話題になっているのですよ。
「決して救われない社会的弱者「キモくて金のないおっさん」について語る」
(はてなブックマーク)
いくつか関連エントリがあるのでご紹介します。
「女性だって人間だし、結婚って人間関係のはずなんですが。」
「「キモくて金のないオッサン」」
「「キモくて金のないおっさん」が増加中? 彼ら「弱者男性」に居場所はないのか」
なんのことはない、「非もて」の一形態ということです。
「きもくて金のないおっさん」というのは、
いわゆる「弱者男性」とか「非もて」と言われる男性のうち、
経済的に困窮する中高年層ということになるでしょう。
オッサンの貧困を最近扱っているけど、驚くほど共感を得られない。性の商品化が問題などと言う人もいるけれど、買えない、売れない、キモくて金のないオッサンの方がどう考えても詰んでると思うのは俺だけ?
— 一柳良悟 (@1yagiryow5) 2015, 5月 20
「非もて」の愚痴の一般のかたちとして、彼らは自分に
女性が「資源」として配分されないことを、「被害」と主張します。
「きもくて金のないおっさん」も同様の主張をしているのでした。
「彼らは一部の男に金も女も奪われて」なんて言っています。
「非もての精神・思考構造」
そもそもの話、今夜のフェミどもは何をどうしたいんですかね。フェミニズムのデメリットとかしわ寄せとか考えないんですか。フェミニズム先進国の北欧とか明らかに大部分の男にしわ寄せが行ってるじゃないですか。それはいいんですか。彼らは一部の男に金も女も奪われて孤独死するのが正しいんですか?
— サガミ (@sagami1029) 2015, 5月 19
「金のないおっさん」が増えている事実はあります。
キャリコネの記事に、年収と非正規雇用の割合の調査が紹介されています。
これもよくご存知の「失われた20年」によって、
雇用や収入が不安定になったことの影響が、
中高年男性にも押し寄せてきたことになるでしょう。
https://news.careerconnection.jp/?p=12278
キモいかどうかはともかく、「金のないオッサン」が
増えていることは確かなようだ。
DODAが調査している年代別の平均年収によると、
40代は07年の670万円から14年の586万円と、実に90万円近く下がっている。
総務省の調査によると、「45〜54歳男性」の非正規労働者比率は
95年の2.9%から2015年で9.4%に増えている。
また「55〜64歳男性」でも17.5%から31.5%に増加している。
「きもくて金のないおっさん」問題というのは、
「非もて」問題に、中高年男性の雇用問題や貧困問題を
結びつけたということになるだろうと思います。
これらふたつの問題を結びつけるのが、そもそも問題含みの発想です。
「非もて」問題と経済問題は本来別べつに扱うことだからです。
「金のない」というのは、実際に社会的弱者になりますが、
雇用問題や福祉問題ですから、雇用や福祉の充実で解決することです。
これらは政治や行政の役目なのですから、
救済されたいのなら政治や社会に訴えることだと思います。
「きもくて」は、ようは「もてない」ということでしょうが、
それは女性に望まない結婚をしない自由が出てきたことによります。
まがりなりにも女性も経済的自立ができるようになって、
男性に依存しないで生きられるようになってきたからです。
「未婚率が低かった時代」
結婚できない男性が増えるようになったのは、
男性の経済的優位がくずれ、「望まない相手と結婚する脅威」から
女性が解放されたということです。
「非もて」は被害者ではなく、「既得権を失った社会的強者」です。
「きもくて金のないおっさん」は、雇用・経済問題における
社会的弱者という立場と「非もて」を結びつけることで、
「既得権を失った社会的強者」が、「社会的弱者」と自称できるようにした、
ということだとも言えるでしょう。
かくして本来べつべつに扱うふたつの問題を結びつけたことで、
他者の理解を得られなくなるどころか、どちらの問題も解決から
かえって遠のくことにもなりかねないのではないかと思います。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150619/1434649851
余計なものを結び付けたことによって、
低賃金とか「非正規」雇用といった共通点に基づく連帯は阻まれてしまう。
キモいか否かを問わず、「金のないオッサン」が如何にして
自らの境遇を改善していくのかということを焦点化すべきなのだ。
そもそも、「非モテ」問題というのを雇用政策とか福祉政策とかで
何とかするというのは不可能なのだ
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1942689246&owner_id=1806035
mixiやってる人以外見られないのがなんなんですが「金が無い」の問題は「反貧困」や「フェミニズム」と共闘できる問題なんです。
なぜか、自称・弱者男性はフェミニストを敵視しますが、女性が仕事と子育てを両立しながら、社会的経済的に自立できるようになれば、男性に経済力を依存せずとも済むようになります。
