少子化に拍車がかかる」とコメントしたことが、話題になりました。
3月2日のテレビタックルに出演していたときの発言です。
「自民党国会議員の柴山昌彦さんがTVタックルで
「同性婚で少子化に拍車」論を披露し批判が殺到してる模様」
(はてなブックマーク)
「【追記あり】自民党ヘイトスピーチ対策PT座長代理の柴山昌彦議員
「同性婚を認めると少子化に拍車がかかる」と
テレビ番組でヘイトデマ発言を行い炎上」
(はてなブックマーク)
#テレビタックル での柴山昌彦氏(自民党)の発言を再度確認しました。昼頃に抜粋して書き起こします。確かに「同性婚を制度化したときに少子化に拍車がかかる」と発言していました。根拠のない差別煽動デマです。 pic.twitter.com/zdic5JEBtv
— てろめあ (@telomere1123) 2015, 3月 3


またしても「同性結婚を認めると少子化」ですよ。
同性結婚の法制化と出生率に関係がないことは、前にお話したことがあります。
「同性結婚で少子化進行?」
「「同性婚を認めると少子化が加速」のウソ(追記あり)」
(はてなブックマーク)
同性結婚が法制化される直前とその後とで、
出生率がどう変化したかのデータ(上記エントリで
載せたものとはべつのもの)があるので、掲載したいと思います。
世界銀行計測に基づくデータです。

これらを見ると同性結婚の法制化後、出生率が上がった国、
横ばいの国、下がった国とあってさまざまです。
同性結婚の法制化と出生率には因果はなく、同性結婚を認めると
少子化が進むなどということに根拠はないことがわかります。
柴山昌彦氏は、同性結婚を認めると同性愛者が増えると考えているのか?
と訊かれたのですが、「そんなことはない」と答えています。
よって同性結婚が認められなければ、同性愛者は異性と結婚して
子どもを持つだろうと考えている、ということではないかと思います。
@zaitokukaianti
この発言の直後、
ミッツさん「同性婚を認めてしまうと同性愛者が増えてしまう危険性があるという恐ろしい考えですか?」
柴山「そんなことはありません」
— てろめあ (@telomere1123) 2015, 3月 3
「熟していない」というのも「お約束」ですね。
選択的夫婦別姓も「時期尚早」とさんざん言われました。
熟していないとか時期尚早というわけではなく、
ご自分に偏見があって追いつけないだけなのだと思います。
3月2日23時15分よりテレビ朝日にて放送された「ビートたけしのTVタックル」における柴山昌彦氏(自民党衆院議員)の発言を抜粋して書き起こしていきます。
まず冒頭、
柴山「(同性婚について)議論が熟していない」 pic.twitter.com/HY2OvbSCdJ
— てろめあ (@telomere1123) 2015, 3月 3
柴山昌彦氏もご他聞に漏れず、例の「家族思想」の信奉者のようです。
これがかかる反同性愛思想のもとになっているのでしょう。
柴山(自民)「今は多様な家族というものがあって、母子家庭であっても差別してはいけないが、伝統的に、典型的に、お父さんがいてお母さんがいて、その両親のもとで子どもが育っていくのが自然の摂理というか典型例なのは確か」
— てろめあ (@telomere1123) 2015, 3月 3
柴山昌彦氏の場合、「正しい家族」に当てはまらない「異教徒」も、
存在自体は「既成事実」として、まがりなりにも認めているようです。
それでも「家族思想」の信仰に合致する家族を
あくまで優先するべきであり、「異教徒」は周辺に置いておく
必要のある存在だと考えているのでしょう。
また察するに柴山昌彦氏は、「家族思想」に則る家族が増えれば、
出生率は高まるのであり、少子化が進行するのは
「異教徒」のせいだとでも考えてもいるのかもしれないです。
それゆえ「家族思想」に当てはまらない同性結婚を認めると
少子化に拍車がかかる、などと考えることになるのでしょう。
なぜ日本において少子化が進行するのかというと、
既存の勢力が効果的な少子化対策に反対してきたからです。
柴山昌彦氏の所属する自民党は、かかる少子化対策への反対に
主導的な立場を取り続けてきたくらいです。
子ども手当て叩き、高校無償化叩き、大学の授業料高騰の放置、
ジェンダーフリーバッシング、性教育バッシング、
保育所の整備の立ち遅れ、夫婦別姓や婚外子の相続差別などの反対、
赤川学の本に代表される女性の労働環境の整備に対する反対、
長時間労働など男性中心の労働文化の放置、男性の「家庭進出」の立ち遅れ、
林道義の本に代表される高度経済成長期時代の
性別役割分担の賛美などが、具体的にはあるでしょう。
こうした効果的な少子化対策に対する反対の原動力は、
まさに「家族思想」に対する強烈な信仰にほかならないです。
柴山昌彦氏も信奉者の一員として、少子化を推進してきたと言えます。
過去20年間の少子化対策の愚策や無策を棚に上げて、
少子化を同性愛者のせいにするのは、責任転嫁にもほどがあるというものです。
柴山昌彦氏が「同性結婚で少子化進行」などと言い出したのは、
渋谷区で同性カップルに対する結婚証明書の法制化を
準備していることが、番組で話題になったからだろうと思います。
ようするに同性愛の権利が政治課題として
具体的に取り上げられるようになったことの反映です。
今後は日本でも、政治家による同性愛差別発言も、
残念ながらたくさん眼につくようになるのだろうと思います。
いままでは同性愛が政治課題とならなかったので、
政治家が発言する機会がなかっただけということです。