地方の女性議員の特集があるので、ご紹介したいと思います。
「女が生きる 男が生きる 「地方政治の壁」編:第7シリーズ」
(はてなブックマーク)
「「女性ゼロ」地方議会、2割超 朝日新聞調査」
「「女性ゼロ」議会2割超 本社全国調査 女性の議員は11%」(全文)
(はてなブックマーク)
メインのページには、地方議会(都道府県と市区町村の合計)の
女性議員の割合と、女性議員がゼロの地方議会の数についての図が出ています。
地図の上にカーソルを置くと、各都道府県の女性議員の割合と人数、
さらにクリックすると女性議員がゼロの自治体が、具体的に表示されます。


日本は国政でも女性議員の数が国際的に見て少ないのですが、
地方議会も女性議員が少ないのですよね。
全体では地方議員33416人で、女性は3926人、11.7%です。
(国政は衆議院が475人中45人で9.5%、参議院が242人中38人で15.7%、
両方合わせて717人中83人で、11.6%です。)
「Women in national parliaments」
都道府県別に見ると、いちばん女性議員の割合が高いのは東京都です。
1755人中434人が女性議員で24.7%となっています。
いちばん多いところでも、4分の1程度なのですね。
ほかの46都道府県は、すべて女性議員の割合は2割以下です。
2位は神奈川県で880人中174人、19.8%が女性議員です。
女性議員の割合がもっとも低いのは青森県です。
議員667人中女性議員は40人で、わずかに6.0%です。
全体的には都市部で女性議員の割合は高く、地方で低いという傾向があります。
女性議員がゼロの議会が多い都道府県も青森県です。
41議会中、21議会、51.2%の議会で女性議員がゼロです。
つぎの女性議員がゼロの議会が多いのは福島県です。
60議会中、25議会、41.7%の議会で女性議員がゼロです。
女性議員がいない議会が4割を超えているのは、この2県となっています。
女性議員がゼロの議会がない都道府県はふたつで、大阪府と栃木県です。
女性議員の割合がもっとも高かった東京都は
女性議員がゼロの議会は63議会中7議会で11.1%ですが、
これらはすべて伊豆・小笠原の島嶼部の自治体です。
女性議員がゼロの議会は都道府県にはないです。
女性がゼロの議会があるのは、すべて市区町村議会です。
女性議員がもっとも多い自治体は、神奈川県の大磯町で、
13人中8人、61.5%が女性議員です。
そして日本では大磯だけが、女性のほうが男性より多い議会です。
「知る人ぞ知る」という事実だろうと思います。
「日本初! 大磯町議会で女性議員が過半数占める」
「日本でただ一つ女性議員が5割を超える議会-神奈川県大磯町議会」
ヨーロッパの国ぐにと比較しても、日本の地方議会の
女性議員の割合は低いというのは、おおかたの予想通りだと思います。
欧州連合(EU)の欧州委員会の2013年調査では、
欧州30カ国の地方議会に占める女性の割合は、平均で3割を超える。
駒沢大学の大山礼子教授(政治制度論)は
「欧米では、身近な問題を扱う地方政治には女性のほうが関心が高く、
国会より女性の割合が高い傾向にある。
日本のような『女性ゼロ』議会の多さは、
他の先進国では考えられない」と指摘する。
ヨーロッパ30カ国の平均で3割を超えるとありますから、
日本の11.7%よりずっと多く、日本でいちばん女性議員の割合の高い
東京都の平均(24.7%)と比べても、まだ高いことになります。
ちなみに、日本で女性議員が3割を超える自治体は、
1788議会中53議会で全体の3.0%です。
欧米の民主主義国では国政より地方議会のほうが、
女性議員の割合が高い傾向にあるのですが、
それは地方政治では身近な問題を扱うため、
女性のほうが関心が高くなるためとあります。
これは日本の有権者の意識の問題もありそうに思います。
日本人は政治と生活が無関係という感覚のかたも多く、
自分の身近な生活の問題を解決する手段としての政治という意識を
持ってないかたも多いのではないかと、わたしは思っています。
それで地方政治は国政よりも関心がうすいかたも
すくなくないのではないかと思います。
それゆえ日本では地方議会で女性議員がすくないという、
欧米諸国と逆の傾向をしめす要因のひとつに
なっているのではないかとも思います。