だから「金の無い」おっさんでも、充分に恋愛結婚対象になるんですよね。
また、縁に恵まれず独身無貯金で身寄りの無い老後を万が一迎えてしまっても、そこで病気や介護を公的支援で賄えれば心配も無い。
これについても、フェミニズムは大いに助けになります。
というのは、介護問題と女性問題というものは結構結びついていて、「嫁の無償奉仕労働」で介護が支えられていた歴史から、介護によって社会的キャリアを阻まれるケースは圧倒的に女性のほうが多かったわけです。
今、独身男性が親の介護を担わざるを得なくなり、それにとって経済的破綻や介護虐待、ひどい場合には介護殺人まで起こっている状況からも、フェミニストとキモくて金の無いおっさんは、同じ問題で連帯できる要素もあります。
…ただ。
「キモくて金の無いおっさん」問題が、そういった反貧困やフェミニズムに受け入れられにくいのは、「キモい」とい主観的情緒的問題を混ぜちゃってるからでしょうね、たんぽぽさんがおっしゃるとおり。
確かに「キモいおっさん」でも、そこそこ金があれば結婚のチャンスは増えます。まあ、正規雇用で年収4〜500万位かな?結婚相談所にはそういう条件のキモいおっさんが溢れているようですよ、聞いた話ですが。
ただ、そういう男性がまがりなりにも結婚できるのは、何度もお見合いを繰り返して、お仲人さんのアドバイスも聞き入れて、自分の欠点を改善してのことです。
「金が無い」なら、尚のこと、本人のスキルアップは大事でしょうね。
「非もて」を弱者認定するからおかしくなるんじゃないかなあと思うんですが。
非もてというのは、あくまで一時的な状態で相手が出来れば非もてじゃなくなるし、本人のちょっとした努力で改善できることです。
黒人が白人になるのとはわけが違いますから。
逆にそういう人でも善し悪しは別として特に用のないときは自宅に籠ってるのが心地いいなら問題ないと思います。
奥さん子供がいても仕事帰りに毎日行きつけのスナックのようなところでダラダラ長時間居座ってる人がいますが、その人にとって妻子のいる自宅より近所のスナックが居場所になってしまってある意味で気の毒です。
子供の反抗期も生活に困ってないし自分の部屋もあるのになんか居場所がないような感じがあるんでしょうね。
比較的女性の一人暮らしは収入少なくて恋人なしでも、有意義に濃い時間を過ごせているんじゃないかと。
男はそれが下手だからカネや恋人を欲しがる。女性は上手く居場所確保して精神的に不自由を感じないから恋人も欲しがらず結婚も特に望まないという、男女の精神的格差とも言えましょうかね。
このエントリにコメント、ありがとうございます。
>この問題については、私もちょっと書いたことがあるんですが
>http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1942689246&owner_id=1806035
ご紹介ありがとうございます。
この話題、かなりあちこちで話題になってますね。
>「金が無い」の問題は「反貧困」や「フェミニズム」と共闘できる問題なんです。
本来ならフェミニズムの問題を解決することが、
「金がない男性」の問題の解決にも結びつくはずなのですよね。
いかんせん彼らは、女性が経済力を持つことで、
経済力のない男性も結婚できるとは考えず、
「高収入女性は自分たちを養うべき」などと考えるくらいですからね。
フェミニズムと対決する道を選んでいるようです。
>自称・弱者男性はフェミニストを敵視しますが、
しょせん彼らは、失った既得権を取り戻すことしか
考えていないのだろうと思います。
それで自分たちの思い通りにならなくなった女性たちを
「仮想敵」と考えるということだと思います。
「金がない」問題も、かつて男女で経済力に格差があって、
女性が結婚によって男性に依存しないと、生活できなかった時代を、
漠然と夢見ているだけではないかと思います。
その「夢」がかなわなくなったことを、
「被害にあった」と思っているだけなのかもしれないです。
>「キモくて金の無いおっさん」問題が、そういった反貧困や
>フェミニズムに受け入れられにくいのは、
エントリにも書いたけれど、既得権を失った社会的強者が
社会的弱者を自称するための方便だ、
ということが見透かされるのだと思います。
>「非もて」を弱者認定するからおかしくなるんじゃないかなあと思うんですが
彼らは「女性が自分の意志に反するのはおかしい」なんて
考える人たちなのですから、ふつうに差別者だと思います。
「非もて」が弱者だと言っているうちは、
おそらくまともな人たちの理解は得られないでしょうね。
>非もてというのは、あくまで一時的な状態で相手が出来れば非もてじゃなくなるし、
そういうことは、ざらにありますよね。
とくに男性の場合、10代、20代で恋愛に苦労しても
30代になると苦もなく相手を見つけられることは、ままあるようです。
「もてない」というのは、本人の努力で変えられない、
もしくは変えにくい属性ではないということだと思います。
