2020年までの少子化対策の指針となる「少子化社会対策大綱」です。
「少子化対策:原案…男性の産休取得率20年までに80%に」
(はてなブックマーク)
「男性の出産後休暇80%目指す 少子化社会対策大綱決定」
「少子化対策大網を閣議決定 出産後有給、男性の8割目標」(全文)
(はてなブックマーク)
「男性育休取得8割が目標 政府が新少子化大綱、20日に決定」
「男性育休取得 8割目標 政府 新少子化大網、あす決定」(1/2)
「男性育休取得 8割目標 政府 新少子化大網、あす決定」(2/2)
重点課題の大きな5項目は、
--------
1. 子育て支援施策の充実
2. 若い年齢での結婚・出産
3. 多子世帯への配慮
4. 男女の働きかたの改革
5. 地域の実情に即した取り組み
--------
となっています。
3.の「多子世帯」というのは、3人以上の子どもを持つ世帯に対する支援です。
これで大きく1項目を取っているのですよね。
「多子世帯への配慮」もないよりあったほうがいいですが、
子どもがひとりやふたりの世帯への配慮も必要でしょう。
子どもの人数に関係なく、同様の支援をすることがこのましいと思います。
3人以上の子どもを持つ世帯の負担を軽減するため、
第3子以降の保育料が一定の範囲で無償となる制度の拡大を検討するほか、
第3子以降は保育所を優先的に利用できるよう自治体に働きかけるとしている。
3人以上子どもを持つ多子世帯への支援では、
公共交通機関の割引など自治体や企業と連携した施策に力点を置く
内閣府の2013年版の「子ども・若者白書」に、
子どもの人数べつの世帯数の割合の図が出ています。
これを見ると子どもがいる世帯の割合はどんどん下がって
少子化が進んでいることを反映したものとなっています。
「第1部 子どもや若者の状況 第1章 人口 第1節 人口」

左側の「(1)世帯数と子どものいる世帯数割合」の図のうち、
子どものいる世帯のみを注目して、合計が100%になるようにした図が以下です。

子どもがいる世帯にかぎると、子どもの人数ごとの世帯数の割合は、
あまり変化していないことがわかります。
子ども1人の世帯が4割以上、子ども2人の世帯も4割以上で、
子どもが3人以上の世帯は15%程度となっています。
子どもが3人以上の世帯は全体の中では少数であり、
子どもが1人-2人の世帯はこれよりずっと多数を占めます。
またこの大網でかかげた施策くらいで、3人目の子どもを持とうとする世帯が
きゅうに増えるとも思えないです。
それよりは育児環境次第で子どもを持つようになる、
子どものいない世帯のほうが多いのではないかと、わたしは思います。
したがって子どもが1人-2人の世帯に対して
支援を行なったほうが効果的であろうと考えられます。
さらに言えば公平性を重視して子どもの人数に関係なく
同様の支援をするほうが、のぞましいとわたしは思います。
2014年12月の衆院選で、自民党は「子ども3人以上の世帯への
子育て負担軽減策」をマニフェストに入れています。
「多子世帯への配慮」というのは、この自民党のマニフェストの
意向を組んだのではないかと、わたしは思っています。
「各政党のジェンダー政策(2)」

自民党のお歴々は、この「少子化社会対策大綱」でかかげた施策で
3人以上の子どもを持つ世帯が増えると思ったのでしょうか?
それとも、子どもの人数に関係なく公平にすると、
民主党の子ども手当てみたいになるので、避けたかったのでしょうか?