すさまじい「予言」があるのでご紹介したいと思います。
「あと3年・・・日本に住めなくなる日 2015年3月31日」
(はてなブックマーク)
なぜ住めなくなるのかというと、福島第一原子力発電所の
事故にともなう放射能汚染のせいです。
「予言」がなされたのは2012年の4月なので、ほぼ3年前です。
現実には3月31日は過ぎましたが、日本はふつうに住むことができます。
これから計算しますと、若干の内部被曝なども加味して、
三重県の外部からの被曝が1年5ミリになるのは、
2012年1月から3年4ヶ月後となります。
つまり、2015年4月1日になると、三重県には住めなくなるという計算結果です。
どういう計算をしたのかというと、一次関数(!)による近似ですよ。
昨年の9月頃より三重県の放射線量はわずかならが上がっていて、
一次方程式(y=ax+b)で書けば、今年の1月から3月までの平均がb
(つまりおおよその最初の状態)が毎時0.10マイクルシーベルト、
a(変化)が0.0004((マイクロシーベルト/時)/日)です。
想像するに、たまたま変動範囲内で上昇が続いていたところを、
直線近似しただけではないかと、わたしは思います。
春から夏にかけての気温の上昇を直線近似して、
12月は灼熱地獄になって人が住めなくなると、言っているようなものですよ。
「ある読者の方が線量計を持っておられて」と書いていますが、
だれのどのようなデータなのかも気になるところです。
記事の測定地は三重県ですが、放射線量は2012年から現在にいたるまで、
ほとんど変化はしていないことは、以下のサイトで確認できます。
「三重県における環境放射能・水道水・降下物の放射能測定結果について」
3.11の福島第一原子力発電所の事故以来、
脱原発派や脱被曝派の中には、放射線被害を誇大視して、
とんでもない「予言」を展開する人たちが、結構いたのでした。
当時から「とんでも」だとわかるのがたいていだったのですが、
原発事故から4年経って、彼らの「予言」がはずれたことを
直接確かめることができるようになってきたと思います。
ブックマークはにぎわっていますが、
最初のブックマークは今年の1月になってからです。
記事が書かれた当時は無視されたのでしょうが、
「予言」の日が近づいて、はずれることがあからさまになってきたので、
にわかに注目を浴び始めたということだと思います。
このとんでもない「予言者」は、中部大学の武田邦彦氏。
保育所の整備の反対を主張した「イルカと託児所」のかたです。
「ごろっと寝て口を開けていればバナナが落ちてくる」という
牧歌的な「南の国」認識がとりわけ強烈です。
「イルカと託児所」
「イルカと託児所(2)」
放射線被害でしたら、新しい原子力発電の事故でもないかぎり、
きゅうに線量が強くなることはないですから、だいじょうぶですよ。
まったくほかの理由で、日本にふつうに住めなくなる可能性を、
考えたほうがいいかもしれないです。