自記事ではコメント欄の酷いところに的を絞ったのでサガミ氏のツイートは批判してないんですけど、これもすごいですよね。
「再分配の主体は政府だし女はそもそも「資源」じゃなくて一個人なんだけど」
みたいな。
(ちなみに、ツイッターのプロフィールを信じるならサガミ氏は「人妻」らしいです。
反フェミ系主婦だとしてもここまで言っちゃうってのは超ホラー)
現時点での日本社会では女性が家計の主たる稼ぎ手であり「続ける」ってのは結構難しいわけなんですが、それを達成している数少ない「経済的強者女性」が「金のない」男と結婚する事例は、少数とはいえ統計に出る程度には存在していますよね。
じゃあ、結婚出来る・出来ないの差はどこで出るんだろうね…ということを、「キモくて金のないおっさん」論に乗っかっちゃう人はまじめに考えてるのかなぁ、と思います。
こちらにもコメントありがとうございます。
>サガミ氏のツイートは批判してないんですけど、これもすごいですよね。
はからずも本質的な部分を言ってくれたと思います。
「女性が自由意志を持てて望まない結婚をしなくなるから、
結婚できない男が出てくる」ということですからね。
>サガミ氏は「人妻」らしいです。
>反フェミ系主婦だとしても
プロフィールはひとことだけ書いていますね。
内容的には「きもくて金のないおっさん」の立場を代弁していますね。
>それを達成している数少ない「経済的強者女性」が
>「金のない」男と結婚する事例は
わたしも個人的に知っているかたもいらっしゃります。
>結婚出来る・出来ないの差はどこで出るんだろうね…ということを
「きもくて金のないおっさん」論を展開する人たちは、
「養ってもらえばラクできる」くらいの認識ではないかと思います。
それが見透かされるのではないかと思いますよ。
彼らがまともに家事労働を担うとも思えないです。
(家事について語っている人が、まとめにもいないですし。)
彼らはしょせん「金を持っている女から搾取する」
くらいの感覚なのではないかと思います。
曲がりなりにも「自称」人妻が「きもくて金のないおっさん」の立場の代弁をしてしまうあたりがえらくホラーだなぁ、と思ったのです。
「きもくて金のないおっさん」の性別反転版を自認して代弁しているのなら、そこまで男にこびなきゃいけない彼女の周辺状況が、女性差別の顕現的な意味でホラーですし、
「「きもくて金のないおっさん」が可哀想だから「心配りの出来る」女性がちゃんと包容してあげなきゃ」
状態なら、あたしがたんぽぽ様のブログを知るきっかけになった一件の小規模な再現だよなぁ、怖いなぁ…と。
…TLを眺めると前者寄りっぽいのでまだ分かりやすいですけど。
>「経済的強者女性」と「金のない」男性の結婚
あたしは残念ながらまだ実例に当たる女性とのご縁は無いのですよねー…「自立可能な経済力を持ちうる女性」とのご縁は、血縁含めて多いんですけど。
>「金のない」男性間の「結婚力」格差
「結婚力」という言葉は今アルコールの入った頭ででっち上げてるのでアレですが。
「養ってもらえばラク出来る」と考えていたかどうかはさておき、「キモくて金のないおっさん」に対する補填を誰がするべきか、という点の議論で色々駄々漏れてましたから、「キモい」のも当然かな、という感じですよね。
あたしのブログのコメント欄でイカフライ様宛のコメントで触れましたけど、
「憎い相手に迷惑をかけて復讐してやる」
という思考がだだ漏れというか。
男を養う事にやぶさかでない経済的強者女性でも、そういう思考が駄々漏れてる男性とそうでない男性なら、後者の方が結婚相手に選びやすいに決まってると思います。
>曲がりなりにも「自称」人妻が「きもくて金のないおっさん」の
>立場の代弁をしてしまうあたりがえらくホラーだなぁ、
わたしも得体が知れなくて不気味ですよ。
「人妻」が「おっさん」の利益を代弁することで
励まされる「おっさん」も、きっと出てくるのだろうと思います。
こないだの料理研究家もそうですが、
女性でも女性の権利や尊厳に理解のない人は珍しくないと、
言ってしまえばそれまでですが。
(性別を詐称しているとか、もっとうがった想像もできますね。)
>あたしがたんぽぽ様のブログを知るきっかけになった
>一件の小規模な再現だよなぁ、怖いなぁ…と
そういえばそんなこともありましたね。
男たちの中心にいる「アイドル」的女性が自称フェミニスト
というのが、いっそう強烈なものになっていたのでした。
>「憎い相手に迷惑をかけて復讐してやる」
>という思考がだだ漏れというか
ようは「女の分際で自分よりずっとキャリアがあって
高収入なのは許さん」という、差別的発想ですね。
経済力がないことの立場の弱さにまったく思い至らないのも、
そういう「強者的発想」をしているからかもしれないです。
あるいは本気で結婚するつもりはなく、
「憎いフェミが返答に困りそうな議論を仕掛けてやれ」
ということなのかもしれないです。
「きもい」と思われて、女性が寄り付かなくなるゆえんは、
このあたりが容易に見て取れることもあるのでしょうね。
「非もて」がもてないことを愚痴るほど、
ますます「非もて」になることの一種かもしれないです。