネズエラ(女性59%、男性44%)や
ギリシャ(女性59%、男性47%)、イスラエル(女性48%、男性31%)など。
これは別に全世界的な傾向ではなく、
「調査した国のほとんどでは、同性愛に対する考え方に
有意の男女差はなかった」とピュー・リサーチ・センターは報告しています
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ところで、日本や幾つかの国で同性愛への許容度が女性>男性となっているのはどうしてでしょうか?
女性の方が男性より社会人弱者とされているため、同じく社会人弱者・マイノリティと見なされる同性愛者に寛容な傾向があるからでしょうか?
若い人については教育の効果もあるでしょう。
でも、自分が社会的弱者だから同性愛者を許容してるとは思いたくないなあ・・
わたしのブログにコメントありがとうございます。
>20代に限れば、日本の同性愛許容度は米国やドイツよりも高いのですね!
そうなのですよ。
わたしもびっくりしました。
ジェンダーに関することで、日本が欧米の民主主義国以上の
高水準をしめすことは、めったにないですからね。
>日本や幾つかの国で同性愛への許容度が女性>男性となっているのは
わたしもよくわからないのですよね。
はっきり書いてある記事もないみたいです。
ご指摘のように、女性のほうが被差別的立場にあるため、
マイノリティに対して理解を持ちやすい、ということはありそうですね。
ほかに考えられるとしたら、ゲイはマッチョ主義に反するとか、
レズビアンは女が男に回ってこなくなる、といったことによる
同性愛嫌悪が、男性にはあるということかもしれないです。
このエントリにコメントありがとうございます。
>ある外国人に聞いた話ですが、どの国にも一定の同性愛者が10-20%いる、
どこの社会にも案外たくさんいるのですよね。
無理解な人はもちろんそれなりに理解のある人でも、
「同性愛者はどこか遠くの自分の知らないところにいる」
という印象を持ちがちなのですが。
同性愛か異性愛かというのは、遺伝ではないですが
生得的なことであり、かならず一定の割合で出てくる、
ということだと思います。
>若い人については教育の効果もあるでしょう
近年は性教育の中でも性的指向のことは触れますしね。
同性愛が市民権を得るようになることで、
そうした状況をとうぜんと思うようになる、
ということもあると思います。
日本は性教育やジェンダー教育はそれほど徹底していないのですが、
そのわりに諸外国とくらべて世代間差が大きいのは
どういう事情によるのか、ということはあると思います。
>自分が社会的弱者だから同性愛者を許容してるとは思いたくないなあ
各個人についてはさまざまな事情があると思います。
かならずしも「社会的弱者だから」とはかぎらないでしょうね。
わたしは「社会的弱者だからほかのマイノリティに理解できる」
ということに、さほど抵抗はないのですが。